「発達障害」という言葉をTVや雑誌などで見かけることが増えてきました。「発達障害って何だろう?」、「もしかしてうちの子も発達障害⁉」と思うママに向けて、私の息子が発達障害とわかるまでのことをまとめてみました。

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はじめまして。ライターのなぎさです。現在小学校5年生の息子は、小学校3年生の時に自閉症スペクトラムと診断されました。診断に至るまでのエピソードは満載です。

まず、発達障害について確認したいと思います。

発達障害とは

生まれつきの特性で、「病気」とは異なります。発達障害はいくつかのタイプに分類されており、自閉症、アスペルガー症候群、注意欠如・多動性障害(ADHD)、学習障害、チック障害、きつ音(症)などが含まれます。

これらは、生まれつき脳の一部の機能に障害があるという点が共通しています。同じ人に、いくつかのタイプの発達障害があることも珍しくなく、そのため、同じ障害がある人同士でもまったく似ていないように見えることがあります。

個人差がとても大きいという点が、「発達障害」の特徴といえるかもしれません。

上記に書かれている通りに、発達障害は生まれつきの特性で、いくつかのタイプがあること、そして特性のタイプをいくつも抱えることもあり、個人差がとても大きくでるものです。

息子は一人っ子で、私は初めて育てる赤ちゃんのしぐさや全ての出来事が「初めて」でした。

寝返りした、ハイハイをした、離乳食を食べた、コップで水が飲めるようになった、歩けた、話せた、文字が読めるようになったなど、できるようになった出来事は、すべてうれしい思い出です。その中で、大変だった思い出もあります。

激動のイヤイヤ期「保育園、病院に行きたくない!!」で大暴れ

とにかく大変だったのが、「イヤイヤ期」がすごかったことです。「イヤイヤ期は大変だよー」と先輩ママ達から聞いていましたが、それは想像以上でした。

ご飯の時間は、毎回1時間以上かかりました。あるとき、子育て講座で「だらだら食べているなら、時間で区切って下げてよし」という話を聞いたので、時間を決めてご飯を下げたら「食べていない、食べさせてー」と号泣&大叫び。

そして私への体当たりが続きました。何度か試し、これは厳しいと判断しました。

また、1歳から一時保育を利用していましたが、保育園に行く日は朝から大嵐です。朝ごはんもさることながら、洋服に着替えるときに「着替えるのは嫌だ―!!」と逃げまくり、着替えるのに30分以上かかりました。

敵もだんだん賢くなって(笑)、服が脱げなくなるように脇をきゅっとしめて上着を脱げなくなる技を使ってくるようになったため、苦肉の策でパジャマのまま保育園に行くようになりました。

ヘトヘトで保育園にたどり着くと、先生が「保育園に来たから洋服に着替えようね」と話しかけると「はーい」と言ってすぐに着替えるのです。

保育園に行きたくないは、週3日以上ありました。理由はさまざまでしたが、これは年長までずっと続きました。

今も苦労していますが、病院に連れていくのは本当に大変です。

病院のエピソードは、それはそれはいろんなバージョンがあるのですが、一番印象に残っているのは、4歳頃に耳鼻科に行ったとき。中耳炎の治療での際、受診するまでもさんざん暴れ泣き叫んでいたので、私の膝の上に息子を乗せて両手でロック。

それでも暴れ方が尋常じゃないのでプラス看護師3人がサポートに入り、どうにか処置ができました。

その後、その耳鼻科に行くときは、まず家で大暴れ&大泣き。どうにかして自転車の後ろに乗せて動き出すと大声で「〇〇耳鼻科嫌だ―。助けて―」と病院に着くまで連呼。毎回、その叫び声に私がどっと疲れていました。

小学生になって、学校へ行き渋るように

そして息子が小学校に入学。「保育園に行きたくない」もあったので、どうなるかなと思っていましたが、4月の中旬から登校班での登校が難しくなりました。

班の子が迎えに来ても、家から出ることができず、時間をおいて私が学校に送ることになりました。そのときも泣きながら、歩き始めても一歩一歩ゆっくり。家に逆走することもしばしばで、子どもの足で5分前後のところを1時間以上かけて行く日々でした。

担任の先生が迎えに来た日もたくさんありました。でもなぜか行ける日はさくっと登校班で行く日もありました。

学校に行った後は特に暴れたりすることなどなく、落ち着いて過ごしていると先生から報告を受けるので、「何で学校に行くのをこんなに渋っているのだろう?」とずっと疑問でした。これが3年生のゴールデンウィークまで続きました。

小学生3年生に家出&本格的に不登校に

小学校3年生の担任は、ベテランの女性教師でした。クラスには落ち着きがない、すぐに手が出る子が数人いました。

息子は、先生がその子たちを大声で怒っていると、自分が怒られている感じがしてドキドキすると言い、友達から投げられたささいな言葉をずっと気にしていました。

その頃の私は、「学校に行くことは当たり前」、「学校を休むのはよくないこと」と思っていたので、学校に息子を強引に連れていくようになっていました。

しかし、体がだんだんと大きくなってきて、自転車の後ろに乗せることもままならなくなり、走ってしまうと追いつくのが難しくなってきました。

そしてゴールデンウィークが明けた頃、息子は登校班で家を出るふりをして、家の裏にある、物置に隠してあったリュックをしょって家出をしようとしました。

その家出は、朝から変な動きをしている息子を気にしていたので、未然に防げました。このことに私は大きなショックを受けました。

家出するほど、学校が、自宅が嫌だなんて…。

この頃から、息子は学校に行けなくなってしまいました。

1年生の頃から学校の行き渋りのことで市の教育相談施設を利用していたので、そのときも相談に行きました。

その後何度か相談に通い、息子の小さい頃からの様子などを話してみると、相談員から「息子さん、もしかしたら発達に特性があるかもしれません。一度検査を受けてはいかがですか?」と言われました。

そのとき、私は「やっぱりその傾向があるのか」と納得したのです。それは発達障害の子どもをもつ友人から聞いた話が、息子の様子ととても似ていたからです。

例えば

  • 一人遊びが好き(同年代の子と遊ぶのが苦手)
  • 嫌なことがあると、物をひっくり返す、投げるなどして大声を出して大暴れする
  • テンションが上がると、気持ちが落ち着くまでに時間がかかる
  • 難しい言葉を覚えている
  • 興味のある話を一方的に話す
  • 興味のある事項(電車、キャラクターものなど)を徹底的に覚えるのが好き

などが全て息子に当てはまりました。

発達障害の診断を受けて「ホッとした」のが本音

小学校3年生の秋に小児精神科のあるクリニックでWISC(ウィスク)という発達検査を受けました。

結果、自閉症スペクトラム(以前はアスペルガー症候群と呼ばれるもの)の診断を受けました。

診断内容から、知的な遅れがないものの、コミュニケーションや人とのやり取りが苦手、興味や活動にこだわりが強いところがあること、検査の数値から言語力は高いが、物を推測する力が弱いことも分かりました。

この診断を受けて、私は「ホッとした」というのが本音です。学校に行きたくない原因のひとつが見つかったと感じました。

気になることがあればまず相談を

今振り返ると、息子が小さいときの気になっていた様子は、発達障害の特性が影響していたことが分かります。ただ、その程度がどの位だと特性に当たるかというのは、私には分かりませんでした。

特に第一子だったので、イヤイヤ期も「このぐらいは普通なのでは」と思って接してきました。

年齢で行う健診では、毎回「年齢に応じた成長ができています」と言われていて、保育園でも大きなトラブルはありませんでした。

息子の特性が分かるまでに時間はかかりましたが、特性がわかったことで、本人が困ったときに私がどう対処すればいいかや、本人が解決できる方法を見つけることもできました。

もし、子どもの様子で気になっていることがあれば、一人で抱え込まずに、住んでいる自治体の児童発達支援センターや、保健センター、幼稚園、保育園、小学校などに相談してみてください。

相談先に出向くのが難しい場合は、まずは発達障害について書かれた本を読んだり、医師や専門家が監修したインターネット情報を見るなどしてもいいと思います。

発達障害は、生まれつきの特性で、決して育て方から影響を受けるものではありません。

今悩んでいることがあれば、子ども自身、そして家族も快適に毎日が過ごせるようになるために、相談の一歩を踏み出して欲しいと願います。

この記事を書いたライター

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なぎささん

フリーライター&編集者。財団法人の広報誌編集を3年、地元タウン誌の編集アシスタントを経て、グルメ、街記事、子育て、アクティブシニア関係の記事執筆などを行う。2007年生まれの自閉症スペクトラム障害の息子、夫、保護猫の3人+1匹の家族。

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