2019.06.09 / 2020.02.07
一眼レフカメラやミラーレスカメラを持っていても、いつもフルオートで撮っていて、思い通りのぼけた写真が撮れない、撮り方が分からないという人が多いと思います。そんな人へ、分かりやすく例を交えて「絞り優先モード」での撮影方法を伝授します。
絞り優先モードとは?
ご存知とは思いますが、一眼レフカメラやミラーレスカメラ、一部のコンパクトデジタルカメラでは、自分好みの写真が撮影できるように細かな設定を自分で行うことができます。
ざっくりと紹介すると、
- M=マニュアル…シャッタースピードと絞りを自分で設定
- A(Av)=絞り優先オート…絞りを自分で設定、シャッタースピードはカメラが設定
- S(Tv)=シャッター優先オート…シャッタースピードを自分で設定、絞りはカメラが設定
- P=プログラムオート…写真の明るさを自分で設定、絞りとシャッタースピードはカメラが設定
これらのモードが用意されています。
マニュアルを使いこなせるといいのですが、最初からマニュアルは少し大変かなと思います。そこで、マニュアルより手軽に挑戦できるのが「絞り優先オート」です。
そもそも「絞り」とは?
絞りとは、カメラのレンズの穴の大きさのことです。絞り値を変えることで、穴の大きさを変えることができます。穴が大きいほどピントが合う範囲が狭くなり、ピントの合っていないところはよくぼけます。逆に穴が小さいと、広範囲にピントが合った写真が撮れます。
まずは写真を見てみましょう。
絞り値はF値とも呼ばれます。この数字を大きくすると、レンズの穴が小さくなり、ピントが合う範囲が広くなります。逆に数字を小さくすると、レンズの穴が大きくなり、ピントが合う範囲は狭くなるのです。
小難しいことを書いてしまいましたが、押さえてほしいポイントは1つです。
絞り値(F値)が小さいほどよくぼける
これだけを頭に入れて、まずはどんどん撮影してみましょう。
「絞り優先オート」で撮影してみよう!
まずはカメラの設定です。
多くのカメラはボディの上部にダイヤルがあります。これを「A」もしくは「Av」に合わせます。設定は以上です。なんと簡単!
では、撮影です!
まずは絞り値を小さくしてみましょう。ファインダーを覗いたときや、液晶画面に表示される絞り値を2.8や4.0、5.6などの小さい数字にします。変化が感じられるよう、なるべく小さい数字にしてみましょう。絞りの最小値は、レンズによって異なります。
絞り値を変えると、連動してシャッタースピードも変わります。任意で決めた絞り値に合うように、カメラが自動でシャッタースピードを算出してくれているのです。絞り値の設定ができたら、あとは撮影するのみです。しっかりピントを合わせて撮影してみてください。
せっかくなので、絞り値を大きくして、広くピントが合った写真も撮ってみましょう。絞り値を14や16など、大きい数字にして撮影してみてください。最大値は22です。
うまく撮れなかった場合
ピントがずれてしまった(ピンボケ)
動いている被写体(例:子ども)だったり、動かない被写体でもピントを合わせた後にカメラが動いてしまい、カメラと被写体の距離が変わってしまった可能性があります。
絞り値が小さければ小さいほど、ピントが合う範囲も狭いのです。つまり、動き回る子どもや動物、風で揺れる植物や旗などを小さい絞り値で撮影するのはなかなか大変です。動かないものを撮るか、お子さんにはなるべく動かないようにお願いしてみてください。
また、1.4や2.0などのかなり小さな値にすると、ピントが合う範囲が本当に狭いので、ピントを合わせた後に少し画角を変えただけでピントも合わなくなってしまいます。
<参考写真>
絞り値の違う写真を3枚撮りました。ピントの合う範囲の違いを感じてみてください。
暗すぎる写真or明るすぎる写真になった
カメラはとても優秀ですが、意思の疎通はできません。撮影者が望む通りの写真が撮れないこともあります。
被写体が白っぽいときに暗くなった場合
カメラがシャッタースピードを算出するときに「今回はとても明るいから、暗めにしよう」と判断することがあります。これは白い被写体を、光だと勘違いしているためです。
被写体が黒っぽいときに明るくなった場合
白っぽいときの逆です。「今回は暗い」と判断して、カメラは明るくしようとします。
こんなときは、「露出補正」を使います。露出補正は、カメラが判断した明るさを変える作業です。明るくしたい場合は+(プラス)に、暗くしたい場合は−(マイナス)にします。
ファインダーを覗いたときや、液晶画面に露出補正の目盛りがあります。そこで設定しましょう。
また、知らず知らずのうちに露出補正の設定がされてしまっている場合があります。何度撮っても暗すぎたり明るすぎる写真になってしまう場合は、露出補正の設定を確認してみましょう。
「脱!フルオート」への道は、とにかく慣れること
「絞り優先オート」は、いかがでしたか。最初は難しく時間もかかるかもしれませんが、慣れれば簡単に、そして写真を撮るのがとっても楽しくなるはずです。たくさんの知識はいりません。少しのコツを押さえて、どんどんチャレンジして慣れていきましょう。
写真は、過ぎ去っていく瞬間を
とっておけるものです。
四角い枠に、風を、匂いを、
そして想いを閉じ込めて。
この記事を書いたライター
ライター一覧- ひよこさん
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「やりたいことをやる!」と言い、会社員を辞めフリーのカメラマンに。妊娠を機に休業し、現在は2歳、0歳の娘を撮りまくる日々です。