/ 2020.01.10

先日友人が2人目の子どもを出産しました。ママの入院中の1週間、上の子は日中、保育園の一時保育に通っていたのですが、おばあちゃんがお迎えにいくと、「なんでぼくだけママが来ないの!」と激怒し、ままごとのテーブルをひっくり返したそうです…。

そんな話を聞いて、うちの長男も下の子出産時に、狂暴化したこと思いだし懐かしくなりました。そんな息子もしばらくすると落着き、赤ちゃん返りもなく、4年たった今でも優しいお兄ちゃん。

今回は下の子の出産後、わが家で徹底して行った上の子のケア法についてお伝えします。

出典:あんふぁんWeb

ママと離れた1週間でまるで別人のように狂暴化!

当時3歳で、妹の誕生を楽しみにしていた息子。

帝王切開のため私の入院は1週間。その間息子は私の実家に泊まることになっていました。普段から実家には慣れていたのですが、1番の心配は寝る時間。

息子は産まれた時から私の抱っこでしか眠れず、3歳当時は一緒に横になって「ママ~大好きだよ~」と20回くらいささやいてから眠るという、スーパーマザコンだったのです(笑)。

いよいよ私の入院初日。日中は、実家の大人たちにたくさん遊んでもらい大興奮で、夜はいつもより1時間以上遅くなってしまったものの、なんとか眠ったという連絡が来てひと安心でした。

しかし翌日に娘を出産した日には、夜「眠ったよ」という連絡がなく、翌朝聞いてみると、「夜中じゅう泣いて、朝方眠ったのに、もう起きてる」との連絡が!

実家にパパが駆けつけても「ママがいい~ママに会いたい~」と泣き続けたそうです。

実母は入院中の私を気遣って、「日中は楽しく過ごしてるから大丈夫!」と言ってくれていました。また息子は面会で私に会うと普段通りで、窓越しに妹を見て「かわいい」と言っていました。

病院は実家からすぐ近くなので、毎日のように私や妹に会いに来ると思っていたのですが、実際には数回しか面会に来なかったので不思議に思っていました。あとから聞いた話では、息子が大人の言うことを素直に聞かなくなり、少しの外出も大変だったのだそうです。

退院してみると、息子の変化がはっきりわかりました。

大人に、わけもなく突進したり、物を投げたり、遊びがうまくいかないとイライラして暴れたり…。以前はない行動が見られ、目が腫れてつり上り、顔つきまで違いました。

その後も里帰りの生活でしたが、私が寝かしつけをすると、夜はしっかり眠れるようになりました。睡眠不足が解消され少しずつ暴れることはなくなりましたが、わがままは続きました。

1番困ったのは、ご飯を食べないこと。元々少食で、妹が産まれる前までは、ほめたりおだてたりの声かけでご飯を完食していたのですが、産後は数口食べると遊びだすようになってしまいました。

食事は、実母が息子のために工夫して作ってくれているにも関わらず、ほとんど食べない。それどころか「早く遊ぼう!」と大人の食事の時間をジャマするのです。

常に「かまって」状態で、大人みんなが息子に振りまわされ、ヘトヘトに。実母に至っては数週間で3キロ痩せるほど!

これではまずいと思い、早めに実家から自宅に戻り、息子のケアを徹底して行うことにしました。

 

ケア方法1 まずはわがままを全部受け止める

息子はもともと、いいこと・悪いことといった「生活のルール」はわかっている子でした。今はそれを守る心の余裕がないだけ。そう考えた私は、息子が満足するまでわがままをさせることにしました。

テーブルからジャンプしても、布団をぐちゃぐちゃにして遊んでも、ケガしなければOK!

ご飯は残されてもイラっとしないよう、あえて頑張って作らず簡単なものを。そして少ししか食べなくてもいいように、おやつに栄養がとれる物を用意しておきました。

遊ぼうと言われればできる限り対応しました。…といっても、私は時々相槌をうつだけ。赤ちゃんの世話をしながらでも、横になりながらでもできるのでラクにできます。

この時期、息子にとっては「無理」「ダメ」と拒否されないことがなにより大事と思って対応していました。

「赤ちゃんが産まれても、あなたが大切で優先にしたいと思っている」と伝えるために、赤ちゃんの世話で息子の要求を断る時は、「今オムツを替えてくるけどいい?」「ミルク飲ませる間だけ待ってくれないかな」と何をするのか具体的に伝えたり、「待っていてくれてありがとう」「優しいお兄ちゃんでよかった」と大げさなほどほめました。

ケア方法2 ヒマな時間を与えない

もうつとつ心がけたのは、遊びを充実させて、モヤモヤした気持ちを発散させること。

当時ハマっていたブロックを買い足したり、空き箱でキャラクターになりきる剣を作ったり、新しい物で気を引きました。真夏でしたが比較的涼しい朝や夕方には、息子のお気に入りの公園へ。夫が休みの日はパパと息子2人で午前も午後も公園で虫とりを。

また散らかった家でも呼べる親しい友人や親戚にはどんどん来てもらい、息子と思いっきり遊んでもらいました。近所のお友達の家に息子だけ遊びに行かせてもらうこともありました。

それでも時間が余ってしまう時は、夫にDVDを借りてきてもらい見せていました。

産後の大変な時期でしたが、いろいろなものを駆使して、いろいろな人に頼って、息子にとって楽しい時間を増やすようにしました。

受け止めてもらう経験を経て、優しいお兄ちゃんに成長!

毎日こうしたケアを必死に続けていくと、1か月過ぎる頃には以前のような息子に戻り、自分が「悪い」とわかっていることはしなくなりました。

ある日、息子がテーブルからジャンプして遊ぶのをやめ、「テーブルってご飯を食べるところだよね、ジャンプは公園でするんだよね」と自分から言ってきました。

私は「この子はもう乗り越えたんだな」と感じ、涙がでそうになるほど嬉しかったことを覚えています。

その後も、少し不安定になったり、戻ったりを繰り返しながらも、妹のことはとてもかわいがり、お世話を手伝ってくれる頼もしいお兄ちゃんになっていきました。

今まで一緒だったママと離れて過ごし、急にママのそばに小さなかわいいライバルがやってくる。下の子の出産は上の子にとって試練でもあります。

簡単には受け入れられず、心がぐちゃぐちゃになってしまい、今までできていたことができなくなったり、わがままになってしまうことがあります。そうなった時は1度じっくり受け止めてあげて、心がもとに戻ったらまた約束を確認していけばいいのだと思います。

「小さい子には優しくしなさい」と言葉で教えても子どもには届きません。まわりから優しくしてもらうことで満たされ、自分も人に優しくすることができます。

産後はママも自分や赤ちゃんのことで精いっぱいになってしまいがちですが、上の子にも気を配ってこの時期を乗り越えると、下の子に優しくできる子になり、その後はぐっとラクになると思います。

<文・写真:ライター nicoai>