十五夜は、美しい月を観賞しながら秋の収穫に感謝をする行事で、「中秋の名月」と呼ばれています。お月さまが赤ちゃんに語りかけたり、パパが月にはしごをかけたり。おやすみ前の親子のひとときを、満月の絵本でゆったりと過ごしましょう。

教えてくれたのは

東條知美さん

絵本コーディネーター・学校司書・ライター・〈絵本の百年と未来研究会〉主宰。活動のモットーは「子どもに絵本を。大人にこそ絵本を。」
-Blog「僕らの絵本」-Web「絵本の100年と未来研究会

おつきさまなにみてる

なかじまかおり 作
(岩崎書店、2011年)

ふうわりまるいお月さまが、こいぬやことり、あかちゃんを見守ります。おだやかな色・優しい雰囲気の絵と、「ゆっくり」「にっこり」などの韻を踏むシンプルな言葉が心地よく響く赤ちゃん絵本。ラストは「おやすみなさい」の言葉で終わるので、眠る前にもおすすめですよ。

おつきみバス

藤本ともひこ 作・絵
(鈴木出版、2017年)
★表紙をクリックして中面のぞき見!

おしゃべりするバスとねずみたちが活躍する「いただきバス」シリーズの「おつきみ篇」。今日はおつきみ。ところが、お供えしたおだんごがうさぎに盗まれてしまいます。バスくんとねずみたちが追いかけていくと…。「おつきみってなあに?」という小さなお子さんにもわかりやすく、楽しい物語。

パパ、お月さまとって!

エリック・カール 作、もりひさし 訳
(偕成社、1986年)

月をみて娘が言います。「パパ、お月さまとって!」さて、パパはどうしたと思います?… 高い山に長~いはしごをかけ、娘の願いをかなえようとするパパ。大胆に広がるしかけは、最大で縦横4ページ分のビッグサイズに!子どもたちの目も、お月さまに負けないくらいまんまるになりそう。

おつきみ

あまんきみこ 作、黒井健 絵
(ひさかたチャイルド、2016年)
★表紙をクリックして中面のぞき見!

せっかくの十五夜なのに、空には雲が居座っています。おもちゃ箱に乗って空へと飛び立つえっちゃんとミュウ。居眠りをする大きな雲に「おきなさあい」と声をかけますが…。よいお月見になるようにと、少女と子猫が大活躍。コスモス畑、すすき野原など秋の風景に心も和みます。

きょうはそらにまるいつき

荒井良二 作
(偕成社、2016年)

あかちゃんが、バレエ帰りの女の子が、ギター弾きの青年が、海で跳ねたクジラが… 世界中のどこにいたとしても、私たちは同じ月を見ることができます。広い世界を包み込むように照らす満月。30cm×22cmの絵本の中に、生きとし生けるものの営みが、細やかに描き出されます。