家事に子育て、仕事…目が回るほど忙しい毎日も、労いや気遣いの一言で報われたり、ちょっとした気分転換でまた頑張ろうという気持ちになれたりするものですよね。身近なプチ贅沢で気分転換、いつもより少しゴージャスなご褒美パンはいかがでしょうか?

File 3. 清澄白河「Boulangerie Panta Rhei」

まだまだ暑いですが、季節はとっくに秋に変わっています。もう少し涼しくなったら、ぶらぶらと街歩きをしながらパンを買い歩くのが私の楽しみのひとつです。

東京メトロの「清澄白河」は某コーヒーショップが出来て以来注目のエリア、オシャレなお店も続々誕生しています。駅から徒歩1分の「Boulangerie Panta Rhei(ブーランジェリーパンタレイ)」もそのひとつ。2017年4月にオープンしたばかりの新店です。

シックでモダンな外観、この看板を目印に。

目の前は深川江戸資料館、駅からの道は下町情緒たっぷりの商店街です。そんな立地にありながら「異彩を放つ」どころか「街に溶け込んで」いるのが「Boulangerie Panta Rhei」。ひっきりなしに訪れるお客さん達が感じているであろう、お店の魅力はこの3点ではないでしょうか。

  1. コンパクトだけど守備範囲が広い、要所を押さえた品揃え
  2. 押しつけがましくない「食べ方提案」
  3. 男性がひとりでも入りやすい雰囲気

欲しいものがある、絶妙なラインナップ

下町はまだパン食文化が根付いていない、そんな偏見はありませんか?実は若い世代に住みやすさから選ばれている下町や東京近郊には流行が根付きやすいのです。

でも、流行だけを追っているお店作りはNG。そこで暮らす人々が求めるものがあり、そこで暮らす人にちょっぴり新しい何かを提案していけるようなお店が長く続いて行けるのです。

コンパクトながら選ぶ楽しみがあるショーケース

「Boulangerie Panta Rhei」には、食パンからバゲットまで様々なパンが揃っています。決して大きなお店ではないので種類が多いとは言い切れませんが、ジャンル的には押さえている範囲が広いのが特徴です。

ニーズの最大公約数を把握している、とでも言うのでしょうか。欲しいものがある、そんな印象があります。

パンを売る、パンの食べ方を伝える

最近は、カフェ付きのパン屋さんが増えていて、パンに合うメニューを実際に提供してくれることで教えてくれたりしています。

消費者の私たちにとってみれば、とても有難く、もしかしたらパン屋さんにとってみれば売り上げ拡大のためにやりたいと思うことのトップにあがることなのかもしれません。

訪問した日は気温30度以上、迷いなく冷蔵庫の中のものを選びました!

ただし、それをやるにはスペースや人手など、クリアしなければならない問題が多く、全てのパン屋さんが実行可能な手段ではありません。

お客さんが3人入ったら満員の「Boulangerie Panta Rhei」にとっても不可能なことですが、別のやり方でパンの楽しみを伝えてくれています。

シンプルなハード系食事パンの代表であるバゲットと時間を同じくして惣菜系のフランスパンを焼き上げてくれるところ、夏には焼きたてのクリームパンと一緒に粗熱を取って冷蔵庫に入れて冷たくしたクリームパンを売ってくれるところ。

そんなところに「こんな風に食べていただきたい」「パンをもっと楽しんでください」といったメッセージを感じます。

食べたい、で、買いに行けるパン屋さん

このお店でもうひとつ印象に残ったのが、男性客の多さ。

パンブームを支えているのは女性であることは事実なのでしょうが、それでも女性の胃袋だけで購入されたパンが消費されているわけではありません。

男性に受け入れられなければこれほどまでにパン文化は浸透しているわけがないのです。

人気のパンはコレ!購入の目安に。

頼まれてもなかなか買いに入れない、そんなことを言われがちな一面もあるパン屋さんですが、可愛すぎない見た目と、商品の美味しさで男性おひとりの買い物が多いのが「Boulangerie Panta Rhei」。やはりいつの時代も男性の胃袋を掴むことは重要なようです。

清澄白河には、周辺にパンにも関連の深いチーズやコーヒー、そしてスイーツなどのお店も多数。深川めしの有名店、最近国民的なチャンネルで紹介されたカフェ、家族で楽しめる広い公園など、様々な目的で楽しめるスポットがあります。

秋晴れの空のもと、ぶらりと歩いてみてください。

店名 Boulangerie Panta Rhei(ブーランジェリーパンタレイ)
所在地 東京都江東区三好1-6-7 余郷ビル102
電話番号 不明
営業時間 9:00~17:00
定休日 月曜日、火曜日

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福地寧子さん パンコーディネーター

1日3食、年間1095食以上パンを食べ続けて四半世紀。そんな小麦まみれの生活の中で見つけたキラリと光るパン屋さんをご紹介します。

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