/ 2020.02.17

東大脳育成コーチ谷亜由未の子どもを伸ばす親力強化レッスン

節分、立春と過ぎ、まだしばらく寒い日が続くとはいうものの、春はもうすぐですね。

四季のある日本に住んで季節ごとの移ろいを楽しめているおかげで、日本人には奥行きを感じとる感性が育っているように思います。

その言葉はどこでインプットされたのかを観察する

さて今月は、「言葉遣いが悪い」お子さんの場合のレッスンです。

お子さんが悪い言葉、汚い言葉を使う原因は、

1. 悪い言葉をインプットされた

2. 使うこと自体にメリットを感じている

3. 使うことで返ってくる反応がうれしい   ということだと思われます。

1.について、生まれたばかりの赤ちゃんがいきなり悪い言葉を使いませんから、当たり前ですが、どこかでその言葉がお子さんにインプットされた結果ですよね。

お子さんが使うその言葉は、どこでインプットされたものなのかを観察してみましょう。もしかしたら家庭の中で、無意識に使ってしまっている言葉かもしれません。その場合は家族の言葉遣いを見直すことです。

テレビやネットの動画で覚えたようであれば、なるべくそういう番組、動画は見せないようにすることです。

そうはいっても防ぎきれるものでもなく、また、幼稚園や学校でお友達が使っているから、という場合も多いでしょう。

その場合は2.について考えてみます。お子さん自身がその言葉を使うことをどう感じているのか、どう捉えているのか、です。

人間はデメリットを避け、メリットを選びますから、その言葉を使うことがお子さんにとってはメリットと感じたのでしょう。

たとえば、カッコいいと思う、友達と同じ言葉を使うことで仲間意識が強まるなどでしょうか?

こんな場合を踏まえて、まずは頭ごなしに叱る前に、「どうしてその言葉を使うの?その言葉を使うと、どういう気持ちになるの?」と一度聞いてみてはいかがでしょうか?

そして何か答えてくれたとしたら、「へええ、そうなんだ」と受け止めた後、「おかあさんはその言葉、聞きたくない。その言葉を聞くと、気分が悪くなる。あなたがそんな言葉を使っているのはとても悲しい」と伝えてみましょう。

ポイントは、「極めて冷静に」です。

質問の後、答えてくれない場合やはぐらかした場合も伝える言葉、伝え方は同じです。

3.にもつながることですが、汚い言葉を使った時に、まわりがキャーキャー騒いだり、親が怒ることすら、その過剰な反応を楽しんでいる場合もあります。

ですから、子どもにとって拍子抜けな、極めて冷静な態度で、理由を聞いてみる、ただそうなんだ、と受け入れるという反応をしてみるのです。

その上で、引き続き冷静に、「その言葉を使うことが悪い」という言い方ではなく、「自分が聞きたくない」というIメッセージではっきりと伝えます。

「そんな言葉使っちゃダメ!」と怒るよりもずっと、子どもの心に響くはずです。

子ども自身のストレスが原因の場合は要注意

出典:あんふぁんWeb

もうひとつ考えられるのは、汚い言葉を使うことで、子ども自身がストレスを解消している場合です。お子さんに晴らしたいうっぷんがたまっていないでしょうか?

お友達との関係で嫌なことがあるとか、習い事が多すぎて負担になっているとか、親に対して不満が募っているとか、夫婦げんかを頻繁に見せられているとか、家庭が安心できない状態になっている、とかです。

実はこの理由が一番問題で、後々にも何か影響を及ぼしかねません。今のお子さんの状況、家庭の状況をよくよく俯瞰してみて、改善点がないかを考えてみてください。

親力強化レッスンの4つのポイント

「言葉遣いが悪い」お子さんの場合のレッスンは、

1. 悪い言葉がインプットされる環境をなるべく取り除く

2. 悪い言葉をなぜ使っているのかを尋ねてみる

3. 悪い言葉を使うのがよくない、ではなく、1メッセージで聞きたくない、と冷静に伝える

4. ストレスが溜まっていないか、状況、環境を俯瞰して改善点を探す

です。

 

実は私も小学生のころ、言葉遣いが悪く、5、6年生の時には自分のことを「ボク」と呼んでいました。その頃は「ボク」の方がしっくりする感じだったのです(笑)。

もちろん中学校以降は普通に「私」に戻りましたが、いまだに興奮するとちょっと言葉遣いが男っぽく汚くなります(汗)。

言葉遣いは品格を表しますので、コラムを書きながら、私自身も「上品な言葉が似合う私」というセルフイメージを作りたいと思いました(ホントにそう思っている??いやー、疑わしい…笑)。

出典:あんふぁんWeb
出典:あんふぁんWeb

谷 亜由未

プレシャス・マミー メンターコーチ

株式会社プレシャス・マミー 代表取締役。1児の母。

名古屋市立女子短期大学卒業後、富士通株式会社に勤務。26歳で出産、3年間の専業主婦の後、仕事に復帰。自宅にて学習教室の運営などを経た後、2006年6月、41歳で人と組織の活性化をサポートする株式会社ミュゼを設立。コーチング、インプロを使った企業研修の他、PTAセミナー や子育て講座で数多く講演。ひとり息子が塾なし、すべり止めなしで東京大学理科Ⅱ類1本受験で現役合格したのを機に、子育てのノウハウとコーチングをミックスしたプログラムを確立。2010年3月にママであることがキャリアになる日本を目指した株式会社プレシャス・マミーを設立。東京、大阪、名古屋にて、コーチ養成講座、トレーナー養成講座を開講。全国に認定プレシャス・マミーコーチ、トレーナーを生み出す活動をしている。現在は認定トレーナーたちが講座を引き継ぎ開講中。

認定トレーナーたちが講座を引き継ぎ開講中。2014年に開始したeラーニングも好評。3年間で300名の受講生を生み出している。2015年夏からは、逗子のリゾート地にて、ママの人生をきらめかせる講座を開講中。ママたちが楽しみながら自分を磨ける楽しいイベント、セミナーを随時企画している。またわかりやすく楽しい講演も人気があり、日本のみならず、海外でも積極的に講演を行う。