/ 2017.09.25

子育てに自信のあるママなんて、どこにもいない!家庭教師・塾講師、東大生・早大生を育てた母であり、子育てセミナーを主催する楠本佳子さんに教わる連載コラム「能力をのばす子育て」。16回目は「子どもの習い事事情」について。

近頃の子どもは習い事が多すぎる

最近、良くも悪くもたくさんの情報が入ってきます。この習い事がいいとか、あの習い事をすると頭が良くなるとか話を聞き、いろいろなことをさせているお母さんたちがいます。

ひどい子どもになると1週間毎日、それも1日2つも習い事が入っている場合もあります。

子どもが別に嫌がっていないし、楽しんでいるからいいと思っているかもしれませんが、弊害は何年か後にきます

習い事が多いとどうなる?

ある子どもは、小さい頃毎日スケジュールがいっぱい。充実した日々を送っていたのに、あるとき急に嫌になり全てを辞めてしまったそうです。その中には親から言われて通っていた塾もあれば、自分が好きで通っていたスポーツもあります。

でも、急になにもかも嫌になり全てをやめてしまいました。

彼はその後、自由の素晴らしさを感じたのでしょうか。時間があること、自由であることを満喫し、優秀だったのに自堕落な生活に突入していきました。

幸い中学受験で6年間一貫の学校に合格していたため、高校進学で困ることはありませんでしたが、怠けること6年間。大学受験を考えなくてはいけない頃には全くどうしようもない状況です。

こうなるといくら言っても勉強しない、または自分でも勉強しなくてはいけないと分かっているけど勉強できない。

勉強する忍耐力がありません。

また、そこまで激しくなくても

習い事をいっぱいやっている子どもは、自主性が乏しく感じます。

与えられたものやりこなすけど、自ら考えて何が必要なのか、何をどうすれば良いのか創意工夫しながらすること、試行錯誤を繰り返して発見していく作業がなかなかできません。

「なぜ、その習い事をしていますか?」

お母さん達から相談を受けて、その習い事の多さに驚きます。

そこでお母さんたちに、一つ一つ「何のためにこれは習っているのですか」「将来性はありますか」「いつまで続けますか」と聞いたらしどろもどろ。何も考えていません。

「いいと聞いたから」「みんながやっているから」と答えが返ってきます。

でも、それは第三者の意見であって、お母さんやお父さんが本当に自分の子どものためになるのか、役に立っているのか将来のためになるのか、深く考えていません。

お金と時間の無駄にしかなっていないと思うこともあります。

子どものためでなく、これをやれば大丈夫というお母さんの安心感からだけ、子どもに習い事をさせてはいませんか。

教えてくれたのは

楠本佳子さん

こどもみらい塾(岡山)」塾長。自身の子育てや教育経験を活かし、ママを対象としたセミナーや個別相談も行っている。著作に「12歳までに勉強ぐせをつけるお母さんの習慣」>ホームページはこちら