新型コロナウイルスの影響で外出する機会が減り、おうちでお子さんの写真を撮ることが増えていませんか?「おうち写真」で子どもを“もっとかわいく”撮る3つのヒントを教えてもらいました。

思い出をよりよく残すために「おうち写真」をどう撮ればよいのかを、おしゃれでかわいい写真プリント&アルバム作成アプリ「ALBUS」の生みの親で、ご自身も3人のお子さんのパパである伊野亘輝さんにうかがいました。

お話を聞いたのは

伊野亘輝さん

ROLLCAKE株式会社(ALBUS運営事務局)勤務。「レター」や「ALBUS(アルバス)」をリリースし、サービス企画から体験設計、UIデザインまで手がけている。私生活では、今年45歳を迎える3児(8歳の娘、5歳の息子、1歳の息子)のパパ。子育てに参加したいと心がけるイクメンで、毎年夏の1ヶ月は地方に家を借り、リモートワークしながら子供達と一緒に過ごす(これまで長野、秋田、岐阜などに滞在)。写真への造詣も深く、家族写真を中心としたInstagramのフォロワー数は約3万人に及ぶ。

ALBUS公式サイト▶▶コチラ
App Store▶▶コチラ
Android▶▶コチラ

コロナで増えた「おうち写真」よくある失敗例

― SNSにたくさん投稿されている「おうち写真」。伊野さんから見て、「もっとこうしたらいいのにな…」と思うケースはありますか?

伊野さん:お子さんを撮った写真はどれもステキですが、わたし自身の失敗を振り返って、2点挙げさせていただきます。

1つ目は、子どもに寄りすぎてしまっている写真です。「かわくてたまらないから、つい子どもの顔に寄ってしまう…」。その気持ちはとてもわかります(笑)。ただ、後で写真を見返すと、全部同じに見えてしまうんです。

写真の楽しみは、「撮っているときが10%くらい、見返すときが90%くらい」だと思っています。そして、見返すときのことを考えると「距離感」が大切なんです。

距離をとることで、お子さんが遊んでいるもの、興味を示しているもの、生活の様子や環境などが写りこみます。すべてを入れる必要はないのですが、ちょっとだけ入れてみる。そうすると、後で見返したときに「このおもちゃで遊んでたね!」「これ好きだったよね!」という話ができて、家族みんなで楽しめるんですよね。

― その時々のストーリーを意識して撮影することで、より大きな思い出を写真に残せるのですね!

伊野さん:たとえば、私が撮影したこちら。この“寄り”の写真だと、「何歳の子ども」というタイトルになると思います。

お絵かきをしている写真の”寄り”

一方で、こちらの写真は距離感を意識してみました。「何歳のときに何をしている子ども」という、より具体的なタイトルになりますよね?

お絵かきをしている写真の”引き”
このように、生活環境を含んだタイトルを意識し、距離感をつくってみましょう。片付いていない部屋がそのまま写っていても気にしなくて大丈夫!そのほうが、後で見返したときにおもしろいですよ(笑)。

― 「距離感」の大切さがよくわかりました!もう1つの失敗例はどのようなことでしょうか?

伊野さん:もう1つは、大きくなってきた子どもの写真によく見られる、ポーズをとらせている写真です。もちろんポーズをとらせるのが悪いわけではありませんが、「顔に寄っている写真」と同様、ほとんど同じに見えてしまうんです。

私の場合、子どもの自然な姿を写すために、カメラを意識させずに撮影しています。子どもがカメラに気づいてポーズをとってくれたなら、それはそれでOK! 無理にポーズをリクエストしないことが大切です。

この写真は、子どもが朝起きて一人で本を読んでいるところ。タイトルをつけるなら「それぞれに読書にふける子どもたち」でしょうか?生活の一部を切り取ったような、後で家族みんなで見返したくなる写真だと思っています。

「自然光」でもっと魅力的な写真に!

― 「距離感」「無理にポーズをさせない」のほかにも、おうちで撮影する時に心がけていることはありますか?

伊野さん:写真はとにかく「光」が大切です。太陽の光(自然光)を意識すると、キレイで味わい深い写真が撮れるようになりますよ。

私は日中、晴れていても曇っていても、家の電気はつけずに写真を撮ります。そのとき、自然光が多く入るようにレースカーテンを開けておくんです。

自然光を活かした写真例
― 日中に自然光をたっぷり使うことがポイントですね。夜は真っ暗なので難しそうです…

伊野さん:私の場合、夜に撮影する写真は、10枚のうち1枚あるかないか程度です。日中に比べて、夜に画質の良い写真は撮れないので、もう諦めていますね(笑)。

ちなみに、自然光を使うときはぜひ「光の向き」も意識してみてください。言い換えれば「自分が、どの方向から子どもを撮影するか?」ということです。

― その方向はどのように決めればよいのでしょうか?

伊野さん:窓から入ってくる光に対して、子どもが正面を向いていると「順光」、背中を向けていると「逆光」、横を向いていると「サイド光」になります。

クレジット:いらすとや / シルエットAC
伊野さん:たとえば、写真の中に窓が映っていたら、それは「逆光」になりますよね。逆光にならないようにするには、窓が正面に映らない構図になるはずです。

カメラを構える位置を決めるときには、自分が窓側、または窓と平行に立つことを意識するとわかりやすいと思います。子どもを動かす必要はなく、自分がどこに立つかを考えるんです。

「光の向き」を使い分けてアルバムを彩ろう!

― 「順光」と「サイド光」で、写真はどう変わるのでしょうか?

伊野さん:「順光」は被写体(子ども)が正面から光を受けているので、全体がキレイに写ります。

一方の「サイド光」は横から光を受けているので、体に陰影が生まれてフォルムが浮き出てきます。生活の一部を切り抜いたような雰囲気も出せるので、私はこの「サイド光」で撮ることが多いですね。

サイド光を活かした写真例
伊野さん:ちなみに、写真アルバムを作るときに「順光」の写真だけを並べると、陰影が感じられない分、全体的にのっぺりした印象になることがあります。

そのため、全体がキレイに写る「順光」だけにこだわらず、ぜひ「サイド光」も活かすことをおすすめします。

― 「逆光」では撮らない方が良いのでしょうか?

光自体がキレイなときは「逆光」で撮ることもありますね。ただ、全体的にかっこいい写真に仕上がったとしても、どうしても顔が暗くなってしまいます。

暗い部分は写真の粒子が粗いため、写真加工アプリなどで明るさを調整しても、十分にキレイな状態には加工できないんです。そのため、お子さんの顔を写したい時は「逆光」にならないように気をつけてくださいね。

「未来の宝物」をつくるように、ステキな写真Lifeを!

今回、伊野さんに「おうち写真」の3つのヒントを教えていただきました。

  1. 写真のタイトルをイメージした距離感
  2. 無理にポーズをとらせない
  3. 光の向き「順光」「サイド光」を意識する

ぜひ、お子さんの写真を撮るときに試してみてください!