/ 2017.08.17

共働き家庭での一番の悩みといえば、家事の分担をどうするかということではないでしょうか。イギリスも共働きの家庭が多いですがパパの健闘ぶりが目立ちます。ワンオペ育児にならないようにパパにも家事や育児に積極的に取り組んでもらうコツをご紹介します。

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出来ることは出来る人がやる!感謝の言葉がパパを動かす原動力

ゴミ出しや子どもと遊ぶなんて朝飯前!

イギリスでは産後6カ月~1年で職場復帰するママも多く、男女関係なく出来ることは出来るほうが負担するというスタンスが一般的です。

料理上手な男性と料理が苦手な女性、という組み合わせも決して珍しくはなく、「うちのママは料理ができないの。でもパパの手作りミートソースはサンドライトマト入りで美味しいのよ!」と息子の同級生の女の子に自慢されたことも。

イギリス人パパの家庭での役割はさまざまで、ゴミ出しや子どもと遊ぶなどは朝飯前で、オムツ替え、掃除、洗濯、子どもの送り迎えなど。ほとんどの家事をこなす強者も少なくありません。家事をやってもらう中で少し不満に思う部分もあったりしますが、そこは目をつぶります。

褒めて伸ばすのがイギリス流

そして、いちばん大切なのはパパに感謝の言葉を伝えることでしょうか。とにかく、褒めて伸ばすのがイギリス流です。

子連れ夫婦のお出かけの様子を見てみると、ベビーカーを押しているのはほとんどがパパ!パパには母乳をあげることはできません。その代わり、ママよりも力が強いパパがベビーカーを押すという役割分担が自然とできているのです。

パパが出来ることや得意なことをお願いして、やってくれたらきちんと感謝の気持ちを言葉にする、これがイクメンを育てる鍵になるのかもしれません。

じいじ・ばあばも強い味方!有名歌手も支持するイギリスの子育て環境

小学校高学年まで、保護者の送り迎えが必要。その役をじいじ・ばあばが担う家庭も

イギリスのお年寄りは子どもが大好き。見ず知らずでも泣いている赤ちゃんがいるとあやしてくれます。子育てしやすい環境は日本の芸能人にも支持され、家族でイギリス在住の宇多田ヒカルさんは、日本のニュース番組でイギリスでの子育て環境について語っていたそう。

実家・義実家が近ければ、じいじ・ばあばももちろん助っ人要員です。イギリスでは高学年になるまで、小学生の送り迎えは保護者が行います。夫婦共正社員で働いている場合、同居でなくてもじいじ・ばあばが夕方まで孫の面倒をみている家庭もあります。

子どもを預けて、週末に夫婦だけで外食やコンサートを楽しむことも

我が家の場合、実家は日本、義実家は車で2時間半の距離。あまり頻繁には協力をお願いできませんが、昨年私の両親がイギリスに3週間遊びに来た時には、イギリス流の小学校の送り迎えをお任せし、長男もじいじ・ばあばと一緒に登下校できたことがとても嬉しそうでした!

子どもをじいじ・ばあばに預けて、週末に夫婦だけで外食やコンサートを楽しんだり、記念日には有給を取って子抜きの海外旅行に出かけたりと、なんともうらやましい話を耳にすることも。

罪悪感は必要なし!家事のアウトソーシングが家族円満の秘訣

ベビーシッターは、日本より安め!? 料金は時給1000円~1500円程度

実家・義実家が遠かったり、高齢だったりして、家族の協力が得られないという家庭も珍しくありません。イギリスでは保育園・学童はもちろん、単発のベビーシッター、定期契約できるナニーという子ども教育係、家事代行サービスなど、家事や育児のサービスがバラエティ豊富なんです。

単発のベビーシッターは、斡旋会社、ネットの個人広告、知り合いなどから探すのが一般的。料金は時給1000円から1500円程度と、日本に比べると安めです。

我が家では、長男次男ともお世話になった保育士さんにバイトで来てもらい、子どもたちは嫌がるどころか大喜びでした!

ナニーは、ナニーの自宅で子どもを預かるケースと、住み込みがあります。ナニーになるには資格が必要で、単なる子守でなく、しつけや勉強も含め教育係的な役割を果たします。数年前キャサリン妃が住み込みナニーを雇った時には日本でも話題になりましたね。

イギリスでは週1回利用する家庭が多い、家事代行サービス

最後に最も一般的に利用されている家事代行サービスについてです。掃除だけを行うクリーナーは、週1回数時間で雇っている家庭は多いです。家事代行になると、料理、掃除、洗濯など、家事全般をお願いすることができます。

イギリスでは、パパ、じいじ、ばあば、ベビーシッターなど、利用できるものは全て最大限に活用しても罪悪感を感じるような風潮がありません。そもそも、家事や育児がママだけの仕事ではなく、みんなで協力しながら行うものだと社会の中で認知されているのです。

子どもにとっても、たくさんの人と触れ合うことが価値観の多様性を知るいい機会にもなるのではないでしょうか。育児や家事がママの問題ではなく家族の問題としてパパにも考えてもらうことが、ワンオペ育児にならないためにいちばん必要なことなのかもしれません。

レポートしてくれたのは

ハモンド 綾子さん

グローバルママ研究所リサーチャー。1999年より在英のライター/翻訳者。留学後、ロンドンで仏ブランドと日系ホテルに勤務。現在はイギリス人の夫、2人の息子と世界遺産の街バースで4人暮らし。
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