時短で、賢く、楽しく子育て。働くママでも毎日たった5分からできる!知育や子どもの心と体を育てるノウハウを、SakuraEdu代表の荒井聖子さんに教えてもらいます。今回のテーマは「動作はゆっくり見せてまねさせることの大切さ」について。

子どもの力を伸ばす、スローモーション!

モンテッソーリ教育では、子どもがさまざまな動作を習得していくときに、大人が隣でお手本を見せる「提示」という方法を使います。

提示をするときの推奨スピードは、大人の通常動作のなんと「8倍」スローモーション!これがなかなか難しいのです。

実際にスローモーションでやってみると、普段は無意識の手や指がどう動いているか、大人も意識できるようになります。さらに、店頭のデモンストレーション販売のようなイメージで、特徴的な動きや物が変化するところを、特にゆっくりと大げさにして見せます。

子どもが動作を見て理解し、まねをするには「8倍ゆっくり+大げさに」が必要なのです。

例えば、とうもろこしの皮をむく動作。

ちょうど今の季節に食育カリキュラムに入れますが、ゆっくりと皮を手でつかむ様子、下に引っ張る様子、ひげを指でつまんで抜く様子を見せると、1歳くらいの子でも上手にまねをしてむき始めます。

自分でむいた皮の中から、見慣れた黄色い実が出てきた瞬間、まるで宝物を発見したような目の輝きを発します。

3~4歳になれば、着替えのボタンやファスナー、靴下や靴の履き方、脱いだ物の始末、お箸の持ち方、テーブルの拭き方など、身の回りのことをスローモーションで見せてあげましょう。

また、工作や絵画などで「色を塗る」「絵を描く」とき、この教え方がとても役に立つな、といつも実感しています。

初めてクレヨンや色鉛筆を扱うとき、子どもはギューッと握って、手首から肩までがガチガチになってしまいます。その状態で色を塗ると、強いタッチのグルグルか縦横の繰り返しで、うまく色を塗ることができません。

そこで子どもの隣に座り、ふんわり握る手を見せて、空中でまず丸や四角、波線や直線などの自由な動作を見せてから、手首を柔らかくして、クレヨンを滑らせるような動きを見せていきます。

このときも「8倍ゆっくり+大げさに」!この柔らかな塗り方を習得すると、小学校にあがり鉛筆で文字を書くときに、手指を思い通りに動かせる運筆力を身につけているので、文字を書くのが楽しくなると思います。

「鉄は熱い内に打て」と言いますが、運筆だけでなく全身運動や微細な動きなどさまざまな動作を、たくさん見せてまねをさせることが、子どもの能力を高めることにつながっていくと思います!

この記事を書いたライター

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荒井聖子さん

SakuraEdu代表、コドモンテワークショップ主宰。資生堂に勤務後、目黒区民講座講師、幼児教室のコンサルティング等をしながら、通算百回以上の企画開催。日本モンテッソーリ教育綜合研究所教師、NPO日本食育インストラクター1級などの資格を生かし子育て支援活動を行う。

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