/ 2022.03.10

大根って、丸ごと買っても食べきれないことはありませんか?今回は、フードスタイリストの田村佳奈子さんに大根を長持ちさせる保存方法を教えてもらいます。常温・冷凍・冷蔵…保存期間に合わせて賢く保存し大根1本をおいしく使い切りましょう!

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通年を通して出回っている大根。11月から2月は冬大根のおいしい季節です。冬の大根は味がしみ込みやすく煮崩れしにくいので、煮物や鍋に最適ですね。

大根の根は約95%が水分で出来ています。「水分ばかりだと栄養も少ない?」と思われるかもしれませんが、大根には消化酵素であるジアスターゼやアミラーゼが豊富に含まれており、消化吸収を助け、胃もたれや胸やけ防止に効果的と言われています。

その他ビタミンA・ビタミンC、食物繊維など、栄養が豊富に含まれ、葉にはカロテン、ビタミンB、C、D、Eなどが根よりも多く含まれます。

大根を長持ちさせるポイント

大根を長持ちさせるポイントポイントは3つ。

  • 大根の葉は切り落としておく
  • 乾燥させない
  • 立てて保存する

この3つさえ気を付ければ、丸ごとでも半分に切ったものでも数日保存が可能です。

次に、大根を丸ごと保存する場合、半分に切った場合それぞれで、賢く保存する方法を紹介します。

大根を丸ごと保存するのは常温?冷蔵?

大根を丸ごと1本保存する場合は、涼しい時期であれば常温で2週間から1カ月ほど保存が可能です。葉の部分から乾燥してしまうため葉は切り落とし、新聞紙やキッチンペーパーに包んで涼しい場所に立てて保存しましょう。

冷蔵庫の場合も同様に、新聞紙やキッチンペーパーに包みポリ袋に入れ、野菜室に立てた状態で保存することで1週間ほど日持ちします。

土付きの大根の場合、土が温度や湿度の変化から大根を守ってくれるため大根が長持ちします。長く保存したいなら土は洗い流さず新聞紙で包みましょう。また、土の中で保存する「土中貯蔵」という方法もあります。土を付けたまま葉を切り落とし、深さ20~30cmの穴に斜めに寝かせて土をかぶせるそうです。下記のサイトに詳しく載っていますので参考にしてみてください。

参照サイト:
JA千葉みらい

カットした大根を冷蔵保存する方法

1週間程度で使い切る場合は冷蔵庫の野菜室で保存すると便利です。1/2か1/3の大きさにカットされた大根の保存期間の目安は、1週間から長くても10日程度。この期間内に使い切れる場合は冷蔵庫の野菜室でOKです。

大根は部位によって、味も食感も違うので、根元部分、中間部分、先端部の3つに切り分けるのがおすすめ。それぞれキッチンペーパーで包みポリ袋またはジッパー式保存袋に入れ、密封して保存しましょう。

キッチンペーパーが湿ってきたら取り替えるとより日持ちしますよ。葉は葉元ギリギリのところで切り、切り口のところにラップかキッチンペーパーを巻き、保存袋に入れて立てた状態で保存しましょう。

  • 【葉元】繊維が多く食感は固めで甘みが強い。シャキっとした食感でサラダや漬け物、煮物もOK
  • 【真ん中】いちばん柔らかく、辛みと甘みのバランスが絶妙。煮物に最適
  • 【先端】水分が少なめで、辛みをいちばん感じやすい部分。おろしや汁物に

切った大根を冷凍保存する方法

大根は冷凍保存することで、1カ月程度の長期保存ができます。それだけでなく、大根の組織が壊れるため味が染み込みやすくなり煮物などにおすすめ。大根をおでんなどの煮物にするときは、一度冷凍したほうが中心部まで煮汁が浸透しやすくなり、時短調理にもつながります。

冷凍保存の方法

  1. 輪切り・イチョウ切り・拍子切りなど用途に合わせてカットする

  2. ペーパータオルで水気を拭き取り、使いやすい量で小分けにし、ラップで包む(輪切りはラップに包まなくてOK)
  3. 冷凍用保存袋に入れて口を閉じ、冷凍する。冷凍庫で2週間程度保存可能

使うときは、凍ったまま加熱調理します。また、大根おろしにして冷凍すれば、食感を変えずに保存することができますよ。軽く水けを切った大根おろしを1回分ずつラップに包み、冷凍用保存袋に入れて凍らせます。

使うときは自然解凍がおすすめ。加熱せずそのまま食べる場合、冷凍してから2週間程度を目安に食べきりましょう。

下味冷凍でさらにおいしく

切った大根に下味をつけてから冷凍すると、さらに味が染み込みやすくなります。下味冷凍の場合も約1カ月を目安に食べ切りましょう。

手軽に出来るのはめんつゆや鶏がらスープの素、コンソメスープの素など。おすすめは白だし。

ひたひたの白だしで下味をつけておくと、そのままお鍋やフライパンに入れて加熱し煮物や炒め物として活用できます。年始のお雑煮用に大根、にんじんを出汁に漬けて冷凍しておくのも便利だと思います。


大根は半分にカットして販売されていることもありますが、丸ごと一本購入して上手に保存すればお財布にも優しく、時短調理にもつながります。ぜひ試してみてくださいね。

この記事を書いたライター

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田村佳奈子さん

フードスタイリスト、フードコーディネーター、フードアナリスト。Web、雑誌、ドラマなどのレシピ開発やスタイリング、フードコーディネーターとして活動中。

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