「時間を効率的に使える人、時間の使い方が上手な人は仕事ができる」と言われますが、それは家事だって、子どもの学習だって同じこと。こま切れ時間を活用して音読できる「ウィスパーフォン」で語学力アップ。合わせて作り方も紹介します。

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毎日20分読書の大切さ

子どもは読書を通じて文脈から言葉や単語も学ぶため、読書をした量で子どもの学力に差が出てくるとも言われています。アメリカでも低年齢からの本読みはとても重要なことと考えられていて、小学校でも力を入れて毎日取り組んでいることのひとつです。

学年頭には担任の先生からこんなお手紙が例年配布される。Nagy and Herman(1987)

学校、家庭、子ども、地域ががっちりタックルを組んで読書、読書、読書!

現在小学校低学年の息子、学校がある日は、毎日20分の音読の宿題が出ているのですが、家庭でだけでなく、学校でもたくさんの本を読んでいるようです。教室の中には本棚がいくつもあって、カーペットに寝転んだり、ソファーに腰かけたりして本を読むのがアメリカらしい!

また、高学年の生徒が低学年の教室へ来て本を読んでくれたり、高校生や地域の人がボランティアで小学校に来てくれ、本を読んでくれたりもするそう。それから子どもたちが本にもっと興味を持てるよう、年に一度、有名な絵本作家を学校に招いてお話を聞くというイベントもあります。

オンライン本を活用しての家での読書も先生から推奨されています

また、学校ではリーディングテストが頻繁に行われ、成果を遂次確認。テストの結果は、定期的に先生から保護者へ、改善提案と共に書類で渡されます。親は書類の内容を確認し「読解力向上のために家庭ではこれを実行します」という“約束”を3つ、子どもと話し合って決めて記入し、最後に署名をして先生に戻すのです。

英語の言語能力ゼロだった息子の例

4歳でアメリカに来たときの息子は、英語を一切学習したことはなく、英語という言語の能力はゼロという状態でした。5歳児クラスのキンダーでは、ESOLクラス(母国語が英語ではない子どもたちのための特別クラス)に週に数時間、通常のクラスを抜けて参加していました。

そんな息子でしたが、翌年、1年生(1st Grade)になると、読書にとても力を入れる先生が担任になり、毎日20分の読書が宿題で出るようになりました。慣れないうちは親も子も大変でしたが、習慣づけていくうちに、単語力、読解力がぐんぐんついていき、大きな差が結果としても出てきたのです。

この年は、年に3回、大きなリーディングテスト*を受けました。5月頭に受けた学年最後のテストの結果は、なんと全国で上位5%以内という成績で「えっ、ほんと??(見間違えか??)」と、一瞬目を疑ったほど。学年の途中、1月に受けた時は全国で上位12%以内という結果だったから、毎日の読書の積み重ねでみるみる成績があがったのがよくわかります。

ちなみに全国で上位5%以内の成績とは、3年生(3rd Grade)の生徒が新学年始まって4カ月目くらいのレベルと同じ読解力なのだそうです。

*「STAR Reader test」という読解力のスキルレベルを調べるテスト(コンピュータで受験、Renaissance Learning社が提供)

こま切れ時間とウィスパーフォンのすすめ

毎日のちょっとした時間を活用できるかできないかで、子どもの単語力、読解力に差がつくということわかっていても、静かで集中できる環境や20分のまとまった時間をとれるかというと、必ずしも毎日はそうとは限らないもの。そうするとこま切れ時間を活用することになるわけです。

そんな時におすすめなのが、「ウィスパーフォン(whisper phone)」。自家用車の中でも、電車・バスなどの公共交通機関の中でも周りに迷惑かけず、静かに音読トレーニングができるのです。

実はこれ、アメリカの現地校でも実際に使われている昔ながらの教育ツールなんです

ウィスパーフォンを使うメリット

ウィスパーフォンを使うことで、子どもたちが

正しい単語の発音を学びやすくする

文章を読んで記憶したりする場面で、理解力や集中力のアップに役立つ

のだそう。

ウィスパーフォンの使い方

使い方は、いたってシンプル。電話の受話器のようにして使う、ただそれだけ。そう、ただそれだけの道具なのですが、使ってみるとすごい!自分の声を聴いて、実際に自分がどういう発音をしているのか、嫌っていうほど、はっきりと知ることができるのです。例えるなら、5倍拡大鏡で自分の素肌を見た時と同じ感覚!

シンプルなチューブになっているので、片方の口側から静かに話すと、もう一方の耳にあてた側から自分の声をはっきりと聞くことができる

ウィスパーフォンの作り方

材料は特別なものではなく、ホームセンターで売っている家の配管などのパイプを切って組み合わせるだけ。

安くて簡単にできるDIY!

まとめ

忙しい毎日の中、コツコツとっていうのはなかなか難しいもの。だけど中長期的には大きな成果につながるんだと信じて、毎日のちょっとした時間を見逃さず、便利ツールがあるならそれを大いに活用しつつ、日々の努力を積み重ねて行きたいものですね。

この記事を書いたライター

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大河内えりなさん

夫・娘9歳・息子7歳。小さい頃からずーっと転勤族。高知、千葉、札幌、神奈川、イギリス、再び神奈川。名古屋、タイ、東京、千葉、次はアメリカへ!

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