question気に入らないことがあると、自分を傷付ける

気に入らないことがあると、床や壁に頭を打ちつける1歳の息子。自分を傷付け、しかも頭をぶつけるのでとても心配です。こうした行動をやめさせるにはどうしたらいいのでしょうか。(千葉県・にゃが)

answer子どもの不快感に共感し、安心感を与えて

1歳くらいの子どもの自傷行為の理由は、主に2つ考えられます。1つは「気に入らない」「思うようにできない」などの不快感やいらだちを言葉で伝えられないために、体で表現している可能性。もう1つは「もっとぼくを見て」と関心を引こうとしている可能性です。

自傷行為をしたときは、「なんでそんなことするの」などの否定的な声掛けはNG。「◯◯がイヤだったのかな?」と共感を示して、優しく抱きしめましょう。安心感を得られると、気持ちが満たされて自傷行為が減っていくはずです。また、日頃から抱っこなどして、態度で「あなたをいつも見守っているよ」と伝えることも大切。忙しくて手が離せないときは、視線を送るだけでも関心を持っていることが伝わりますよ。

問題が続く間は、けがをしないよう家の中を安全な状態に。前兆を感じたら、抱っこして安全な場所に移動しましょう。

アドバイザー

渡辺弥生先生

法政大学文学部心理学科教授。専門は発達心理学、発達臨床心理学。「子どもの『10歳の壁』とは何か?–乗りこえるための発達心理学」(光文社)など著書多数。

※この記事は、2021年2月発行の「ぎゅって首都圏版特別号[Spring]」に掲載した記事を再編集したものです

illustration HAYASHI Yumi