/ 2020.02.21

小学校入学まであと少し。新入学生説明会が行われ、入学までの準備についての説明を受けた人も多いのではないでしょうか。

私は元小学校教諭だったので、この時期になるとよく聞かれるのが、「勉強は、先取りしておいた方がいいの?」「ひらがなって全部書けないといけないのかな?」という質問。

小学校1年生の担任をした経験から、感じたことをお伝えします。

出典:あんふぁんWeb

意外とスピーディーな国語・算数の進み方

小学1年生はまだなにも学習していないことを前提に、国語はひらがなの読み書きから、算数は数字の読み書きや1.2.3と数を数えるところから勉強がスタートします。

なので、家では何も勉強していなくて…というお子さんでも大丈夫。

とはいえ、国語は、1学期に50字のひらがなの学習が行われ、2学期はカタカナと漢字が同時進行するという感じで、わりとスピーディーに進みます。

文字以外にも助詞の使い方、文章の読み取り、人前で話す練習と話す内容を考える「スピーチ」についてなどを学ぶので、学習内容は盛りだくさん。

算数は、数の数え方から始めますが、すぐに足し算・引き算の学習に入り、1学期には繰り上がりの足し算、繰り下がりの引き算に進むなど、こちらも進みは早めです。

この進み具合を考えると、できれば入学前に準備しておいた方が、自信をもって学習に取り組めたり、スムーズに進めたりできるのではないかと思います。

では、どんなことに取り組んでおくのがいいでしょうか。

国語:ひらがなは読んで書けるとベスト

文字に興味を持つタイミングは個人差があります。

特になにもしていなかったけれど、気づいたらあらかた読めていたということも多いです。

読むことになかなか興味を示さなくて…というときには、遊びながら触れていくのがオススメです。わが家の子どもたちは、かるたや音の出るおもちゃで覚えました。

出典:あんふぁんWeb

書くことに興味を持ったら、ワークを買ったり、無料でダウンロードできるプリントを使うのもいいですね。そのときに注意したいのが書き順です。

保護者に話を聞くと「正しく書けていれば、書き順なんて気にしなくていいでしょ」という人もいれば、「正しく書くよう言ってもなかなか素直に聞いてくれなくて」という人もいました。

書き順は文字を一番キレイにスムーズに書くための順番です。漢字学習にもつながっていきますので、正しく書く習慣をつけたいところ。

ただ、書くたびに「そうじゃない、間違っている」といちいち言われていては子どもたちも楽しくないですね。

正しい書き順で書けるようにするには

まずは文字を書くときには書く順番があることを伝えます。

「こうやって書くのが小学生の書き方なんだよ」「順番通りに書くときれいに書けるんだよ」

などと、声をかけて盛り上げながらできるといいですね。ワークやプリントには数字や色で書き順が示してあったりします。

一緒に、「どこが1番かな?どこから書くのかな?」と確認したり、「ここは横に」「これはまっすぐおろすんだよ」など、正しく書けるよう声をかけてあげると、楽しんで書き順を身につけることができます。

書き順通りにかけたら◎をつけてあげたり、特別きれいに書けたら花丸を描いてあげたりすると、子どもが喜んで取り組みますよ。

正しい書き順である程度書けるようになっておくと、余裕をもってその他の学習にも取り組んでいけると思います。

算数:数・形・時計、身近にあるものにたくさん触れあって

1年生の算数で大切なのは実体験です。数を数えてみたり、比べてみたり、並べてみたり…がたくさんできるといいのですが、授業の中だけではなかなか時間が取れません。

できれば、毎日の生活の中で、実際に手を動かして数えたり、比べたりといった機会が多くもてるといいですね。

食卓に並んだミニトマトの数を数える、お兄ちゃんと弟のイチゴの数を比べて同じにしてもらう、など工夫次第でいろいろなことができると思います。

時計と図形に触れる機会を多く作る

経験の差が出るのが時計と図形です。

家にアナログ時計があればいいのですが、最近はスマートフォンが時計代わりの家庭やデジタル時計しかない家庭も多いようです。

できれば、アナログの時計を見る機会を増やしてください。

最近は100円ショップでアナログ時計を購入することもできますし、自分専用のお気に入りの目覚まし時計や腕時計を準備してあげると、喜んで見る機会も増えると思います。

図形で差が出るのが、四角形を三角形に分けていく問題です。何も考えずにすっとできる子もいる一方、何度説明しても頭にハテナがたくさん出ている子もいます。

市販のモザイクパズルやタングラムを利用するのもいいですが、おりがみやマグネットで形遊びをするのもオススメです。

四角や三角をたくさん作って自由に形遊びをするだけで、図形を身近に感じることができるようになると思います。

出典:あんふぁんWeb

小学校生活は、それまでの毎日とはガラリと変わって、授業中心、勉強中心の生活です。

何にでも前向きに挑戦できる子、慎重になる子、いろいろな子がいますが、「あ、これ知ってる!」「これならできるよ」が多い子の方が余裕をもって学校を楽しんでいるように感じました。

入学前に少しずつ知っていることや見たことがあることを増やしておくと、心に余裕ができ、「勉強って楽しい!だから学校が楽しい!」と感じられるのではないかなと思います。

ワークやドリルで勉強の先取りを…というよりは、親子で楽しみながら、国語や算数につながる学びの機会をたくさんつくりましょう。

何かしておいたほうがいいのかな?と思っているママやパパは参考にしてみてくださいね。

<文・写真:ライター HIDE>