/ 2021.09.29

「いつも落ち着きがない」「言葉がうまくでてこない」「こだわりが強すぎる」など、子どもの発達や行動が気になっているママも多いかも。「育てにくい子どもはたくさんいます。私が訪れた園でも、そんな子どもにたくさん会ってきました」と話す徳田克己先生に、子どもたちへの向き合い方を聞きました。
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教えてくれたのは…

徳田克己先生

筑波大学医学医療系教授。筑波大学発ベンチャー 子ども支援研究所所長。教育学博士、臨床心理士。発達が気になる子どもの保育・支援を精力的にこなし、年間1000件以上の相談に対応する。

発達障害傾向の子どもはたくさんいる
適切な育児・保育・教育・がポイント

発達・行動が気になる子どもたちの中には、発達障害の傾向がある場合もあります。発達障害は、生まれつきの脳の発達の特性によるものですが、適切なサポートの中で成長することで、生活していく中での「困った」を減らすことはできます。「困った」を減らすために大切なのは、3歳~小学3年生の時期に、適切な育児・保育・教育を受けること。特性はそのままでも、社会生活に適応していくことができるようになります。

発達障害の傾向がある大人は数多くいます。こだわりや追求心が強かったり、ひらめきが鋭かったり…。それぞれの特徴を生かして社会で活躍している人も少なくありません。

一方で、適切な育児・保育・教育が受けられないと、うつ、引きこもりなどの二次障害が起こる危険があります。それは避けたいですよね。

発達障害のある子どもの育児の大原則
子どもが「わかる」ように伝えよう

よく「言うことを聞かない」と悩んでいる保護者の方がいますが、それは「言うことがわかるように話していない」から。発達障害のある子どもたちは、今は何をするのか、次は何をするのか、相手はどういう気持ちなのか、どうして叱られたのか…といったことが、「わかっていない」のです。「わかっていない」のに叱っても意味がありません。子どもの特徴に合わせて、「わかる」ように伝えるようにしましょう。

POINT.はっきり、短く、具体的に

はっきり、シンプルに伝えましょう。「ダメです」だけでOK。「〇〇〇〇〇だから」といった理由を伝えるのは“次の機会に”と割り切って。また「ダメって言ったけれど、少しだけならいいか」などと指示を曲げてしまうのはNG。子どもにとって一番わかりやすいのは、「ママがダメって言ったらダメ」です。
さらに、「ちゃんとやる」「しっかりやる」「一生懸命やる」も伝わりません。「〇〇をやります」と具体的に伝えて。

POINT.1度に2つ以上伝えない

「〇〇をやったら、△△をしていいよ」とまとめて言うのはNG。「〇〇をやったら教えてね」「次は△△をしてね」と1つずつ伝えましょう。

POINT.指示は子どもを主語に

「手を洗いなさい」「靴を履きなさい」という指示は、主語がはっきりしないので、どうしたらいいのかわかりません。主語を本人にして「手を洗います」「靴を履きます」と伝えると、自分が今何をするかがわかります。

POINT.絵カードを活用する

目で見て理解する力が強い子どもに対しては、絵カードを作って活用するのも一つの方法です。なかなか言葉が出てこない子どもも、絵カードだと伝わる場合も。ただ、絵カードは同じものを使う必要があります。万一なくしてしまった時のために、カラーコピーなどで同じものをストックしておきましょう。

NGワード・行動

●「何で」「どうして」は禁句

「どうしてこんなことをするの」「何できちんとやらないの」と叱っても伝わりません。子どもの自己肯定感を下げるだけです。

●子どもの前で謙遜をしない

子どもをほめられたときは、ついつい「そんなことないですよ」と謙遜してしまいがち。これも、子どもが近くにいる場合はNGです。「お母さんはどうしてそんなことを言うんだろう」と混乱してしまいます。

●お試し行動に反応しない

「ここまでなら叱られないかな」といった、ママの顔色をうかがう子どものお試し行動には反応しないようにしましょう。お試し行動は無駄だと思わせるために、何もなかったように過ごすのがポイントです。

こんな場合はどうしたらいいの?
保護者の悩みに徳田先生がアドバイス

Category子どもへの対応

Case1

思い通りにならないと奇声を上げたり、癇癪を起こしたりします。自分でもコントロールできないようですが、突発的な癇癪とどのように向き合ったらいいのでしょうか。

Case2

すでに数年いっぱい叱って育てています。今からどのように対処したらよいでしょうか?

Case3

偏食があります。「何で?」「どうして?」という言葉が使えないと、偏食の理由・原因がわからず対応できません。

Case4

子どもには何歳ぐらいに、どのように伝えたらいいでしょうか。

Category専門家・周囲の人との付き合い方

Case5

来月、発達外来の初診があります。発達外来の効果的な受け方を教えてください。

Case6

来春小学校に入学します。学校や先生とは情報共有して準備をしていますが、クラスの友達やその親に子どもの特徴をどのように伝えたらいいでしょうか?

Case7

小学校の通常級(通常学級)、支援級(特別支援学級)について、選ぶ基準、考え方を教えてください。

Category家族内での子育て

Case8

きょうだいの子育てはどうしたらいいのでしょうか。

保護者が知識と技術を身に付けるのが肝心
園や専門家のサポートを頼って

発達障害の子どもに向いた育児の方法は独特なもの。保護者が本を読んだり、専門家に話を聴くなどで勉強をし、「知識と技術を身に付ける」ことが重要です。また、周りには、園や学校の先生、福祉施設のスタッフ、行政機関の保健師など、支援の手が数多くあります。困ったことがあれば彼らに相談し、一緒にどうしたらいいのかを考えていきましょう。私が監修として運営に携わっているWebサイト「キッズハグ」https://kidshug.jp/も参考にしてみてください。

問い合わせ 塩野義製薬
https://fofa.jp/song/a.p/109/
CBFA-DTC-0021(V02)

発達障害について、より詳しく知りたい方はこちら
https://wellness.shionogi.co.jp/psychosis-neurosis/developmental-disability.html

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