/ 2020.08.06

働きながら子育てをしていると、子どもとの時間が足りているのかな?と心配になることも。働くママが子どもと関わる上で困っていることを、大日向雅美先生に聞きました。

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お話を聞いたのは

大日向雅美先生

恵泉女学園大学学長。専門は発達心理学。港区の子育てひろば「あい・ぽーと」施設長。 NHK「すくすく子育て」に専門家として出演するなど、子育て中のママを支援

均等のコミュニケーションが難しい

きょうだいがいて、均等にコミュニケーションを取るのが難しい(1歳・5歳のママ)

Answer一人ずつが“特別”を実感できる一瞬を作ろう

子どもは“特別な愛”を求めている存在です。自分のことを認めてくれて、特別に目をかけてくれているときがある、と思わせることが大切。そのためには比べ合い叱りはもちろんですが、比べ合い褒めもNG。どちらも個別にしましょう。一度にかわいがろう、と思わないで。一人ずつが“特別”を実感できる一瞬を作りましょう。ケンカのときは、それぞれに言い分があるはずなので、親は裁くのではなく、見守りましょう。

ウソ?本当?分からなくなる

ウソをついているのか本当の話か、境目が分からない(1歳・3歳のママ)

Answer共感し寄り添ってあげて

4~5歳頃になると抽象的なイメージができるようになります。例えば「お空にソフトクリームがあるよ」と言われても、「違うよ」と否定するのではなく「おいしそう」「おもしろいね」などと共感し、寄り添うことが大切です。

何をしても泣き止まない

まだしゃべれないので、何をしても泣き止まないとき困ります(0歳のママ)

Answerまずは心を込めて抱っこを

言葉が通じない年齢だからこそ、寄り添うことが大切。まずは心を込めて抱っこしてあげましょう。体の不調などがないことが確認できたら、無理に泣き止ませようとせず、そっと見守ることも時には必要です。

何度言っても同じことを繰り替えす

何度言っても覚えてくれない、やめてくれないことがあると、つい怒ってしまう(0歳・3歳のママ)

Answer“Iメッセージ”で語り掛けて

3歳は相手の気持ちや状況をまだ十分に想像できません。「アナタは何でできないの!」という“Youメッセ ージ”ではなく、「お母さんはこう思っている」「こうしてほしい」という“Iメッセージ”で語り掛けることが大切。そうすると子どもが相手の気持ちに気付き、自己中心的な世界から抜け出し始めるのです。

大切なのは「与えること」ではなく「奪わないこと」

子どもは流れで生きています。その流れを途絶えさせず、その中に親がどうアクセスできるかがポイント。子どもとの時間が少ないからと言って心配しなくても大丈夫。親が与えられるものって少ないんです。大切なのは「何を与えるか」ではなく「何を奪わないか」。先回りして子どもの楽しみを奪うのではなく、子どもをよく見て、どんな子なのか、何が好きなのかを感じて、子どもの発するものに応える関わりを大切にしましょう。

みんなの親子時間の「作り方」&「楽しみ方」

  • 土日に時間を作りたいので、掃除などの家事はできるだけ平日にやる(2歳、4歳、小学生のママ)
  • 寝る前はママ貸切タイム。長女と1日の出来事を振り返ります。寝る前に必ずママの宝物と言い聞かせてから寝ています(1歳・4歳のママ)
  • 休日は家事を一緒に手伝ってもらい、お菓子とお茶を用意してティータイムを楽しみます。レジャーシートを敷いてピクニック風にすることも!(5歳、小・中学生のママ)
  • 遅くなった日の夕飯はレトルトで良しとして子どもの「遊んで~」に対応できる時間を作っている(1歳、4歳のママ)
  • ママは19:00-21:00はスマホ禁止!(5歳、小学生ママ)
  • 保育園まで自転車で10分ですが、たまには自転車に乗らず時間をかけて歩く。手をつないで歩いていると保育園での出来事を話してくれます。(4歳のママ)

※この記事は、2020年2月発行の「ぎゅってspring号」に掲載した記事を再編集したものです

illustration nanako