2020.04.15 / 2020.04.17
こんにちは。谷亜由未です。
3月までは、毎月のコラム「子どもを伸ばす親力強化レッスン」の中で、ママたちの悩みに対して、強化するポイントを紹介していましたが、4月からは新しく、「子どもの可能性を引き出し、能力を生かすための子育て」をテーマに書かせていただきます。
これからも引き続き、お読みいただけると嬉しいです。
できれば頭のいい子に育ってほしい。低学年からできることは?
さて新年度1本目は、「できれば頭のいい子に育ってほしい。低学年からできることは?」という質問にお答えしてみます。
まずは、「頭がいい」という言葉からイメージするのは、具体的にどういうことでしょうか? 学校の通知表の成績がいいことでしょうか? 名の知れた一流の大学に入れるような学力があることでしょうか?
逆に頭が悪いというのはどういうことでしょう?
すでにお気づきかと思いますが、これからの時代、教科書に書いてあることをどんなによく知っていても、たいして役には立ちません。
なぜなら、すでに正解があることは検索すれば出てきますし、正しいことをする、間違いをしない、というのはAIが得意な分野だからです。
ではこれからの子どもたちに養いたい頭のよさは何かというと、創造力、ひらめき力、直観力、想像力、コミュニケーション能力など、外側に答えがないものを自分の中から引き出して、それを現実世界に創り出していく力です。
言い換えると、自分の中に湧き起こる不確かなアイデアを、勇気を持って行動し、検証しながら現実化していく力、とでもいうのでしょうか。
それに加えて、自分にとって何が大切なのか、自分が本当に好きなこと、価値があることは何なのか、ということをわかっている子が、シアワセに生きる力を持っている「頭のいい子」と言えるかもしれません。
ということで、もしあなたが「頭のいい子」の定義を自分が育ってきた当時の「頭のいい子」と同じで捉えているとしたら、まずそれを変えた方がいいでしょう。
子どもの興味関心を徹底的に観察しましょう
その上で、本当に頭のいい子を育てるには、実は6歳までが重要で、すでに土台を作る時期はそろそろ終わりです(笑)。
ただ人間の能力は限界を作った時点でそれが限界になりますから、小学校低学年からでも十分にやれることはあります。
ではお子さんが小学校1、2年生だとして、何をやればいいのかというと、それはお子さんの興味関心を持っていること、得意なこと、集中していることは何かを徹底的によく観察することです。そしてそのことをたっぷりやらせてあげることです。
それが学校の教科や成績に結びつくかどうか、それはこの時点ではどちらでもいいことです。それよりも、その興味関心と得意なことを集中してやっているその時に、どんな力を使っているのかを考えてみてください。
例えば電車が大好きだとしたら、電車のことを調べる力、時刻表を見て計画を立てる力、駅や電車の名前(漢字含め)を記憶する力、電車好きの人と臆せず話せる力などです。
一見役に立たなさそうな「電車好き」も、実は生きるために必要な力をたっぷりと使っています。そして、電車を通じて国語、算数、理科、社会に通じる要素がしっかりあるので、そういうところを親が見つけて話題にしたり、一緒に調べたりしてあげることです。
自分が電車を作るとしたら、どんな電車を作りたいかとか、この先電車はどうなっていくのかを話題にして一緒に考えてみるのも良いでしょう。
親だからこそできる教育は「興味をどんどん紐づけて広げること」
今年から教育指導要綱も変わり、学校での授業も変わってきているとは思います。私は現場を見ているわけではないので、詳しいことはわかりませんが、それでもまだ今の一般の小学校教育というのは、30人をひとまとめにして同じ教材を同じように教えることからは離れられません。
本当はそのこと自体が子どもの能力、可能性を最大限に引き出すための教育スタイルではありません。その子が最も伸びる教育スタイルは、その子が興味を持ったことからどんどん紐づけて、その子が「知りたい!」「それを覚えたい!」と思ったことを教えたり覚えられるようサポートしたり、さらなる興味を引き出すような関わり方や提案をしてあげることです。
どんな教科の内容も、本来の教育の意味からすれば、教科書通りの順番に学ばなければならないわけではないのです。漢字だって駅名から練習して覚えてもいいのです(絶対その方が楽しい)。
ただ学校ではどうしてもそこまではやれないので、それこそが家庭で親が子どもにしてあげられる教育だと私は思います。
学年が進んでくると、興味関心のあることから学ぶ、ということがどんどんとやりにくくなってきます。子どもの中にも人と比べたり、世間の目を気にしたり、純粋に興味あることに向かっていくことがはばかられてしまう可能性もあります。
低学年の時の方が子どもも素直に取り組みやすいし、その時期に興味関心、得意を見つけて伸ばしていくことを覚えた子どもたちは、大きくなってもそのスタイルが当たり前となって、自らの進む道をどんどん自分で見つけられるようになるでしょう。
まずはママ自身の頭の中をガラッと変えて
お子さんを「頭のいい子に育てたい」と思っているのなら、まずはあなたの頭の中をガラッと変えてお子さんのキラキラ輝く可能性の芽を見つけてあげることです。
頭の悪い子は1人もいません。いるとしたら、その子の可能性の芽がうまく見つからなかったということです。
そして今もしあなたが、何が得意なのか、何がやりたいことなのかわからない、という状態だとしたら、ぜひご自身の興味関心、得意なことも見つけてみてくださいね。
谷 亜由未
プレシャス・マミー メンターコーチ
1児の母。名古屋市立女子短期大学卒業後、富士通株式会社に勤務。
26歳で出産、3年間の専業主婦、自営手伝い、自宅での学習教室の運営などを経た後、2006年6月、41歳で人と組織の活性化をサポートする株式会社ミュゼを設立。
2009年、ひとり息子が塾なし、すべり止めなしで、東京大学理科Ⅱ類1本受験で現役合格したのを機に、子育てのノウハウとコーチングをミックスしたプログラムを確立。
2010年3月にママであることがキャリアになる日本を目指した、株式会社プレシャス・マミーを設立。
全国に認定プレシャス・マミーコーチ、トレーナーを生み出す活動をしている。
現在は認定トレーナーたちが講座を引き継ぎ開講中。
またわかりやすく楽しい講演も人気があり、日本のみならず、海外でも積極的に講演を行う。
2020年2月よりwebにて「絶対子育てを失敗したくないママのための能力開花塾」を開始。
著書に「東大脳は12歳までに育てる!」「東大脳が育つ魔法の言葉」他2冊あり。