連載記事「住宅ローン完済までの道」もいよいよ最終回になりました。今回は「住宅ローン完済後の生活と節約マインドの育て方」についてまとめます。ファイナンシャルプランナー・佐藤さんのアドバイスも参考にしてくださいね。

アドバイス頂いたのは

佐藤益弘さん

All About「不動産にまつわるお金」ガイド。独立系FP事務所 株式会社 優益FPオフィス代表。CFP®資格認定者(J-90032758)、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー(一財住宅金融普及協会)、日本学生支援機構認定スカラシップ・アドバイザー (平成29年9月認定)

節約の土台となる「マインド」は?

住宅ローンの早期返済のためには、収入をアップすることと、支出を減らす(節約などをする)ことが重要です。両方同時にできればいいのですが、雇用の不安定さや育児中などで収入アップはなかなか難しい…というご家庭もあると思います。

収入の多い、少ないに関わらず、無駄な支出を減らすことは家計にとって大事なので、自分らしい節約が習慣にできたらいいですよね。節約のためには、こまかいテクニックも大事ですが、土台になるマインドが一番大事だと思います。どんなマインドかというと、

見栄をはらない

安くても不要なものは買わない

そのためにも、

自分が本当に必要なものは何か見極める

などです。

「なんでも減らす!」必要はない

住宅ローンを早めに完済し、住居費を貯蓄やその他の出費に回せると、教育費や老後の備えが早めにでき、暮らしに余裕が生まれます。もちろん以前の記事でFPの佐藤さんがご指摘下さった通り、今しかできないこともあると思いますし、我慢ばかりの人生はつまらないと思います。

「他人軸(見栄や流行、どう思われるか)」ではなく「自分軸(自分はどう暮らしたいか)」を大事にして、無駄を省いていくことが大事だと思います。

「なんでも減らす!」ではなく、自分らしく、少しずつ、無駄を省く習慣をつけ、節約体質をめざすと良いのではないでしょうか。1カ月に1つずつでも、1年で12の節約になるのですから。

ラテマネーのように、少しの無駄遣いが積み重なると多額の出費になることは以前にも書きましたが、逆に「少しの節約が積み重なると大きな貯蓄になる」とも言えます。小さな行動をバカにせず、良い習慣をつけ、

時間を味方につける(焦らない、あきらめない)

ことも大事だと思います。

questionマイホームを手に入れて、想定外だった点は?

「犬」と「風」は、ちょっとだけ想定外

「マイホームを手に入れて、想定外だった点はあったのか」という点について書いて欲しいというご意見をいただきました。お答えすると、私は主に2つありました。

一つ目は、ご近所の環境なども考慮して決めたつもりでも、予想外のことが起こること。わが家の場合は、お隣さんが犬を飼い始めたことです。もちろんペットの飼育は自由なのですが、室内犬ではないので夜間の鳴き声が気になることもありました。

幸いお隣さんが理解のある方で、前から食事会をするなど仲良くしてもらっていたので、相談するとこまめに犬の散歩に行ってくれたり、サンルームを作ってくれたので気にならなくなりましたが、ご近所さんとの関係性等によっては相談をきっかけに争いになるかもしれません。

ご近所さんとは一生の付き合いになる分、お互いの気遣いが重要になります。気になることがあれば気軽に引っ越しやすい賃貸との自由度の差を実感しました。

二つ目は、分かっていたつもりでしたが、やはり完璧なマイホームはないのだと痛感したこと。例えば、わが家は見晴らしが良い高台にあり、景色が良い分、風当たりも強いです。友人も「海が近い」をメリットとしてとらえマイホームを建てたそうですが、潮風で洗濯物が乾きづらい等のデメリットがあったそうです。

優先順位を意識していたので後悔するほどではなかったですが、「100点」の家はないと思います。自分たちはマイホームに何を求めるか、優先順位をしっかりつけていることが、予想外のデメリットにも打ち勝てる力になると思います。

住宅ローン完済後の現在の暮らし

人生の三大支出である「住居費」に片が付き、家計に余裕ができたものの、毎年、固定資産税がかかり、ゆくゆくはリフォーム代も必要になります。三大支出の残りの2つ「教育費」「老後費」への備えも、まだまだ十分とは言えません。

「教育費」については、わが家は子どもたちそれぞれに高校卒業までに500万ずつ用意することを目標にしています。

先輩ママたちからは「下の子は教育費が足りなくなりがちだから、手厚く準備しておいた方がいいよ」とアドバイスをいただいたので、下の子は2社の学資保険に入りました。上の子の教育費と、下の子の学資保険では足りない部分は、毎月数万円を定期的に積み立てていくことで準備している状況です。

また、「老後費」は、現在もらえる退職金(減る可能性もありますが)と年金(こちらも今後減少していくと思われますが)などを考えると、わが家は退職金を除いて3000万円の貯蓄を目指しています。

持ち家か賃貸か、退職金はいくらか、年金額はいくらか、いつまで働くか、老後の生活レベルはどれくらいを想定しているかなどによって各家庭で備えるべき金額は変わるでしょう。こうした事情をふまえると、一度ライフプランを考えたり、キャッシュフロー表を作ることはとても重要なことだと思います。

老後資金の準備としては、財形年金貯蓄とiDeCo(イデコ)‎の導入も検討中で、色々調べて勉強しているところです。

また、3000万円もの老後費用を夫一人の収入から準備するのは大変なので、私もパート勤務を始めようと思っています。月に6万円のパートでも、1年間で72万円の収入増になります。40歳から60歳まで20年間働いたとして、1440万円に!目標の老後費の約半分になります。

夫の月収を6万円上げるよりも、妻がパートに出て6万円稼ぐ方が、現実的かもしれません。働くことは自分自身のいきがいや人間関係づくり、心身の健康維持にもプラスになるはず。豊かな老後のためにも前向きに夫婦で力を合わせていきたいと思います。

全4回の連載、お読みいただきありがとうございました!まだまだ勉強中の私ですが、何か少しでも参考になることがあれば嬉しいです。

今を楽しみながら、将来もHAPPYに暮らせることを願いつつ…

この記事を書いたライター

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マミーさん

2児の母。住宅ローン(新築)完済のやりくり上手。「合理的」「簡単」大好き!家事や節約に役立つアイテムなどをご紹介☆

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