/ 2020.03.13

糖質制限ダイエットの流行によって、カロリーより糖質を気にする人も増えてきたのではないでしょうか。しかし、糖質は「やみくもに制限すればいいわけではない」と管理栄養士の篠原絵里佳さんは言います。糖質の上手な摂り方と、コンビニ食品でもできるダイエット方法とは?

出典:リビングWeb

過度な糖質制限には弊害も

糖質制限(糖質オフ、糖質カット、ロカボなど)によるダイエットがブームになり、「糖質=太る、よくない」というイメージが広がっています。しかし管理栄養士の篠原さんによれば、「糖質は生きていくうえで必要なもの」。

たしかに糖質を摂りすぎると脂肪となって体に蓄積されますが、少なすぎると本来、体を作るために必要なタンパク質を代わりに消費しはじめます。

過度な糖質制限を行った結果タンパク質不足になり、貧血や筋肉量の減少、肌荒れや爪割れ、髪の毛が痩せる、免疫力が落ちて風邪にかかりやすくなる、太りやすくなるといった弊害が起こる人も少なくないとか。

重要なのは、ただ制限するのではなく、「適正な量」の「良質な糖質」を上手に摂取することです。

糖質のなかでも主食にあたる白米や白パン、パスタやいも類などの「多糖類」は、分解に時間がかかるため吸収が遅く、血糖値の上昇は緩やかです。一方、砂糖や果物に含まれる「糖類」(単糖類、二糖類)は吸収が早いので血糖値が急激に上がりやすく、肥満や生活習慣病の原因につながります。

つまり、主食にあたる白米やパンを適度に食べるのは問題ないということ。ごはんやパンが大好きでやめられない!という人も、次のルールを守れば安心して食べられます。

食事の最初は野菜から!「食物繊維 5分前ルール」

続いて、糖質の上手な摂り方です。篠原さんが提案する食べ方のルールは2つ。

1つは「食物繊維 5分前ルール」です。

食事のはじめに食物繊維を摂取すると胃から腸への流れがゆっくりになり血糖値の急上昇が抑えられます。また腸で糖が吸収されるときにフィルターのような役割を果たしてくれます。

食べ順ダイエットなどで「野菜から先に食べるといい」とされているのを聞いたことがある人も多いでしょう。

こうした効果は、だいたい食物繊維を摂取してから約5分後にあらわれます。主食やメイン料理は、野菜や海藻、きのこ類を食べてから5分後に食べはじめましょう。サラダなど食物繊維を含んだ料理がないときは、食物繊維入りの機能性ドリンクでも代用可能です。

「タンパク質ファースト」で栄養バランスを整え、代謝をUP

2つ目は、タンパク質を優先でメニューを考える「タンパク質ファースト」です。

タンパク質を多く含む食材は肉、魚介、大豆、牛乳、チーズ、卵など。1回の食事ごとに、自分の手のひら大以上の量の摂取を目標にしましょう。

タンパク質をたくさん摂ることで、糖質、タンパク質、脂質のエネルギーバランスが整います。ダイエットではカロリーや糖質、脂質などに目がいきがちですが、摂取する栄養素に偏りがあると代謝が滞り、あまり食べていないのに太りやすい体になってしまいます。

またタンパク質には糖質を燃やすビタミン、ミネラルが豊富に含まれているので、代謝に必要な酵素を作る働きも高まります。

しっかり食べて栄養バランスを整えることでエネルギーがしっかり使われ、代謝が上がります。

コンビニ食品でできる!おすすめメニューの選び方

具体的にどんな食事をすればいいのか、篠原さんがコンビニ食品でもできるメニューの選び方を教えてくれました。

おにぎりなら、鮭がおすすめ。ツナマヨや明太子、納豆巻きなどもいいですね。

パスタなら、卵と牛乳、ベーコンを使ったカルボナーラをチョイス。ミートソースやボンゴレもお肉や魚介類を摂取できるのでおすすめです。

サラダなら、ツナやサラダチキン、ゆで卵、豆腐などが入ったサラダを選ぶといいでしょう。

こうしてタンパク質を優先したメニューを選んだら、まずはサラダなど食物繊維が豊富なメニューから食べはじめ、5分くらい経ったところで主食や副菜に移ります。

出典:リビングWeb

サンドイッチなら、ハムや卵などのタンパク質が豊富なものを。さらにサラダチキンでタンパク質を補います。

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こちらは蕎麦のお弁当。豆や鶏肉の入ったサラダに、フライドチキンでタンパク質を加えています。

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やみくもな糖質制限ではなく、正しい栄養の知識にもとづいた“糖質対策”なら、無理せず続けやすいのではないでしょうか。おいしく食べながら健康にダイエットしたい人は、ぜひ実践してみてくださいね。

(ライター/秋山悠紀)

※本記事は2020年2月26日に行われた伊右衛門サロン「おいしい糖質対策メニュー」発表会の内容をもとに構成しています。