時短で、賢く、楽しく子育て。働くママでも、毎日たった5分からできる!知育や子どもの心と体を育てるノウハウを、SakuraEdu代表の荒井聖子さんに教えてもらいます。今回のテーマは「子どもの言葉遣い」について。

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子どもの困った言葉遣い

先日、4歳のお子さんがいきなり「オレさー!」「キミさー、誰だよ?」と話しかけてきました。これまでも小さいお子さんの言葉遣いが急に悪くなったり、下品な言葉を突然連呼したり、という場面には何度も遭遇しています。

親はビックリ!かわいくてあどけなかったわが子が、急にこんな言葉を発したときのショックは、誰しも経験することです。

子どもは生まれてから言語を取得する過程で、特にお母さんや保育士さんの言葉をミラーリング(鏡に映すようにまねする)しながら覚えていきます。幼児がまだ口の回らない様子で、「〜〜したの」「食べたいの」など、優しい言葉を使うのはそのためです。

ところが保育園の年上の子、小学校の高学年の子などと遊ぶようになると、急に言葉遣いが変わり始めます。

以前、ベテランの小学校教師から「子どもには子ども社会の言葉がある」と言う話を聞いたことがあります。

社会でも同じような属性の人が同じような言葉遣いをするのと同じで、子ども達にも仲間内の言葉があるのです。

例えば友達に「おまえ、縄跳びうまいなー!」と言われて、「僕、上手にできた?ありがとう。」と言ったらどうなるでしょう。「うそー!まじー?やばいねー!」に「これは本当なの。」とは返しにくいですよね。

ですから、急な言葉遣いの変化や悪態に目くじらを立てて、ガミガミ言うことはありません。ここがポイントだと思います。親が教えるのは、「必要な場面ではきちんとした言葉がつかえる」ことです。

テレビでもタレントが汚い言葉で相手をおとしめるような場面、失礼なタメ口で笑いを取る芸などが多々あり、小さい子は影響を受けやすいですから、実生活とは違うということを教えなければなりません。

小学校に上がる頃から、友達以外の人、年上の人、先生やコーチ、初めて話す人(店員さんや駅員さんなども含めて)などに対しては、きちんとした言葉で話すことを教えましょう。

高学年になると反発心が強くなるので、早めの対処が良いですね。日本語の独特な面でもありますが、言葉を分けることで相手を敬う気持ちを示せる便利さもあります。

方法は、まず親が正しく使うところをよく見せることが重要です。不適切な言葉遣いだったときには、子どもを責め立てるのではなく、その場か直後に正しい言い方を示してまねをさせるのが良いと思います。

「言葉は心」と言いますが、使う言葉によって周りに集まる仲間も変わってくるでしょう。そのことを子ども達に伝えていくのは親の役割だと思います。

この記事を書いたライター

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荒井聖子さん

SakuraEdu代表 コドモンテワークショップ主宰 
目黒区民講座講師、幼児教室のコンサルティング、小学校受験指導をしながら、通算100回以上の企画開催。日本モンテッソーリ教育綜合研究所教師、NPO日本食育インストラクター1級などの資格を生かし子育て支援活動を行う。

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