ママが職場復帰するには必ず通る「保活」。働くママが多い台湾でも問題となっています。56日間の産休明けからフルタイムで復帰するママも多く、早くから子どもの預け場所を確保しているんです。そんな台湾の「保活」事情をご紹介します。

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7割が共働き家庭の台湾(※)。フルタイムで働くママが当たり前

※25~45歳までの世帯

女性の社会進出が日本より進んでいる台湾では、25~45歳までの世帯のうち、共働き家庭は7割を超えていると言われています。そのため出産後も仕事をする女性が多いよう。

実際、私のまわりの台湾ママもほとんどが働いているか育休中です。しかも、時短勤務やフレックス勤務が浸透していないので、ほとんどのママがフルタイムで働いています。

大きな境目は2歳。その年齢を境にガラッと変わる保活事情


そんな台湾ママたちの職場復帰は、まず日本と同じく「いつからどこに子どもを預け、働くか」を決めることから始まります。大きくは2歳未満で働き始めるか、2歳以上で働き始めるかです。

なぜ2歳なのか…… それは2歳を境に預ける場所や意味合いが違ってくるからなのです。

定員オーバーならくじ引きに!? 台湾でも託児所は大幅に不足

2歳未満でママが仕事復帰を考えている場合は「托嬰所(中心)」、ベビーシッター、両親の3つが主な選択肢となります。日本の託児所にあたる「托嬰所(中心)」は日本と同じで人手や場所の問題から大幅に不足しています。

特に「公託」と呼ばれる公立の託児所は費用も安く人気なのですが、応募が定員を超えるとくじ引きになるため一種の運試しと言えます。

政府の紹介所を利用してベビーシッターが探せる

そして次がベビーシッター。託児所に預けられなかったり、空きがあっても子どもを小さいときから人の多い託児所に預けることに抵抗を感じる人も多いようです。

知り合いから紹介してもらったり、政府の紹介所などを利用して自分に合ったベビーシッターを探しています。子どものいるママや孫の世話をした経験のあるおばあちゃんなどが自宅で子どもを預かることが多く、政府が積極的に講習をしていることもありベビーシッターは比較的豊富にいます。

台湾ではおじいちゃん、おばあちゃんも立派な子育て要員


日本では両親に子どもの世話を頼んだり、頼まれたりすることに抵抗を感じる人が多いと思いますが台湾では重要な選択肢のひとつ。

昼間に公園へ行くと孫を連れたおじいちゃんおばあちゃんによく会います。聞いてみるとやはり息子や娘夫婦に代わって幼稚園に入るまでの間、面倒をみていると言われます。

2歳からは、教育を考えた幼稚園選び。18時頃まで保育も可能


子どもが2歳になってから仕事復帰する場合は、幼稚園に設けられている「幼幼班」に入れることができます。

幼稚園?と思う人もいるかもしれませんが、そこは共働きが主流の台湾。幼稚園は公立でも私立でも16時頃まで授業があり、その後18時頃まで保育してくれるのが一般的なのです。そのため「子どもを預ける」という意味では幅がぐんと広がります。

人気の幼稚園では、生まれたと同時に入園の申し込みが必要なことも

ただ、預け先の選択肢が広がったからと言ってもあなどることなかれ。台湾の幼稚園は学校生活の始まり。年少さんになれば驚くほど勉強が始まります。

そのため今後の教育のことを考えて子どもをどのような環境で勉強させたいのかを踏まえての幼稚園探しが始まるのです。

インターナショナル系やモンテッソーリ教育を重視した人気の幼稚園では生まれたと同時に入園の申し込みをしなくては入れないということもあります。基本的な衛生環境などに加え、年少からの本格的な学習内容や規律などを比較検討することになります。

我が家もこちらは体験しましたが、幼稚園は楽しく遊んでくれれば……なんて考えていた我が家にとってはちょっとしたカルチャーショックでした。

託児所も幼稚園も料金は高め

日本のように「働きたいけれど、どこにも預ける所がなかった!」ということはほとんどないので恵まれているようにも見えます。

しかし、台北市内では毎月託児所で18,000NTD(約6万5717円)前後、ベビーシッターも20,000NTD(約7万3019円前後)が必要で他に雑費もかかります。

公立保育園が少なく通わせることが難しいため、どうしても私立幼稚園を利用する方が多くなってしまいます。そちらでも毎月平均で20,000NTD(約7万3019円)近いかそれ以上かかることがほとんど。

平均月収が46,000NTD(約16万7944円)と言われているので2人、3人といる場合はやはりママが仕事を辞めてしばらくお家で子どもの世話を……という選択にならざるをえないようです。台湾でもママの仕事復帰は頭を悩ませる問題ですね。

NTD100 → JPY 365.14(2017年6月22日現在)

レポートしてくれたのは

松本 幹子さん

グローバルママ研究所リサーチャー。台湾で日系企業に勤務後、夫の転勤で2年の中国生活後、再び台湾へ。かれこれ台湾生活12年目に突入。家族は台湾人夫と5歳の娘。

/ 2017.08.17