2020.04.21 / 2020.04.22
新型コロナウイルス感染症の広がりで休校となり、家にいる時間がとても長い毎日ですね。
わが家も3人の子どもたちと自宅で過ごす時間が多くなりました。
休校で授業がない中、心配になるのが学力。国語や算数はワークを買ってきたり、プリントを印刷したりして取り組めても、小学校1年生のもう一つの主教科である「生活科」は、何をしたらいいかわからない人もいるのではないでしょうか。
今回は、元小学校1年生担任の立場から、自宅でもできる生活科の取り組みを紹介したいと思います。
生活科ってなにをするの?
生活科では自分の身の回りの自然、社会、人々について活動や体験を通して学んでいきます。
外に出かけて花や木、生き物を観察して季節を感じる。学校や町を探検して設備や道具を見つけたり、働いている人に会って役割を知ったりする。デイサービスに出かけて行き、高齢の方と交流したり、幼稚園や保育園の子どもたちを招待して学校のことを紹介するなど。
また、お手伝いを通して家庭の役割を知ったり、自分の生い立ちを振り返ってみたり…。地域や学校によって活動内容はさまざまです。
自宅でできる生活科…植物の栽培
家にいてもできることとしておすすめなのが、植物の栽培です。このまま休校が延びて、植えるタイミングがなくなったり、授業がカットされたりするのでは…との思いもあり、わが家でも取り組んでいます。
広い庭がなくても、ベランダで十分育ちますよ! 用意するものはホームセンターや100円ショップでそろいます。
【用意するもの】
・鉢やプランター(そんなに大きくなくて大丈夫)
・園芸用の土
・肥料
・じょうろ(使用済みのペットボトルでもOK)
・種
・支柱(ツル性の植物を育てる場合)
【おすすめの植物】
・アサガオ(1年生が育ててもほとんど失敗がありません。)
・フウセンカズラ(種が取れやすく、翌年も育てられます。)
・マリーゴールド(強いので育てやすいです。)
・オジギソウ(葉っぱがお辞儀をする様子がかわいい。)
・ミニヒマワリ(普通のヒマワリだと背丈がとても大きくなりますので、家に庭がある場合はそちらでも。)
上記にあげたものは春に種をまくと、夏ごろには花が咲きます。短期間でぐんぐん成長するので、様子を観察するのが楽しみになります。
ミニトマトやナスなど食べられるものは?と思うかもしれませんが、こちらは種から育てるのは難しいです。
1年生が初めに育てるものとしては、種をまいたら芽が出て、葉がつき、成長し、花が咲き、花の部分に実がなり、実から種が取れ、最初の形に戻るというサイクルを観察・体験できるものがよいと思います。
まずは種をしっかりと観察してみよう
準備ができたらさっそく種まきを…の前に、ぜひやってみたいのが種の観察です。できれば複数種類準備して、比べながら観察できると楽しめます。
「生活科・ワークシート」などで検索すると、ワークシートがダウンロードできるホームページがたくさん出てきます。わが家では自作のこちらを使用しました。
虫眼鏡の中に書くことで、大きく描く意識がもてます。形や色を一緒によく見ます。本物の虫眼鏡があると観察も楽しいですよ(使用するときには、虫眼鏡越しに太陽を見ないように注意してくださいね)。
字が書ければ気づいたことを文章にしておくのもいいです。子どもたちの発想は驚くほど豊かです。
否定したり、誘導したりせず、思ったままに書けるよう「そんなところに気づけたなんてすごい!」「本当だね。〇〇に似ているね」などと、共感する声掛けをすると楽しく取り組めると思います。
どうしても書くことが思いつかないときは「色はどうかな?」「形は何に似ているかな?」などと聞いてみるのもよいでしょう。
まだ文字が書けないときは代わりに書いてあげたり、うすく書いてなぞらせてあげるのもよいと思います。
新1年生の長女がかいたワークシート。どんなかたちかな?大きさはどうかな?と声をかけながら取り組みました
新年中、長男がかいたワークシート。ひらがなはまだ練習中なので、聞き取って書いたり、なぞってもらったりしました
いよいよ種まき!そのあとのお世話は子どもに任せて
種を観察したら、さっそく種まきをしましょう。地域によりますが、気温が下がらなくなる4月下旬~ゴールデンウイーク頃がおすすめです。
種のまき方は種が入っている袋に書いてありますので参考にして。あとはお世話をしますが、基本的には水やりさえしっかりやって日当たりのよいところに置いておけば育っていきます。
植物を育てるには水と太陽の光が必要なことを話して、お世話を子どもに任せます。
水やりのチェックシートを作ってもよいですね。土が乾いてから水をあげるのが理想ですが、それは難しいので毎日の日課にしてしまっても大丈夫です。
芽が出た、葉が増えてきた、つぼみができた、花が咲いた…と変化があったときに記録を残しておくと、観察日記ができます。
ミニヒマワリの種をまいたプランター
アサガオの種をまいた鉢。アサガオは後で支柱を立てるので、鉢のほうが扱いやすいです
自分の手で育てて大きくなっていく、というのは子どもたちにとって大きな喜びです。
家にいる時間が多い今、ぜひ挑戦してみてください。
<文・写真:ライター HIDE>