/ 2023.04.25

息子の小学校入学から約1か月。小学校の横を通りかかったら、息子の担任の先生が子どもたちを怒鳴っている場面を目撃! あまりの迫力に驚き、息子に聞いてみると…。

今回は、小学1年生になったばかりの息子の悩みを聞き出すことができたコミュニケーション方法と、私が担任の先生に不信感を持った時にとった対応をお伝えします。

出典:あんふぁんWeb

児童に対する先生の強い口調にびっくり!

息子は小学校に入学してから1か月ほどは、「今日はこんなことをしたよ」「友達ができたよ」と、楽しかったことを話していました。しかし5月に入り、運動会の練習が始まったころから、「今日も楽しかった?」と聞くと「まあまあかな」と答えることが増えました。

私としては、本格的に授業が始まったり、運動会の練習による疲れもあり、息子が小学校での出来事に対し口数が減ったことは「慣れてきた証拠」ととらえていました。

そんなある日、下の子のこども園の送迎で小学校の前を通ると、偶然、息子の学年が校庭で運動会の練習をしていました。ダンスの練習をしていて、担任の先生が子ども達に「そうじゃないっていってるでしょう!」「違うでしょう!やり直し!」などと怒鳴っていました。それは一緒に登園していた友達親子も私も思わず足を止めてしまうほどの迫力でした。

その時は、「そういう指導が必要な時もあるのかも」と思いましたが、その後も校庭で怒鳴る先生の姿を何度か見かけるように。「まだ入学したばかりの1年生の子ども達なのに、かわいそう」と感じるようになりました。

「先生恐いんだね!」と言ってみると思わぬ反応が

しかし息子は、家で担任に怒られたと話すことはなく、気にしている様子がまったくなかったので「うちの子はたくましいな」と安心していました。

そのため、ある日の普段の息子との会話の中でためらいの気持ちもなく、「今日、運動会の練習見たよ。意外と先生恐いんだね!ママびっくりしたよ~」と伝えました。

息子は、人懐っこく、わりとなんでも要領よくこなすタイプなので、きっと「怒るときもあるけど楽しい先生だよ」という感じの前向きな答えが返ってくる思っていたのですが…。実際の返事は「うん。すごく恐いし、毎日怒られてばっかり…」と意外なものでした。

話を聞いていくと、「運動会の練習の時だけでなく、普段もきつく叱られることが多い。何がいけなかったのかわからない。でも自分が悪いから怒られていると思う」と暗い表情で話したのでした。

この話を聞いて、以前の息子は楽しかったことも、イヤだったことも、なんでも話していたのに、いつのまにか「かっこわるいこと」は言いたくないという気持ちが育っていたんだと気づかされました。そして子どもが何がいけなかったかわからない叱り方をする担任に対し不信感を持ちました。

親としての対応の仕方を先輩ママに相談

それから「今日も怒られた」「明日、学校行きたくないなあ」と少しずつ自分から話すようになった息子。すぐに担任に状況を聞きたい気持ちを抑えてまず私がしたことは、情報収集でした。

先輩ママ数人に相談すると「先生が恐くて学校に行きたくない」という経験をする子は多いと知りました。

あまりにもひどい場合は、子どもが登校拒否になることもあるので、学校に相談した方がよいということも言われました。

相談の手順としては、まずは「担任に連絡帳で伝える→電話で伝える」。改善されなければ「校長先生や教頭先生に相談する」。それでも改善されなければ「教育委員会へ相談する」ことになるそうです。

しかし実際にそこまでしても、お互いに不信感が募り、対立してしまい、対応が変わらないこともあるとのこと。よかれと思った行動が、先生を追い詰める結果になってしまっては息子の学校生活が楽しくなるはずがありません。

話を聞いて、学校に相談するなら、感情的にならず、相手を否定しない言い方が重要だと思いました。

担任へ相談したら理解してくれた

そこで、まずは連絡帳に「最近、先生に怒られた…と言って落ち込んで帰ってくることが続いています。1度学校での様子を教えてください」と書きました。

するとその日の夕方担任から電話がありました。

私は「先生に怒られてばかりいると言っていて、その理由がわからず、不安になっているようです」と伝えました。すると、担任からは「毎日怒られているわけではなく、がんばっている部分もたくさんある。最近叱ったことがいくつかあり、その際に理由を伝えきれていなかったので、恐いという思いをさせてしまったと思う。そんな思いをさせていたことを知れてよかった。これからは理由を伝えることに重点をおいて指導していく」という話がありました。

詳しく話を聞くと「最近叱ったこと」のひとつに、息子を含めた男の子何人かで登ってはいけないところにのぼって遊んだという話がありました。それを聞いて私は、元気いっぱいの男の子たちには時には大声で危険なことを気づかせる必要があると想像できました。

情報収集していた時に同じクラスのママ達から「先生は女の子より男の子に対して厳しいところがある」ということも聞いていましたが、限られた時間の中、安全に、スムーズに活動に参加させるために男の子に厳しい口調で伝える場面が多くなるのではと思いました。

その注意だけで「これはいけないことだ」とすぐにわかってくれる子もいれば、息子のように「いけない理由を知りたい」とモヤモヤしてしまう子もいるのです。

今回話をしたことで、担任は息子の性格を理解してくれたようでした。その後は、息子の性格にあった叱り方・伝え方をしてくれるようになり、息子自身も叱られた理由を理解するようになりました。

だんだんと「先生がこんなことしてくれた」など楽しかった話もするようになり、いつのまにか「恐い」と言わなくなりました。私も、サバサバしているけれど、とてもいい先生という印象を持つようになっていきました。

子どもが新しい環境に進む時、親ができること

今回、担任とスムーズに話ができたのは、息子からよく話を聞き「息子に叱られる理由がわかるように伝えてほしい」という1点を担任に伝えるようにしたこと、親としての対応の仕方を先輩ママに相談したことで、感情的になったり相手を否定しないような言い方ができたことが大きかったと思います。

また、先輩ママに聞いた話や、担任と話をして感じたのは、幼稚園や保育園と小学校の違いです。

幼稚園や保育園では、言葉の発達が未熟な子どもたちの教育が前提のため、先生は「子どもの気持ちをくみ取ること」を大切にし、ひとりひとりの性格に合わせた対応をしています。

しかし小学校では、話を理解できることが前提で、先生からの「指導」が中心になり、子どもが自分で考え状況を判断する力が必要になります。

1年生にとっては、急に先生の対応の仕方が変わったうえに、まだ学校の決まりを理解していないので注意を受けることも多くなりがち。そのため先生が恐いと感じたり、小学校が辛く感じてしまうことがあるのだと思いました。

そのような場合は、親が担任に子どもの様子を伝え連携をとっていくことで、学校での対応を工夫してもらうことができます。また学校では個々の対応が難しい場合も、親が詳しい内容を把握することで、家庭で子どもに理由が伝わるようフォローすることができ、子どもは少しずつ小学校生活に慣れていけると思います。

もちろんこれから子どもが悩んだ時、親が解決してあげられることばかりではないとは思います。それでも「悩みを聞いて共感すること」だけはずっとしていきたいです。

子どもは悩みがあっても、少しでも自分に非があることは親に言い出しにくいのだと思います。今回「先生恐いんだね!」と先生に非があるような言い方をしてしまい、親として正解ではなかったかもしれません。しかし、私が「恐い」という気持ちに共感するような声かけをしたことで、息子は「恐いと言っていいんだ」と思うことができ、本音を言いだすきっかけになったことは本当によかったと思っています。

子どもの本音や悩みを聞きだすときには、子どもの気持ちに共感しながら、子どものつまずきを肯定する聞き方も大切なのではと思う出来事でした。