/ 2020.03.02

あなたの家庭で使っているフライパンは、フッ素樹脂加工のものですか?

「フッ素樹脂加工のものは、油も少なくてすむからヘルシーでお手入れもラク。鉄のフライパンってプロが使うものでしょ。お手入れが大変そうだし」。私はそう思っていました。

でも、あるきっかけで鉄フライパンを使い始めてみて、実はそうではないということに気づいたのです。

出典:あんふぁんWeb

鉄フライパン、なんでそんなに長持ちするの?

わが家では長年、こびりつかないし、お手入れもラクだと思い、フッ素樹脂加工のフライパンを使ってきました。

でも、フッ素樹脂加工のフライパンって寿命が短くないですか? 

表面のフッ素樹脂がダメになったら、買い替えないといけないですよね。わが家でも、そろそろ買い替え時期だなと思っていた時に、ふと、「実家(私の母)のフライパンは、私が子どもの時からずっと同じのを使っている」ということに気がついたのです。

そこでいろいろと調べた上で、鉄フライパンを購入しました。

この時点では、私は鉄フライパンの魅力はわかっていなかったと思います。ただ長く使えるなら多少高くてもいいかなと、その程度の認識でした。

それでも、これまでのように数年でバイバイするものとは違い、このフライパンとは一生つきあっていくぞという気持ちがあり、ちょっとうれしく思いながら使っていました。

「鉄フライパンの会」に参加してみて、目からうろこ!

ある時、キッチン雑貨を扱うお店(すまいの雑貨店sumao)で、「鉄フライパンの会」というものがあるという情報を入手しました。

店主が、鉄フライパンを買いに来られた方の質問に答えたり、実際に使っている方からの不安や質問を聞いているうちに、鉄フライパンについて、もっと情報をわかりやすく伝えたいと企画されたものでした。

鉄フライパンを買ったものの、その良さをイマイチ実感できずにいた私も、その会に参加することにしました。

出典:あんふぁんWeb

こんなにもおいしいの!?

その会では、鉄フライパンとフッ素樹脂加工のフライパンと全く同じ材料、同じ作り方で餃子とトマトソースを作り、食べ比べました。

え?味が違う!

食べる前から、「きっと鉄フライパンで作った方がおいしいのよね」と思っていました(そういう企画ですからね)。

でも、こんなに違う? パリッと焼けるとかそういう表面的な違いではなく、トマトソースは甘味が出るというか、味が違うのです。これには正直驚きました。

今まで、自宅では食べ比べたことはなかったので気づかなかったのですが、そのときの味の違いにビックリしました。

使い方が難しいのではなく、使い方を知らなかっただけ!

鉄フライパンは「焦げる」と思っていませんか?

私も使いながら、こびりつく感じをどうしたらいいのかと思っていたのですが、油をしっかりなじませて、全体に熱が行き渡ってから食材を入れること、焼けるまで混ぜない・動かさないようにしただけで、まったく使い勝手が変わりました。

使い方をきちんと知ると、私にとって思った以上に使い勝手のいい道具に変身したのです。

家でも試して、子ども達が食べ比べ!

sumao店主のはまやさんが言うには、シンプル料理の方が味の違いがよくわかるということだったので、家でもフッ素樹脂加工のフライパンと鉄フライパンで、キャベツ炒めを作ってみました。

味つけは塩オンリー。わが家の子どもたちに食べ比べてもらいました。すると、明らかに味の違いがわかった様子。

子どもの正直な感想を聞くと、フッ素樹脂加工の方は「ベチャベチャ」、鉄は「焦げたのがおいしい」「塩がおいしい」と。うちの子は割と焦げた部分には敏感で、普段は嫌がるのですが、そこがおいしいと。

強火で調理できるので、野菜の水分がうまく跳ぶようです。もちろん、塩は同じものを使いました。

子どもが大好きなホットケーキも違いがわかりやすいそうです。

おいしさの違いは鉄分にも!

味の違いは火力や水分だけでなく、鉄分が入ることにも影響されるようです。

そう、鉄フライパンを使うと鉄分が取れるの?という素朴な疑問。

フライパンの鉄分が溶けだし、わずかではありますが料理に鉄分が入ります。それが味に深みを出してくれて、おいしく感じるのだそうです。

意外にも時短につながる鉄フライパン調理

そして何より、子育て中のママやパパは、手早く料理を済ませたいという思いも大きいのではないでしょうか。そんなみなさんにとって、鉄フライパンは「ちょっと面倒」なイメージで敬遠してしまうかもしれませんね。

でも、きちんとした使い方を知ると、意外や意外!時短料理につながるのです。

「混ぜない」から時短

鉄フライパンは、基本的に火を入れながらあまり混ぜません。適当に火が通ったところで、食材を裏返すだけなのです。

野菜炒めのようなものでも、ある程度火が通ったら火の通っていない部分を下に持っていく、裏返すイメージで軽く混ぜる、その程度です。

なので、フライパンを火にかけている間、ずっと揺すっていたりする必要がなく、横でほほかの食材を切ったり、もう1品作るということができるのです。

「強火力」で時短

強い火力での調理が可能なので、食材への火の通りが早く、調理時間が短くてすみます。

「オーブン使い」で時短

オーブンに入るサイズの柄の短いタイプや両手鍋型を使えば、ハンバーグなど表面だけ直火で焼いてあとはオーブンにそのまま入れるという使い方もおすすめだそう。

「鉄フライパンの会」で教えてもらい、近々わが家でも導入したいと思っています。

鉄フライパンで私が気をつけていること

鉄フライパンのお手入れとして私がやっていることは、使った後洗剤を使わずにたわしで洗って、火にかけて乾燥させること。

使用する時に気をつけているのは、しっかりフライパンと油に火が通ってから材料を入れること、むやみに混ぜないことの2点です。

本来ならば、使用後は油を塗る、という工程があるのですが、わが家ではほぼ毎日登場するので、今では油も馴染んでいるよう。使用後に油を塗ってはいませんが、特に問題なく使えています。

鉄フライパン、そんなに面倒ではないと思いませんか? 忙しいママやパパにおすすめです!

■すまいの雑貨店sumao https://sumao.info/

<文・写真:ライター 鳥居由紀>