今は子どもが小さくて、家事や仕事、育児で精一杯。では、5~10年後はどうでしょう?少しだけ子どもから手が離れて、今とは違う生活になっているかも。そんな未来の自分について考えてみよう!具体的でも漠然でも大丈夫。ちょっとだけ想像してみませんか?

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Let’s try!まずは10年先まで考えてみよう

年齢を書いてみると、未来が一気に具体的に!

お話を聞いたのは

加倉井さおりさん

ウェルネスライフサポート研究所代表。財団法人で18年間保健師、心理相談員として勤務。2010年に独立し、女性の健康やキャリアビジョンをテーマとした講演・研修などを行っている。著書に「仕事も育児も!ハッピーママ入門」(かんき出版)など。21歳を筆頭に3男の母。

未来を描くことで、“今”が輝き出す!

私も子どもたちが保育園時代は特に、朝も夕方も走って、毎日がプチマラソン状態。「時間がない」が口癖でした。多くのママが自分のことは後回しで、やりたいことを我慢して、日々を過ごしていると思います。

今の時点で“なりたい自分”を明確に描けている人はもちろん素晴らしいですが、なかなかそうはいかないもの。私がお薦めしているのは、“まず10年先までを考えてみる”ことです。

頭の中だけで考えるより、自分や夫、子ども、さらには親の年齢を書き出してみると、ぐっと具体性が増してきます。

そこで見えてきた“なりたい自分”に近付くためには、5年後までにはこうなっていたい、3年後までにはこれをしておくなど、やりたいこと・やらなければいけないことが、次々と現れてくると思います。

未来を描くことで、“今”が輝き、動き出すことになるのです。母・妻である前に、一人の女性として、あなたの未来をぜひ一度考えてみましょう。

Question5年後、10年後の“なりたい自分”はどんな自分ですか?

  • ジムに行ったり、気になる習い事をしたり、趣味に打ち込んだり、自分の「好き」を取り戻している自分。(埼玉県・31歳)
  • 子どもに「ママかっこいい!」と、言ってもらえるようなママになること。(東京都・30歳)
  • 子どもがいても、会社でバリバリ活躍している自分。子どもがいるように見えない若さと、バイタリティーのある自分。(神奈川県・33歳)
  • 今はパートですが、自宅で起業したい!(大阪府・35歳)
  • 母親になって、看護師になりたいという気持ちが芽生えました。子どもたちがもう少し、手がかからないようになったら、学校に通いたい。(東京都・24歳)
  • 趣味の旅行を続ける。(京都府・27歳)

Questionママになってから、5年後、10年後の“なりたい自分”について考えたことがありますか?

※【アンケート回答】ぎゅって読者アンケートより。2019年9/9~10/5実施。有効回答数769

人と比べても意味なし!「遅すぎるかも…」は心配不要

5年後、10年後のなりたい自分を描き、具体的な行動を起こしている人は3割程度。「今は何も描けていない」という人も、焦らなくて大丈夫。「やりたいことが見つからない」という人は、左グラフを参考に、今の自分を知ることから取り掛かってみましょう。
 
何を始めるにも遅すぎることはありません。また、「描く未来の内容やスピードを誰かと比べることは、何より意味がない!」ということも知っていてくださいね。

Let’s try!自分の現状の満足度を確認してみよう

※資料提供:ウェルネスライフサポート研究所

“なりたい自分”と言われても、今は「目の前のことで精一杯」ということもありますよね。まずは、今の自分について、下記の12項目に点数をつけてみて。何に満足していて、何に不満を持っているのかを認識して、解決策を探していきましょう。

「どういう状況になったら、100点満点をつけるか」と考えてみると、なりたい自分が見えてきます。

得意なこと、やりたいことがライフワークにつながる!

“なりたい自分”を考えるときに重要なのは、自分が本当に大切にしたいことや、やりたいことを“自分自身”が理解していることです。

「幸せに働く」「楽しく生きる」ためにぜひやってみてほしいのが、自分の過去・今・未来を棚卸ししてみること。仕事のビジョンだけでなく、趣味や娯楽の楽しみでも構いません。

これらは“可視化すること”がとても大事なので、ノートに書き出してみることをおすすめします。スマホにメモでもOKです!そして、「そうなるためには、今何ができるだろう?」と考えてみましょう。

あなたが描く未来はどんな姿?

Let’s try!自分の過去・今・未来を棚卸ししてみよう

【過去の経験から棚卸し】

  1. これまでの経験を通して身に付いた経験・スキルは?
  2. 今の会社で働いて良かったと思うことは?
  3. ママになったこからこそ、身に付いたスキルや学びは?

【自分の今の思いを確認】

  1. 私がうれしい・楽しいと思えることは?
  2. 私が問題や課題と思っていることは?
  3. 私が憧れる働くママのロールモデルは?

【キャリアを考える】

  1. 私がやりたい活動・仕事は?
  2. 誰に喜んでもらいたい?
  3. どんな存在でいたい?

私の強みは?

3つの円が重なるところが、あなたの使命!

それでも「自分のやりたいことが分からない」という人は自分の強みを探してみて!

「得意なこと(CAN)」「やりたいこと(WANT)」「求められていること(NEED)」をまとめてみると、「あなたのライフワーク(=使命)」が見えてきます。

自分を満たしてあげる気分転換も大事!

Question自分の好きなことや、やりたいことをどのくらい我慢していますか?

ママ自身の心が満たされていないと、子どもや家族、周りの人にも優しく接することは難しいもの。ぜひ自分を満たしてあげること(気分転換)に手を抜かないでください。あまりお金が掛からず、手軽に続けられるものが一つあるといいと思います。

Questionみんなどんな方法で気分転換してる?

  • 泊まりたい宿や行きたい場所について、いろいろ調べること。地図や路線図を見て、行くならどういう行き方をするか、何を食べるか、など計画する。(神奈川県・38歳)
  • 離れたところに暮らしている友人と、2日おきくらいに長文LINE。子どものことや夫のことなど、昔からの仲なので、会えない距離だけど、気楽に話せるのがいい。(千葉県・35歳)
  • 会社の昼休みに少しいいランチをする。(千葉県・28歳)
  • 週末の夜、子どもの就寝後、夫に任せて映画に行く。(東京都・33歳)
  • 子どもを寝かし付けた後に、録りためたドラマを見る。より多くのものを楽しむため、倍速再生、字幕付きで。大好きなホットドリンクと一緒に、至福のひとときを楽しむ。(愛知県・30歳)
  • 夕飯を作りながら、1人晩酌でリフレッシュ。週1回のヨガや子どもが寝た後、マッサージしながらのドラマ鑑賞。(兵庫県・36歳)

人生は期間限定。「自分ならではの幸せ」を見つけてくださいね。

子どもが大きくなるにつれ、自由になる時間は増えていきます。だからこそ、この今の時間も楽しんでほしいとも思います。“幸せな働くママ”ということを考えたとき、“自分ならでは”ということは、とても大事だと思います。

誰かと比べるのではなく、私が何を好きなのか何をしているときがうれしいのかを理解して、本当に大切なものを大切にできる生き方は幸せですよね。“なりたい自分”について、まず自分自身が気付けることが、幸せにつながる道なのです。
 
自分が本当にやりたいことに気付いたら、どんなに忙しくても時間がなくても、動かずにはいられないはず!鉄則は「焦らない・慌てない・諦めない」こと。

人生は期間限定なのだから、とにかくやってみることが大事。そして、壁にぶち当たったら、そのとき考える。走りながら、歩きながら考えましょう。

※この記事は、2019年12月発行の「ぎゅって首都圏版」に掲載した記事を再編集したものです

illustration WAKATA Saki