/ 2021.09.06

アスパラの根元は硬くておいしくない!と思って、いつも捨ててはいませんか。実はちょっとしたひと手間で、ほとんどおいしくいただけるんです。

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身近な野菜〜アスパラ〜

お皿の脇の方にちょっと飾るだけで、料理に色味を添えてくれるアスパラ。お値段も手頃で、どんな料理にも合う名脇役ですが、「どこまで食べられるの?」「皮はむくべき?」など、アスパラの下ごしらえって実はよく知らない人が多いのではないでしょうか。

確かにアスパラは、根元にいくにつれて太く硬くなり、筋張ってくるのでそのままでは食感も悪く、とてもおいしいとは言えません。ですが、

アスパラは基本的にすべて食べられます!

根元をカットして捨ててしまうのは、もったいないんです。

あの三角はおいしさのバロメーター!

赤い丸で囲んだ部分が「ハカマ」

アスパラについてる“三角形のアレ”、気になりますよね。アレは「ハカマ」と呼ばれる部分です。このハカマが少なく綺麗な三角形であるほど、健やかに成長した証拠であると言われ、柔らかくておいしいアスパラなのだそうです。

そして、穂先には「柔らかい節」が集まり、根元には「硬い節」が集まるので、ちょうどこの分かれ目を見極めて下ごしらえをすれば、先から根元まで全部おいしくいただけるということなのです。

いざ!片手でポキッと実践

それでは、さっそく下ごしらえの方法をご説明します!手順はたったの4ステップ。

1.根元を上にして持ち、しならせるように親指で折る

慣れるまでは根元から少しずつ親指をズラしていくと◎
ポキッと気持ちよく折れます

ちょうど硬いところと柔らかいところの節目に力が加わると、片手でも簡単に折れるので、親指で軽く揺らしながら穂先に向かって下げていってみてください。

硬い節だけのところでは簡単には折れませんし、逆に、柔らかい節だけのところで力を加えても、よくしなってなかなか折れません。ポイントは、「軽い力で折れる場所」です。

2.根元の乾燥した部分を包丁で切り落とす

白く乾燥した部分を切り落とす

店頭に並んでいる間に切り口は乾燥していきますので、根元を1cmほど切り落とします。もちろんアスパラを折る前に切っておいてもいいのですが、できるだけ根元が長い状態の方が節を探しやすいので、私はいつもこの手順です。

3.根元の皮を剥く

切り口を見れば、どこまで皮なのか一目瞭然

根元に近い部分の皮が、筋張って食感を悪くしている原因なので、ここを包丁で取り除きます。断面をみると、外側から濃い緑色、薄い緑色、白といくつか層がありますが、取り除くべきなのは一番外側の濃い緑だけ。あとは美味しくいただけますので、包丁の刃を層の間に合わせて当てて縦に剥いていくとやりやすいです。

皮もスルッと剥けるので、包丁でも楽々です
全て剥き終えると白っぽくなります

何度かやっているうちに、ちょっとしならせるだけで節の違いがわかるようになるので、折らずに一本そのままで使いたい!という時には、しならせながら「この辺りかな~」と検討をつけて、そこから根元に向かってピーラーで皮を剥く、というのも1つの技です。

4.お好みの形にカット


下ごしらえが済んだらあとは普通に調理するだけ。わが家ではナナメに薄切りにして、スープや炒め物、パスタなど、様々な料理に使えるオールマイティな存在です。2歳半の息子も、根元部分も特に苦手意識なくパクパク食べてくれますよ!

ちなみに折れた先の穂先に向かう部分はなにもせず、そのまま調理して大丈夫です。ハカマは「舌触りが気になるなら取ればいい」程度なので、うちではそのままにしてます。

ただ時間がたつとハカマの部分から若干苦味が出てくることもあるそうなので、野菜嫌いの子どもがいる家庭では、取り除いてから調理してあげるといいかもしれませんね。

比べてみよう

同じアスパラから切り取った根元の部分を縦半分にして、片方はそのまま、もう片方は下ごしらえをして、同じ鍋で茹でたあと、ちぎって筋の量を比べてみました。

同時に同じ鍋で茹でます
上:下ごしらえ無し、下:下ごしらえ有り
【下ごしらえ無し】ちぎるのにもひと苦労するほど筋が…
【下ごしらえ有り】スッとちぎれて筋も目立ちません

やはり差は歴然!下ごしらえをしていないと、皮の部分に筋が残るので、これは食べづらいですね〜。

茹で方のワンポイント

ちなみに、アスパラって茹ですぎると水っぽくなって、これもまた食感が悪くなりがちですよね。なので、サラダに使うときなどは特に、茹ですぎないことが大事!せっかくなので、茹で方のポイントも抑えておきましょう。

1.お湯が沸騰したら、根元から入れる

食材がかぶるくらいのお湯を用意し、沸騰させます。一本そのままでも、食べやすくカットしてからでも、どちらでも構いません。ただし共通するのは、「根元からお湯に入れる」こと。

一本そのままの場合は、穂先を上にして持って、まず根元をお湯につけてからひと呼吸置いて手を離し、全体を茹でる。カットしたものの場合は、あらかじめ根元の部分と穂先の部分を分けておいて、根元→穂先の順でお湯に放ちます。

そうすることで、均等に火が入って食感のバラツキを抑えることができますよ!

2.茹で時間は、再沸騰が目安

茹で時間は1分ほどが目安ですが、わざわざタイマーをセットしなくても、これはお湯の変化で計ることができます。沸騰したお湯に食材を入れると、お湯の温度が一瞬下がりますよね。そしてまた温度が上がってくると再沸騰する…アスパラやブロッコリーなど火の通りやすい野菜は、この再沸騰が茹で上がりの合図です。

あとはザルにあげて、自然と冷めるうちにも余熱で火が通りちょうど良い食感に出来上がるので、固めに茹で上げるのがポイントです♪

もし茹ですぎたなーと思ったら、すぐに冷水にさらしてそれ以上火が入るのを止めましょう。これは「色止め」といって、緑色を鮮やかに出したいときにも使われる手法です。ちなみに食材の量に対してお湯が多すぎると再沸騰までの時間が短くなりがちですので、ご注意を!

ちょっとひと手間かけて、エコでおいしく

同じ野菜でも、下ごしらえをするとしないとでは印象が全く変わります。せっかくなら、子どもたちにもよりおいしく、たくさん野菜を食べてほしいですよね。家族の笑顔のためにも、このひと工夫をぜひ覚えて、実践してみてくださいね♪

この記事を書いたライター

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わたなべさとみさん

2児の母であり、転勤族のヨメ。息子は1歳にして立派な子鉄(鉄道好きの子ども)となり、一緒に各地へお出かけしています。 日課は育児マンガを読むこと。

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