MOE絵本屋さん大賞「パパママ賞」第1位を受賞し、絵本作家として躍進中のえがしらみちこさん。忙しく仕事をする中で、1児のママとしてどんな風に子どもと接しているのか、日ごろ心がけていることなどを聞いてみました。

お話を聞いたのは

えがしらみちこさん

1978年生まれ。福岡県出身。主な作品は『あめふりさんぽ』『さんさんさんぽ』『ゆきみちさんぽ』『はるかぜさんぽ』(講談社)、『なきごえバス』(白泉社)など。また共著も多く、西原理恵子さん原案の『あなたのことが だいすき』(KADOKAWA)は子育て奮闘中のママたちの間で話題(写真:後藤利江)>公式ホームページ

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「大好き、味方だよ」と言葉で伝えて

『あなたのことが だいすき』より

― 絵本作家になろうと思ったキッカケを教えてください

えがしらさん(以下、えがしら): 6年前に娘を出産したことですね。それまでも、イラストレーターとして仕事をしていたのですが、お話はまったく作れませんでした。

けれども、娘に毎日欠かさず絵本の読み聞かせをしているうちに、絵本の素晴らしさや奥深さにふれ、「私も作りたい」という気持ちが高まってきたんです。

― 作品のアイデアはどんなときに浮かびますか?

えがしら:娘とのなにげない会話や、娘の行動を見ているときにふと思いつくことが多いです。

例えば、「雲って太陽に近いのに、どうして燃えないの?」と質問されたときも

その発想、おもしろい!絵本にならないかなぁ。

と、すぐ絵本のことを考えるクセがついちゃっています(苦笑)。映画や絵本、美術館でたくさん刺激を受けたときなども、創作意欲がかき立てられますね。

― 娘さんはどんな性格ですか?子育てで大切にしていることを教えてください

えがしら:娘は、素直でおとなしい子。周りが何をしているのかじっと見て、理解してから取り掛かるタイプだと思います。

子育てで大切にしているのは、

あなたのことが大好き。どんなことがあっても味方だよ。

と言葉にして伝えること。娘が高校生や大学生になっても、ずっと言い続けたいですね。

― 娘さんには、どんなふうに育ってほしいと思っていますか?

えがしら:とにかく健康に育ってくれれば、それだけでうれしいです。何になりたいとかどんな女性になりたいとか、そういうことは娘が選んでいくことなので、その気持ちを尊重してあげようと思っています。

悩んだときはシンプルな気持ちを思い出す

『あなたのことが だいすき』より

― 子育てと仕事、どのようにバランスをとっていますか?

えがしら:子育てと仕事のバランスは、娘の成長とともに変化していくので、ちゃんとバランスが取れているかいつも悩むところです。

効率的にムダのないように過ごしたくても、子育てって合理的にできるものではないし、ときには「待つ」ということが大事だったりもしますよね。

例えば、朝ごはんをもっと早く食べ終えてほしいと思っていても、子どもはいつもマイペース。「待っていたいけれど、締め切りが…。」とよく混乱しています。

相反するものを同時にやりくりするのは、想像以上に大変!それでも、私の場合は自宅でできる仕事なので、なんとかなっているのかもしれません。

外に出て仕事をしているお母さんたちは、本当にすごいなぁとしみじみ思います。

『あなたのことが だいすき』より

― 最後に、仕事と子育てを両立しながら頑張る読者にメッセージをお願いします

えがしら:西原理恵子さんの『女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと』(KADOKAWA)を読んだとき、「もっと抱っこしておけばよかった。もったいないことしちゃった」というフレーズにハッとして、『あなたのことが だいすき』という絵本を作りました。

この絵本が世に出てから、いろいろなお父さんやお母さんがご自身の子育てについて語ってくれます。

みなさん、たくさん悩んでたくさん苦労して子育てと向き合っているんですよね。だからこそ、この時間はかけがえないものになっていくのだとあらためて感じさせられました。

とはいえ、忙し過ぎて、悩みごとがどんどん複雑になり過ぎて、八方塞がりの状態に陥ることもあるでしょう。

そんなときは、出産直後に感じた「無事に産まれてきてくれてありがとう」というシンプルな気持ちに立ち戻って、深呼吸してみませんか?私も気持ちに余裕がある生活ができるように心がけたいです。

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この記事を書いたライター

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石橋紀さん

ライター。エディター。新聞社勤務を経てフリーランスに。住まい、食、健康、エンターテインメントなど幅広い分野の記事を手がける1男1女の母。

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