今回のテーマは「格安スマホ(MVNO)への乗り換え」。筆者は格安スマホ歴2年以上ですが、乗り換えてからの2年間で、なんと通信費を30万円以上節約できました。簡単なのに節約効果は抜群!今すぐ乗り換えないと損ですよ。

皆さんはじめまして。ぎゅってスタッフのさとCです。普段は当社のWebメディアの制作やディレクションを行っています。以前は紙面や印刷物のデザインをやっていたので、業務的には印刷からWebが得意ジャンルです。

家庭では中2男子、小4女子、保育園4歳女子の3人の子育てパパです。好きなものは「電気で動くもの」と「自転車」。社内では「デジタル担当」を任命されている筆者なのですが、業務・プライベートに関わらずデジタル関連の相談窓口となることが多いため、この連載では、家庭内でのデジタル活用をテーマに書いていきますね。どうぞよろしくお願いします。

デジタル尽くしの毎日を、休日の家庭菜園で癒してます

さて今回のテーマの「格安スマホ」ですが、「こんなにラクチンな節約方法は他にない!」と思っているので、ぜひ皆さんも今すぐ乗り換えをおすすめします! アフィリエイトや宣伝は一切なしの本音トークですよ。

なお、話を単純化してわかりやすくするため、あまりに細かな情報や例外は意図的に省いていることがありますのでご容赦を。

index目次

どれくらい安くなる? 夫婦で月1万5千円の通信費が、たった4千円に!

このご時世、転職や昇格でもしない限り、サラリーマンが月収を1万円ベースアップするのは大変ですよね。「支払い続ける固定費」としては住宅ローンがありますが、住宅ローンにもいつか終わりがあります。しかし、スマホ代はおそらく一生払い続けることになります。それを考えると、一生続く固定費が月額1万円削減できる効果が計り知れないことは自明と言えましょう。

我が家では、乗り換え前は夫婦でソフトバンク契約のiPhoneを使用していました。月の通信費は、端末の月賦、基本料、通話料を合わせて1万5千円~1万7千円程度。一人あたり7~8000円程度ですが、キャリアをお使いの皆さんも大体この程度ではないでしょうか。なお、通話はほとんどしないので毎月数百円程度でした。

何か「モノ」として残るわけでもないし、正直言って、毎月この金額を支払い続けるのはかなり痛いです。それが格安スマホに乗り換えたことで、基本料が月1600円、通話料が数百円、計2000円弱にまで削減できたのです。夫婦で4000円に収まっているので、節約額は月1万円以上。何かをガマンしたり、努力する必要もなく「回線を変えるだけ」のカンタン節約なのに、です。

では、実際にどうやって乗り換えていくか、の解説です。

今使っている端末は? 「ドコモ端末」=勝ち組、「ソフトバンク端末」=負け組

いきなり勝ち組、負け組と書いてしまいましたが、あくまで「格安スマホに乗り換える」という観点で見た時の話なので怒らないでくださいね。

ドコモは乗り換えがとにかくラク!

なぜドコモ端末が勝ち組なのかというと、ほとんどの格安スマホ事業者(正式にはMVNOと呼びますが、今回はわかりやすいようにこう呼びます)はドコモ回線を借り受ける形で利用しており、ドコモの端末を使っているのであれば、そもそも初めからドコモ回線には対応しているので、SIM(電話番号が記録されている通信用のICカード)を入れ替えるだけでそのまま使い続けられるからです。

つまり、iPhoneだろうがAndroidだろうが、いま入っているドコモのSIMを解約して引っこ抜いて、新たに契約した格安SIMに入れ替えるだけで、インストールされているアプリや設定もほぼそのままで、通信費だけが安くなるというわけなのです。まさに勝ち組と言えましょう。

ソフトバンクはいくつかのハードルが

逆にソフトバンク契約(端末)の場合、ソフトバンク回線を利用している格安SIMはほとんどなく(※)、今使っている端末をそのまま使うことは基本的にできないと言えます。各キャリアは自社の回線でしか端末を利用できないように「SIMロック」という制限をかけており、「iPhone6」より以前の端末はこのSIMロックを解除することができないため、残念ながら端末の買い替えが前提となってしまうのです。

ただし、「iPhone6s」以降の端末(おおむね2015年夏以降発売の機種)を使っている場合は、Web上の「My Softbank」でSIMロック解除を申請することでドコモ回線の格安SIMが利用可能になります。店頭で気軽にSIMロック解除を申請してしまうと、手数料3000円が取られてしまうので、ぜひWeb上でやってみてください。

ただ1社、日本通信(b-mobile)での取り扱いが開始されましたが、使用感などの詳細が不明ですのでここでは取り上げません。

auの場合は…

なお、auの場合は、選択肢は限られますがau回線を利用した格安SIMはいくつか存在します。代表的なところでは「mineo」「IIJ mio」「UQモバイル」などがありますのでこれらを検討してみてください。2015年夏以降に発売された機種であれば、もちろんSIMロックを解除する方法もあります。

不要になった端末は売り払う!

ちなみに筆者は“負け組”ソフトバンク端末を使っていたため、端末の買い替えを余儀なくされました。しかし不要となったiPhone5sをヤフオクで高額にて売却できたため、買い替え費用をほぼ補てんすることができました。iPhone端末はキャリアにかかわらず、ヤフオクやメルカリでかなり高く売れるので、手間はかかりますがさくっと売り払ってしまえば良いと思います。

ドコモ端末の人はそのまま格安SIMを契約するだけで乗り換え可能。ソフトバンクは「SIMロック解除」または買い替えが必要。

事業者選びはどこがいい? 大した差はないのでどこでもいい(ただし大手を選ぶ)

「格安SIM おすすめ」などで検索すると比較サイトがたくさん出てくるので参考にしても良いのですが、結論から言えば「大手ならどこでもいい」。大手事業者とは、下記の市場シェア上位の事業者のことを言います。

この他にも、イオンモバイルなどの実店舗がある事業者、LINEモバイルなどの大手事業者が手掛けているサービスだと安心です。

しかしながら注意したいのが、CMなどでもよく目にする「Y!mobile」と「UQ mobile」の扱いです。

この2社は広告を大量に出稿しているので、「格安スマホだったらこの2社で選ぼうかな」と思っている人もいるかもしれませんが、実はこの2社は厳密には格安スマホとは言えないのです(厳密な定義、というものがあるわけではありませんが…)。

確かにキャリアよりは安くなりますが、前者はソフトバンク、後者はauの「サブブランド」であり、この2社からのユーザー流出の受け皿的な存在となっています。料金的にも「キャリア」と「真の格安スマホ」の中間的な設定であるため、安さ優先で、本当に安くしたいと思っている人は選ばない方が良いと思います。

CMなどで「イチキュッパ」と連呼している基本料金も、通常料金ではなく初年度限定の割引料金であり、2年目以降は2980円を支払わないといけませんのでご注意を。1年だけでなくこの先ずっと使うのに、初年度だけ割り引かれても意味ないですよね~。

もし事業者選びに失敗したな、と思ったら、格安SIMはキャリアと違って「2年縛り」のような懲罰的に厳しい解約制限がないので、さくっと乗り換えれば良いのです。あまり細かいスペックを気にして事業者選びに時間をかけるのは無駄なのです。

なお、ここで「おすすめ事業者」を書くと一気にPRぽくなってしまうのであえて控えますが、筆者が契約しているのは「楽天モバイル」と「IIJ mio」です。どちらの事業者もセットで購入できる端末の種類が多く、分割払いに対応していたことが決め手でした。現状、どちらも特に不満はありません。

事業者は大手だったらどこでもいい。料金や使用感に差はない。

基本料金の目安はどれくらい?

格安スマホの料金の目安としては「通話プラン+3GBのパケット容量で月額1600円前後」という平均的なラインがあり、主要な事業者は見事にこのラインで横並びです。

3GBというと1日あたり100MBということになりますが、写真の枚数で換算すると、1枚2MB程度として、だいたい50枚程度の送受信に相当します。動画はあまり見ずに、SNSやニュースを見たりゲームをしたりという使い方であれば3GBで十分収まるでしょう。

もし大幅に超えるようであれば、自宅では必ずWiFiを使うようにする、外出時にあまりパケットを使わないようするというように、使い方に気をつけた方が良いです。

通話料は別に高くない

通話料についてですが、「格安スマホは通話料が高い」と言われることもありますが、例えば楽天モバイルやIIJ mioであれば通話料が半額(30秒20円→10円)になる通話アプリ(※)を用意しているので、このようなアプリを使えば日常利用で通話料が高額になることはありません。

画像は楽天でんわ。通常の通話アプリと同じように使えます。アドレス帳からのダイヤルも、もちろん可能

もちろん「とにかく通話しまくる」という人向けの定額通話プランも用意されていますが、そのような使い方であれば、格安スマホに乗り換えてもあまり安くすることはできません。そのような方は、いかに通話を減らすか、ということをまず考えた方が良いでしょう。

通話アプリといっても、LINE通話やスカイプのようなIP電話ではなく、電話番号の頭に「0037-68」などの指定の番号を付加してダイヤルするだけのシンプルな仕組みで、固定電話宛にも通話できますし、通常の電話と同じ品質です。

申込みはWebだとラクチン、店頭でもOK

事業者を決めたら契約手続きはWebもしくは量販店などの店頭で行います。Webで申し込むと、SIMが送られてくるのに2~3日かかりますが、店頭での待ち時間などがないのでラクチンです。

その前に、電話番号を移したい場合は、いま契約しているキャリアにMNP(電話番号ポータビリティ)の申請を行います。これも電話でやると「割引クーポンを発行します」など、なんだかんだと引き止められたりして面倒くさいので、Webサイトからさくっとやってしまうのがおすすめです。

申請するとMNP番号が発行されるのでこれをメモしておきます。MNPする場合はわざわざ窓口に行って解約手続きをする必要はなく、発行されたMNP番号を使って新たに格安スマホ事業者と契約すると、その時点で元のキャリア契約が自動的に解約されます。解約の手間がないので便利ですね。

なお、各キャリアのページでMNP方法を検索すると、解約を諦めさせるためなのか、何ページもクリックしないと説明ページにたどり着けないようになっていますので、直リンクを置いときますね!

ご存じのように、2年縛りの解約期間外に解約する場合は、9500円もの懲罰的な解約金がかかりますが、それくらいの金額は数か月もあれば回収できますので気にせず解約しましょう。むしろ、2か月、3か月とずるずると乗り換えを引き延ばすほうが逸失利益が大きくなってしまいます。思い立ったら即解約です。

端末はどうやって購入する? Webでも店頭でも買えます

乗り換えと一緒に端末も買い替える場合、キャリアと同じように分割払いを選択できる事業者もあるので、初期費用を小さくしたい場合には分割払いを選択するのも良いでしょう。楽天モバイル、IIJ mioあたりは取り扱う端末の選択肢も多いです。

回線と同時に端末を買うのであればセットで買うのがおすすめです。もちろんネットだけではなく、ヨドバシカメラやビックカメラなどの量販店でも格安SIMが使える「SIMフリー端末」を販売しているので、実際に店頭で見てから買うことも可能です。もちろん、アマゾンなどの通販サイトでも販売していますよ。

2017年上期 おすすめのSIMフリー端末は?

2017年上期現在のおすすめ端末は「ASUS Zenfone3」「Huawei P10 lite」です。どちらも2~3万円台と安価なうえ、性能とデザインも優れているので使いやすいと思います。

2017年6月発売の「Huawei P10 lite」。主要な事業者であればほぼどこでも取り扱っています。量販店の店頭にも置いてあるので実機も確認してみてください
2016年10月発売の「ASUS Zenfone 3」シリーズもおすすめ。でも、つい最近「Zenfone4」が発表されましたのでこちらも要チェックです

SIMカードのサイズに注意!

ひとつ注意したいのが、SIMカードのサイズ。契約時にSIMのサイズを選ぶようになっているのですが、どのサイズでも良いというわけではなく、使いたい端末が対応しているサイズを選ばないといけません。

現在の主流は極小サイズの「nanoSIM(ナノSIM)」と小サイズの「microSIM(マイクロSIM)」の2種類ですが、例えばiPhoneはnanoSIMにしか対応していないので、nanoSIMを申し込む必要があります。間違ってmicroSIMを選んでしまうと、後でnanoSIMへの交換費用がかかってしまいます。

左がナノSIM(天地12.3mm)、右がマイクロSIM(天地15mm)です。申し込み前に自分のスマホがどちらのサイズに対応しているのか確認しておきましょう

逆に、microSIMが必要なところを小さなnanoSIMを選んだ場合は救いようがあり、「nanoSIM変換アダプター」というものがアマゾンなどで販売されています。いわゆる「ゲタを履かせる」わけですが、「小は大を兼ねる」ということで、あえてnanoSIMを選ぶという方法もあります。

格安スマホに変えると何が変わる? 大して変わらない

メールアドレスが変わる

格安スマホに乗り換えるハードルの一つとして「キャリアメールが使えなくなる」ことがあります。キャリアメールとは「docomo.ne.jp」などの携帯メールのアドレスのことですが、今の時代、世の中のWebサービスを使う上で、キャリアメールが使えないことでの支障は全くありませんのでご心配なく。

以前は保育園や小学校のメール連絡サービスが「キャリアメールしか登録できない」というようなこともありましたが、さすがに今の時代、そのようなしょうもないサービスはすっかり淘汰されました。10年前とは違い、メールサービスとしてのキャリアメールの価値はもはやありませんので、メールは圧倒的に便利なGmailを使うようにしましょう。

メールアドレスの変更に関して注意したい点は、「メールアドレスを変更しました」というお知らせをGmailから送信すると、キャリアのメールアドレスを使っている人が受信拒否をしているケースが結構あるということ。エラーになって帰ってくる場合はまだ良いですが、エラーも何もなく「なぜか届いてない」ということもあります。そのような場合は相手に連絡して受信許可してもらいましょう。

LINEでID検索による友達追加ができなくなる

LINEのアカウント移行については機種変更と同じ要領でやれば良いのですが、IDを検索して友達を追加することができなくなります。これはID検索機能を利用するのに「キャリア認証(キャリア契約)」が必要だからなのですが、これもQRコードやふるふる、URL送信での追加は可能ですので問題になることはほぼないと思います。

通信が遅い?→動画以外の通常利用は問題なし

よく「格安SIMは通信が遅い」と言われるのですが、通常のWebやSNS利用、ゲームなどで通信が遅いと感じることはまずないでしょう。モバイル通信はだいたい平日昼間に混雑のピークを迎えるのですが、その時間帯を外せば動画再生などでもそんなに遅く感じることはありません。

通信速度を比較したサイトもよくありますが、そもそもモバイル通信の速度は地域や時間帯によって大きく差があるので、ほとんど参考にならないと思います。

セット料金などで安くはならないの?

いわゆる「家族割り」「光回線セット割り」のようなものはあまりなく、事業者によってはパケットを分け合える「ファミリーシェア」が用意されているくらいで、基本は単契約となりますが、その分料金プランもシンプルでわかりやすく、十分安いので問題ないでしょう。

そもそもキャリアにあるような「セット割り」というのは、契約を他の条件で縛って解約されにくくするためのものですので、縛られることが好きな人以外は、この際そのような考え方とはおさらばしてしまいましょう。

「光回線とのセットで安くなる」「長期契約で安くなる」「電気とセットで安くなる」など、いろんな「縛り」にがんじがらめに縛り付けられる生活はもうやめましょう!

iPhoneでも使えるの?

iPhoneでも格安SIMは問題なく使えますが、端末の入手が少々やっかいです。現状、最新のiPhone端末を販売しているのは、ドコモ・au・ソフトバンクの3キャリアとアップルストアのみ。そのため、新たにiPhoneを入手しようという場合は、中古でドコモやauの端末を購入するか、アップルストアで高額なSIMフリーiPhoneを購入するかのどちらかになります。せっかく格安SIMにして節約しても、端末購入費用が高くなってしまうと本末転倒ですよね。

そこで筆者がおすすめするのは「脱iPhone」です。極論ですみません。たしかにiPhoneに慣れていると、「iPhone以外は(使ったことないけど)使いにくい! ダサい!」などと思ってしまいがちですが、実際使ってみればそんなことはありません。Androidであれば3~4万円台でもかなり高性能な端末が入手できますし、そんな安価な端末でも、iPhoneとできることの差はほとんどないといってもいいです。

ちなみに筆者はMacユーザー歴25年、筋金入りのApple信者かつiPhone信者でしたが、格安SIMをきっかけにAndroidに乗り換えたことで洗脳が解かれ、iPhoneの新機種が出るたびにソワソワ、ドキドキするなんてこともなくなり、金銭的だけでなく健康的にも良い影響がありました。

スマホなんて今や日用品ですから、使っているのがiPhoneであろうが、Androidであろうが、あなたの人間的な魅力や性能は1ミリも変わらないのです。何事もこだわりすぎて盲目的になるというのは良くないですよね。

格安スマホへの移行は迷う暇なし!今すぐ検討を

とにかくキャリアとの料金差が大きい格安スマホ。その節約効果は絶大です。自分ひとりだけではなく、家族で一斉に乗り換えるのがポイントです。1か月、2か月と迷っている間に、1万円、2万円と、その差額がどんどん積みあがっていきますので、できるだけ早めに乗り換えるべく検討してみてくださいね。

次回 9月2日(土)の担当はみちE。よろしくね!

この記事を書いたライター

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さとCさん

中3男子、小5女子、保育園5歳女子の3人の子育てパパです。好きなものは「電気で動くもの」と「自転車」。家庭内でのデジタル活用について、我が家のノウハウをお届けします。

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