夫婦間のちょっとしたすれ違いや悩みに専門家がアドバイス。今回は、「家庭が円満になるために夫ができることは?」という悩みへの対処法です。

お話を聞いたのは

高草木陽光さん(夫婦問題カウンセラー)

(たかくさぎはるみ)「HaRu(ハル)カウンセリングオフィス」代表。カウンセリング・相談件数は累計7000件以上。著書に「なぜ夫はなにもしないのか なぜ妻は理由もなく怒るのか」(左右社)

question夫婦関係改善のために、何をしたらいいでしょうか?

出勤が朝早く、帰宅も深夜。妻には家事や育児に協力できないことを申し訳ないと思いますが、転職したばかりで今は仕事を頑張るときだと感じています。

とはいえ、ささいなことからすぐにケンカになってしまう、今の夫婦関係は子どものためにもよくないと思っています。夫婦関係改善のために、何をしたらいいでしょうか?(Bさん・35歳)

Bさん家事のほとんどを奥さんに任せていて、ありがたいと思っています。けれど、つい言い争いになってしまって。

高草木お仕事の時間を拝見すると、平日に今以上の家事育児への協力は難しそうですね。夫婦のコミュニケーション不足が奥さんの精神的、肉体的負担につながっているようです。

職場に週に1日でも早めに帰れる日を作れないか、洗濯は週末にまとめてコインランドリーを利用するなど、工夫ができないか考えてみましょう。

Bさんまだ転職したばかりで、会社に相談することは、すぐには難しいかもしれません。もう少しして業務が落ち着いてきたら相談したいですが。
高草木日々できることとして、奥さんには感謝の気持ちを伝えましょう。加えて、今の状況を相談しつつ、会社への働きかけをすることを伝えていくと、奥さんも気持ちに余裕が持てるようになると思います。

answer相手の気持ちに寄り添い対話する時間を作る3つのポイントを実践してみましょう

【1】毎日の時間配分を再検討してみる

なかなか難しいことかもしれませんが、月1回、週1回でも保育園のお迎えができるように、職場に交渉する。朝食は夫が担当するなどで、奥さんの負担が軽減されます。

【2】感謝の言葉、ねぎらいの言葉を伝える

「いつもありがとう」「○○のおかげだよ」など、行動+言動で夫婦の頑張りをねぎらい合いましょう。時間が合わないなら交換日記のように、ノートに気持ちをつづり合うのも効果的。

【3】外部のサポートを活用してみる

家事代行サービスや子どもの送迎サービスなどを使って、家事を軽減。できた時間を夫婦の対話や子どもと過ごす時間に使う事は、とても有意義なこと。休日に実家に子どもを預けて、夫婦だけで出かける時間を作るのもお薦めです。

Bさんちょっと気恥ずかしいところもありますが、感謝の言葉を伝えることから、始めてみます。
高草木精神的な余裕がなくなると、ピリピリすることが増え、お子さんへの影響も心配になります。夫婦関係を向上させることからスタートさせましょう。

result実践!夫婦での会話が増えて家事育児にも積極的に

実践1 少し仕事が落ち着いたので、保育園のお迎えに行きました。状況次第にはなりますが、週1回くらいは行きたいと思います。また、早く帰宅できる日が増えたので、子どものお風呂は担当しています。

実践2 「今日もお疲れ様」など、感謝の言葉を伝えるようにしました。普段そんなことを言わないので、妻にけげんな顔をされたので、アドバイスによるものだと告白。まんざらではないようでした。

感謝の言葉をひと言伝えるだけでも、ささくれたった気持ちが和らぐ感じがしたので、これは今後も続けていきたいと思います。これをきっかけに夫婦の会話が増え、家事にも育児にも積極的に関われるようになったかなと思います。

実践3 以前、ファミリーサポートの利用を検討しましたが、鍵の当日受け渡しが必要だったり、移動は公共交通機関に限られたりと、制約が多くわが家には合いませんでした

※この記事は、2018年10月発行の「ぎゅって首都圏版特別号 Autumn」に掲載した記事を再編集したものです

illustration KATSUYAMA Keiko