/ 2017.09.25

子育てに自信のあるママなんて、どこにもいない!家庭教師・塾講師、東大生・早大生を育てた母であり、子育てセミナーを主催する楠本佳子さんに教わる連載コラム「能力をのばす子育て」。14回目は「親を恨む子どもと感謝する子どもの違い」について。

口癖がまるで自分のよう

10年以上前のことです。初めて自分のパソコンを買ったのですが、使い方がよくわかりません。子どもたちの方が学校で習ったり、はるかに使い方を知っています。そこで娘に教えてもらうことになりました。

娘がひと通り説明した後

聞いただけじゃわからないでしょ、やってみて。

と言ったのです。思わず吹き出しそうになりました。

彼女が小さい頃、私が言ってた言葉そのままです。私が説明した後、子どもが実際できるかどうか目の前でさせて見ていたのです。

時々娘と会話していると、このように吹き出しそうになります。まるで私みたい。それはそうですよね、10年も20年も一緒にいれば口癖も行動も、本人が気付かないうちにうつってしまいます。

親を恨むようになるのはなぜ?

子どもたちの相談にのっていると、時々聞くのが

親自身が、自分の親(祖父母)を恨んでいる

という言葉です。私の経験では男の人の方が父親や母親に対して激しい言葉を使います。

失敗したとき、自分の選択でそれを選んだのなら自分の責任です。でも、親にコントロールされて育った子どもは親に言われた通りにして失敗したら、親のせいだ、親のせいで不幸になった、と将来恨むようになります。

いつも子どもを怒ったり、命令ばかりしていたら、その子どもが20歳になったとき、どうなっているでしょう?40歳のときは?

あなたが携帯ばかり見ていて、子どもを無視していたら、あなたに対してどんな態度で接するでしょうか。

親子の関係は、決して今のままではありません。

子どもに厳しく、責め立てるような口調で接していれば、年をとってからは立場が逆転。子どもたちに「なぜできないの」「なんでそんなことをするの」責め立てられることになるでしょう。

もしくは、親との接触を根本的に避けるかもしれません。

子どもに感謝されるためには?

子どもと楽しく過ごすことを心がけていれば、大きくなって、親をいかに楽しませようかと考えている子どもに育つでしょう。

ただ、あなたがしていることが、数十年後のあなたに返っていくだけです。

時には厳しいけど優しく接し、いつも笑顔のお母さんを恨む理由など、どこにあるでしょうか。優しく見守ってくれるお母さんは何歳になっても感謝されます。

「老いては子に従え」と言います。
まさにその通り。

これからAI(人工知能)などが進む中で、どんどん年齢を重ねていく私たち親はついていくことができないかもしれません。

そのときに子どもに教えてもらわなくてはいけません。あなたが年齢を重ね、子どもにものを教えてもらうこと、助けてもらうことが必ずあります。想像してみてください。

今あなたが子どもに声をかけている、そのままの言葉が返ってきます。

教えてくれたのは

楠本佳子さん

こどもみらい塾(岡山)」塾長。自身の子育てや教育経験を活かし、ママを対象としたセミナーや個別相談も行っている。著作に「12歳までに勉強ぐせをつけるお母さんの習慣」