/ 2020.05.25

ひらがなやカタカナの文字などを学ぶおけいこの時間がある園も多いかもしれません。でも中には、先生や親に書き方を教えられなくとも、早い時期に自分から書き始める子がいます。わが娘もそのひとり、年少の頃からメモや手紙を書いていました。

あいうえお表などを見て、入園前から簡単な絵本を自分で読めるようになっていた娘、きっと文字への興味が強い子だったのでしょう。

「あら、もうそんなに書けるの?すごいじゃない!」当初は、頼もしく感じて喜んでいました。

でも実は、喜んでばかりもいられない思わぬ落とし穴が。

文字を早く書き始めたからこその心配や、数々のフォローが必要になったのです。

出典:あんふぁんWeb

書き順が変!あとから直すのはイチから教えるより苦労した

娘が書いたメモやお手紙を「見てみて!」と持ってくるので、「すごいね!」と褒めていたのですが…。

ふと、書いているところを見てみると、書き順が変! 横棒を右から左に書いたり、縦棒を下から上に書いたりもしていました。

これはマズイ…。そう思って書き順を教えようとすると、すでに変な書き方のクセがついていてなかなか直らないのです。

しかも幼児だった娘は書き順の必要性なんて理解していないので、素直に私の言うことを聞いてくれません。

イチから教えるよりも苦労することになってしまいました。

園でお手紙を渡しまくり! ママが把握しきれなくなってきた

文字を書くことが楽しくて、友達に手紙を書きまくる娘。「〇〇ちゃんに渡すの!」と意気揚々と書いては、園に持っていきました。はじめは、ほほえましく見守っていたのですが…。

だんだん数も把握しきれず、私が内容を確認しないうちに自分で封をして園バックに入れてしまい、気づかないことも出てきました。「失礼なことは書いていない?」という不安にもかられます。

あるとき、「これは持って行っちゃダメだって~」と娘。手紙と一緒に小さなおもちゃを入れてしまい、封筒の膨らみに気づいた先生に注意されたそう。おもちゃを入れていたことを知らずにいたので、とても焦りました。

その後は、だんだんと返事の手紙をもらうことも増えたのですが、そこにもちょっと問題が。

まだ文字に興味がなかったり、書けない子どもも多い年齢。

でも、お手紙をもらったら書いて返してあげなければと、相手のママが気にしていたことを知りました。

「たくさんお手紙をもらっているのに、うちの子まだ書けなくて。なかなか返してあげられなくてごめんね」なんて言われたこともあります。

気を遣わせてしまって申し訳ない気持ちにもなり、事情を話して理解し合ったことも。

また、仲良しの男の子に書いていた手紙をふと見た時、“けっこん”の文字が。

あまりにストレートな文章を見て、園児のラブレターにひとりで慌ててしまい、もう少しほんわかした表現に誘導したこともありました(笑)。

出典:あんふぁんWeb

「文字を書く」ということの意味を教えることから再スタート!

どうしたものかと悩んだ末、「文字は何のために書くものか」「お手紙はどんな思いで書くものか」という話をすることから、再スタートをしました。

例えば、「文字は人に伝えるためのもの」⇒「だから読みやすいようにきちんと書く必要がある」⇒「書き順の通りに書くとそれができるようになる」というふうに。

お手紙は自分が書きたいから書くだけではなく、受け取った相手の気持ちをよく考えながら書くものということも。

だから、やみくもにたくさん渡せばよいわけではなく、心がこもっていることが大切と伝えました。

娘に話すときは、なるべく簡単な言葉で繰り返し伝えるように心がけました。これには本当にパワーも時間も必要でした。

でも、成長とともに、だんだん理解してくれた様子。書き順も練習するようになりました。

出典:あんふぁんWeb

興味を持ったときにその子に合ったサポートが必要

何に興味を持つか、何ができるようになるか、子どもの成長はそれぞれ。だからこそ、その都度その子に合ったサポートが必要なのだと実感しました。

わが家の場合、娘が文字に興味を持ったことをもっと早く察知して、書きたいと思ったときに、私が一緒に取り組んであげる余裕があったなら、もっとスムーズだったかもしれません。

たくさんの反省もありますが、あとから一生懸命にフォローしたことも、今となってはよい思い出です。

そんな娘も小学校に入学すると、字の上手なクラスメイトに刺激を受けたようです。「私も字が上手くなりたい!お習字やってみたい!」と言い出しました。小3の今では、書道教室に楽しく通いながら、文字と丁寧に向き合っています。

<文・写真:ライター Otoka>