ママ・パパの気になる商品・サービスについて調べる「こどもリサーチ」。今回は学資保険について調査しました。

子育て世帯にとって大きな問題となってくるのが「教育資金」。その教育資金の積み立てとして、よく耳にするのが「学資保険」です。

こどもリサーチで調査した結果、学資保険に加入している人は約31.2%で、その内の半数以上の人が出生前か0歳で加入していることが分かりました。

子どもの15歳、18歳をゴールに考える

まずは、教育資金準備の考え方について、FPバンクに所属するファイナンシャルプランナーで、年間約100世帯のマネー相談に乗り、大学生と中学生の二人のお子さんを持つ櫻庭明美さんに聞きました。

「『高校までは公立で、大学は念のために私立で考えておこう』という家庭の場合、教育費(学外活動費等も含む)の総額は約1371万円といわれています。1000万、と聞くと不安になってきますね。「ただし、児童手当は総額で1人あたり約200万円給付されますし、『幼保無償化』や『高校就学支援金制度』によって公立・私立高校の授業料は実質無償化されています。まずはお子さんにどんな教育コースの選択をさせたいのか、その場合はいくら準備していくのかを考え、国の制度や助成金を味方につけ、各家庭の積立金額を決めるとよいでしょう」

「高校、大学がもっともお金が掛かってくるわけですから、お子さんの15歳、18歳時期をゴールに見据えて考えるのがポイントです。会社員の場合、年収のピークを迎えるのは50代。お子さんの教育費のピーク期間と重なります。収入がアップしても支出が増えますので、キャッシュフローが崩れる時期を安心して乗り切れるように計画的に準備しましょう。

教育資金というのは、必要なときに必要な額がそろっていれば、問題ないわけです。どんな方法で用意するといいのかは、各家庭で異なります。それは、年収・年齢・資産状況・お子さんの教育コースが同じではないからです。準備方法の1つとして有効なのが学資保険です」

学資保険のメリット・デメリットを整理

「学資保険の最大のメリットは、契約者(親)の万が一を保障してくれる点です。また、半強制的に積み立てできるといった点が魅力的です。次に、【安定的な貯蓄性】です。商品によっては、銀行の定期預金と比べると増える可能性があるものも。積み立てている間は、税金の控除も受けられ、受け取る際、場合によっては増えた分に対しての優遇もあります。一方、デメリットとして、容易に引き出すことができない点などが挙げられます。

また、万が一離婚することになってしまった場合も注意が必要です。大事な子どもの教育資金のことなのに争うことになりかねないので、名義変更は必ず行うようにしましょう」

学資保険を選ぶ際のポイントは?(読者データ)

<重視した内容>

1位 返戻率

2位 契約者にもしものことがあったときの保障

3位 保険金(祝金)を受け取るタイミングが選べる

4位 払込期間が選べる

5位 配当金がある

「得するかしないか、いわゆる返戻率に焦点が当たりがちですが、本来の目的はお金の準備です。必要な時期に必要な額が引き出せるかどうかを第一に、トータルで家庭に見合った商品を選ぶことが大切です。途中でやめれば、元本割れのリスクにもつながります。継続・達成できる金額設定をしましょう。教育資金の準備は、中長期間に渡ります。現在だけでなく、今後の収支の見通しを立て、無理のない範囲がいくらなのか、準備したい額に到達するにはいくらためていかないといけないのかを考えると良いでしょう」

学資保険以外の教育資金の準備方法

学資保険以外の教育資金の準備方法についても聞いてみました。

「投資信託、一例では『つみたてNISA』『ジュニアNISA』などがありますね。『ジュニアNISA』はお子さんの成長に合わせて最大18歳まで長期運用できる商品ですが、2023年に制度が終了します。これまで子どもが18歳になるまで引き出すことができませんでしたが、制度の変更により、積立期間の2023年以降は実質引き出しが可能になりました。たとえば中学や高校の私立のコースを進んだ場合など、18歳以前に引き出すことができるわけですから、自在性が高くなったといえるでしょう。

また、これを逆手にとって、まとまったお金のある人は年間80万円を上限にこれから約3年間(滑り込みで2020年末までに開設した場合は4年間)分の教育資金を先取りし、期間をジワジワ味方につけて最大240万円(2020年末までに始めた場合320万円)を運用するという手もあります。

 会社員の方で、会社に「社内財形」といった給与天引きの制度がある人は、『自動積立』ができます。同じ先取り貯蓄の方法としては、増えはしなくても、もともと生活費にないものとして教育費の確保ができる点はかなりのメリットといえるでしょう。それから、生命保険などの金融商品。払込期間終了後に解約返戻率が高くなる商品であれば、学資保険の代わりになることも。また、保険会社が扱う「個人年金」も学資保険の代わりに用いられることがあります」

「準備する際は、【これは子どもの教育資金】と意味合いを持たせ、継続できる目的をハッキリさせることにより、お金に働いてもらうというイメージを持つといいのではないでしょうか。」

今の自分の年齢と、お子さんの年齢を把握し、時間軸で捉えることで自分が何歳の時に大きな金額が必要なのか、キャッシュフローを整理することが必要になってきそうですね。

気になる「学資保険」人気ランキング

こどもリサーチでは、学資保険の利用率ランキング、満足度ランキングを発表します。参考にしてみてくださいね。

■ママ・パパが選ぶ学資保険 利用率ランキング

1位 かんぽ生命「はじめのかんぽ」

2位 ソニー生命「学資保険」

3位 JA共済「JAのこども共済『学資応援隊』」

■ママ・パパが選ぶ学資保険、保障内容 満足度ランキング

1位 アフラック「アフラックの夢みるこどもの学資保険」

2位 かんぽ生命「はじめのかんぽ」

3位 ソニー生命「学資保険」

■ママ・パパが選ぶ学資保険、期待度ランキング

1位 JA共済「JAのこども共済『学資応援隊』」

2位 ソニー生命「学資保険」

3位 フコク生命 「みらいのつばさ」

※期待度=個々の商品を今(すでに)契約している人の数と、今後その商品を契約したいと回答した人数との割合を商品ごとに比較して算出

■ママ・パパが選ぶ学資保険、リピート率ランキング

1位 ソニー生命「学資保険」

2位 アフラック「アフラックの夢みるこどもの学資保険」

3位 JA共済「JAのこども共済『学資応援隊』」

※リピート率=現在契約している商品を、次も(第二子以降などに)契約したいと答えた人の割合を算出

こどもりびんぐでは「女性保険」についての調査も同時発表しています。詳しくはコチラ

【調査概要】 期間:2020.9/18〜24/ 「あんふぁんWeb」「ぎゅってWeb」「こどもりびんぐ リサーチ」各Web会員にWebで調査を実施/調査対象:アフラック「アフラックの夢みるこどもの学資保険」/かんぽ生命「はじめのかんぽ」/ JA共済「JAのこども共済『学資応援隊』」/住友生命「こどもすくすく保険」/ソニー生命「学資保険」/太陽生命保険「わくわくポッケ」/東京海上日動あんしん生命「こども保険」/日本生命「ニッセイ学資保険」/フコク生命「みらいのつばさ」/三井住友海上あいおい生命「こども保険」/明治安田生命「つみたて学資」(五十音順)

【有効回答者数】963人

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