夫の地元である京都市に引っ越して9か月、ある日ふと気付いた。仕事、家事、育児に追われて、京都をまったく堪能していない!たまには一人ふらっと家を出て、“京都っぽい”ことしてみよう。予定は未定。ひとときの京都ぶらり旅にお付き合いください。

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拝啓 ぎゅってWebを読んでいただいている皆さん、私は今京都にいます。

鴨川を見下ろす

いや…ずっと京都には住んでいるのですが、いわゆる「そうだ京都、行こう」的な、“Kyoto”的な、そういうところに私はいます。

しかも、一人で!(超重要)

ことのはじまり

「今度の休み、ちょっとぎゅっての取材に行きたいから、子ども頼んでもいいかな」

私の下心満載の申し出を、京都出身の夫は快く了承してくれました。何なら、京都を感じられるおすすめスポットなどを語り始めています。京都の人は基本的に、京都が大好きなのです。

私だって、京都が好きです。京都に引っ越すときはうれしくて。「私も少しは、はんなりしっとりした京女になれるかしら」と妄想もしました。しかし、働きながら幼児2人を育てる生活は、“はんなり”とはほど遠いものであった。

「仕方ない、子どもがある程度大きくなって、落ち着いたら京都生活を満喫しよう。はんなり京女計画はそれからだ」私は唇をかみしめながら思いました。しかし、ある日ハッと気付いてしまったのです。

「ぎゅって」があるやん。

「一緒に行きたい」と泣く子どもを振り切って

というわけで取材とかこつけて、私は家を飛び出しました。予定は未定。テーマは「京都の町に京都っぽいものを探しに行く」これだけ。

おばんざいを食べてもいい。抹茶パフェを食べてもいい。湯豆腐なんかもいいかもしれない。食べることだらけなのが少し気になるところですが、とにかく私は堂々と、一人京都時間を手に入れました。

「いっしょにいぐううううううううう(一緒に行く~)」子ども2人の絶叫も、今日は心なしかはんなり聞こえる(気のせい)。夫よ、後は頼んだぞ。

至るところに京都を感じる

「中心街なら、河原町で降りたらええんちゃうかな」

夫の言葉を受けて、とりあえず河原町の地上に降り立ち、なんとなく人の流れに沿って歩き出します。数歩で鴨川を見下ろす橋に着き、興奮して写真を撮りまくり。「祇園」の文字にも興奮して、とにかくカメラを向ける。そう、私がおのぼりさんです。

「祇園商店街」の文字に興奮
もはや「祇園」マニア

細い道を見て「京都っぽい…」。着物姿の女性に「京都っぽい…」。サイクリング観光中の外国人団体客を見て「京都っぽい…」。とにかくカメラを向けてしまう。

京都っぽい細い道
京都っぽい着物の女性たち
京都っぽい外国人観光客の皆さん

普段は特別、写真好きというわけではない人間を、たまちゃんのお父さん(ちびまる子ちゃん)のごとく写真マニアに変えてしまう、それが京都という町です。

パワースポットでひとりぼっち時間

適当に歩いていたら、八坂神社に着きました。適当に歩いても、重要文化財にぶち当たる町、それが京都。

八坂神社の樹はとてもパワーがありそうなので、以前の記事で紹介したごとく、とりあえず触れておきます。あー、これぞひとりぼっち時間。

ぶらぶらしていたらお腹がすいてきたので、「京都 おばんざい ランチ」などで検索しつつ、来た道を戻ります。そして、見つけた最高のロケーション。

お寺でランチ

こちら、とあるお寺の中にあるカフェです。

続きまして、お寺の中にあるカフェのランチです。

ちゃっかりビール

京都っぽい…(麻婆豆腐ですけど)。

ゆっくりかみしめるようにご飯を食べて、「ご飯の甘さなんて感じたのいつぶりだろう」と考えました。誰にも話しかけられずにご飯を食べるのも、自分の咀嚼(そしゃく)の音を聞くのも久しぶり。豆腐なんて、家で食べるときはほぼ飲んでるけど、しっかりかむと大豆の味がじんわり出てくるんですね…。

食事の後は本堂でお参りをしました。あんなに一人になりたかったのに、手を合わせたら家族のことばかり願っていて、「いつの間にか自分の中に“お母さん”が染みついているんだなあ」と思ったり。何だか無性に、子どもたちに会いたくなります。家を出て数時間、そろそろ夫も疲れてきた頃だろうか。

さあ、帰ろう!

お寺を出て歩き出し、さっきのカフェにカメラのレンズのふたを忘れたことを思い出しました。急いで戻ると、とても感じのいいイケメン店員さんがふたを渡してくれ、「お気をつけてお帰りくださいね(にっこり)」と。

京都、めっちゃいい町…!

必ずやまた、この企画を実行することを胸に誓いながら、帰路を急ぎました。

今日の京訓:染みついたお母さんはイケメン店員の一言で簡単に剥がれる

※祇園の「祇」の字は、表外漢字であり閲覧状況で違う表記になることがあります(「示」+「氏」と「ネ」+「氏」)

この記事を書いたライター

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あら井さん

2歳差姉妹を命からがら育てています。逃避手段は読書とジャニーズ。今春から京都に引っ越すので、京都子連れ情報も発信したいと思っています。

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