小学校入学までに文字を書くことに触れさせる家庭も多いと思いますが、どのように教えていますか。また数字にも正しい書き順があります。幼稚園・こども園内にて「かきかた教室」を主宰し、講師を務める川田道子さんが自宅でできる指導方法を紹介します。

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筆順を間違えやすい数字

ひらがなやカタカナ、漢字に限らず、数字にも正しい書き方があります。特に、「5」や「7」は筆順を間違えやすい数字です。また、「8」や「9」、「0」は、どこから書き始めたらいいか覚えにくい数字です。

分かりやすいように、子どもたちに協力してもらい、実際の解答を用いて紹介したいと思います。

「0」の筆順

「0」は★の位置から反時計回りに書きます

「8」の筆順

「8」も★の位置から反時計回りに書き、再度★の位置へ戻るように書きます

これらの写真のように、書き始める場所が間違っている子は多く、やはりはじめに正しく覚えないといけません。一旦間違えて覚えてしまうと小学生になっても直らないどころか、一生その書き方になってしまいます。

正しく書くことで計算ミスを防ぐ

ひらがな、カタカナだけでなく、なぜ数字も読みやすく、美しく書かないといけないのか。それは、筆算で繰り上がりのある計算をするようになるとき、自分の書いた小さな数字を間違えて読んで計算間違いをする子どもが多いからです。

たとえば「0」と「6」を見間違えると、計算間違いをします。せっかく考え方はあっているのに、そんなミスではもったいないことになります。ですから数字もきれいに書く必要があります。

それに文字がきれいだと、学校の先生にとっても採点がしやすく、大変助かります。何を書いているのかわからないようだと、国語にしても、算数にしても答え合わせに非常に苦労します。

美しい文字で読みやすく書いていると、それだけ好感度も高くなりますし、間違いが起こりにくいです。

読みにくい解答用紙
読みやすい解答用紙

文字を覚えたての頃に多い「鏡文字」

どうしたらこうも見事に反対に書けるのかなーと感心するほど、子どもたちは鏡文字を書きますね。

「お手本なしで、69を書いてみよう」と言って、年長さんの子どもたちに先日書いてもらったら、このような結果になりました。

ひらがなを鏡文字で書く子もいます。この写真では「う」が鏡文字になっています。

他に、こんな例もあります。「1」が鏡文字になっていますが、それだけではなく「8」が、鏡文字というよりは「○」が三つ重なっているようです。

いずれも、しっかりと文字の形を覚えておかなくてはなりません。

鉛筆の動かし方に注意

またカタカナは小学校1年生の2学期に習いますが、間違えやすい「ヨ」「ヲ」の書き順や、「ツ」「ソ」「ン」といった似ているカタカナを書くとき、鉛筆を上から下げるのか、下から上げるのかなどは、特に注意して初めから正しく覚えられるようにしたいですね。

後から直すことは大変なので、幼少期から、正しい書き方を覚えることが大切です。

文字を学ぶことは、小学校に入学してからでももちろん遅くはありません。ただ、小学校入学後は子どもたちも、入学前とは生活が変わり、勉強、習い事に加え、友だちと遊ぶ約束も加わり、いろいろと忙しくなってきて、じっくり文字の書き順や美しく書くためのコツを学ぶ時間がなくなってきます。

ですから、書くことに興味を持ち始めた頃から徐々に学び始め、4歳、5歳の入学前から少しずつ練習すると、ゆとりを持って学べると思います。

そして、美しい文字というのは、学年が上がればきれいに書けるようになるというものではなく、1文字1文字をきれいに書くためのコツを覚えないと美しく書けるようにはなりません。

先日、初めて来られた生徒さんに「お」の書き方を指導しました。

たった一回の授業で、その生徒さんの「お」は、見違えるようにきれいになりました。1文字1文字の「かきかたのコツ」を教えるので、1回の授業で、一つの文字がきれいになるのです。

「ひらがな練習帳」の「お」のページ

「まず右上がりに短く横線を書いて、真っすぐ長く降りてきて、それからどうするんだった?」と尋ねたら、「△を作って、大きく「つ」を書く。」とちゃんと覚えていました。

このように覚えて、自分で意識しながら書くと明らかに上手になります。

それぞれの文字をきれいに書くためのコツを説明しては書いてもらい、その度に「うん、すごくよくなったね!あとここをもうちょっとこうしたら、もっと良くなると思うから、もう一回気をつけて書いてみて!」と繰り返し練習するように指導すると良いと思います。

「もう一回だけ、最後にもう一回だけ。」と書いてもらうと記憶が定着して、次からはその文字を美しく書ける力がついていきます。

完全に覚えられるまで、仲良く楽しく練習できるかが肝心で、家庭ではここでケンカになりがちだと思います。

ですが、家庭でも「すごいわ~。ちゃんと覚えられたね~。こんなにきれいに書けるなんてすばらしい!」と思いっきり褒めてあげましょう。そうすれば、子どもは「もっときれいに書いてみよう!」と本当に頑張ります。

学ぶことは楽しい!と導いてあげて

私は小学校までに身につけておきたいことって、勉強以上に、この「やってみよう!頑張るぞ!」という意欲や「頑張ればできる」という自己肯定感だと思っています。

その気持ちがあれば、体育だって音楽だって、これからどんなことでも挑戦してゆける。その時「面白い!楽しいな」って感じられた方が長続きしますよね?

「文字をきれいに書くってことは楽しいことだな~。」「練習したらきれいに変わっていって面白いなぁ~。」そんな気持ちになるように、楽しく指導することが必要です。

幼児教育は、あくまでも勉強の先取りではなく、

学ぶことの楽しさ面白さに気づくこと。

私たちはそれに気づかせるような導きをすべきで、学ぶための姿勢や意欲や態度を育むことが、入学前にやっておいたほうがいいことだと思います。

「聞く、読む、書く」という全ての学びの基礎に親しみながら、これからの学びに向かい合える、「心」を育てることが重要ではないでしょうか。

初めはよちよち歩きだった子どもが、自分の足でしっかりとたくましく、これからの人生を歩んでいけるように寄り添ってあげたいですね。子どもには栄養と睡眠、そして何よりも親の愛情が大切だと思います。

これを読んでくれている、パパ・ママのみなさん、健やかな体と心の両方を毎日の生活の中で育む子育て、大事にしていってほしいと思います。

この記事を書いたライター

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川田道子さん ( 日本チャレンジ株式会社 代表取締役 )

幼稚園・こども園内にて2011年から「かきかた教室」を主宰し、講師を務める。経済産業省女性起業家応援プロジェクトLED関西第二回ファイナリスト。京都女子大学大学院発達教育学研究科博士前期課程在籍中

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