時短で、賢く、楽しく子育て。働くママでも、毎日たった5分からできる!知育や子どもの心と体を育てるノウハウを、SakuraEdu代表の荒井聖子さんに教えてもらいます。今回のテーマは「欲しい!にどう対応する?」について。

「これ買って!」「これ欲しい!」にどう対応する?

夕方5時から6時頃にスーパーへ行くと、親子連れの人で賑わっています。園にお迎えに来た親御さんに甘えるように、好きな物を見つけては「これ買って!これ欲しい!」とあちこちで声が聞こえます。その中で献立を考えながら、子どもを連れて買い物を済ませる姿…。本当に大変な時期だなといつも心を寄せています。

「これ買って!」には、大きく2つの傾向があるように思います。1つは単純に食べたいというものや、パッケージに好きなキャラクターが描いてあって、それが欲しいという場合。企業もそれを狙って、中身と全く関係のないキャラクターを使っている場合が多いですよね。

そしてもう1つは「甘えたい」という気持ちの表れです。しつこくわがままを言ったり、キーキー泣いたり、床に寝そべったりという場面にも遭遇します。

手頃な物だから、寂しい思いをさせたから、抗うエネルギーがないから、買ったときの笑顔が見たいから、自分も好きな物を買うからなど、ついつい必要がなくても買い与えてしまうことがあるでしょう。でも、「子どもを不幸にするには、いつでもなんでも手に入れられるようにすること。」と、ルソーの著書(エミール)にあるように、基本的には子どもの成長にとってあまり良いことではなさそうです。

我慢や自制心のなさが増長していくリスクや、努力して得る自己達成感の欠如があるからです。また「これ買って!」で一時的な満足が得られても、甘えたい気持ちを包み込む親御さんの優しい言葉がけや、スキンシップに勝るものはないでしょう。

まずは、親をはじめ子どもに関わる大人達が「余計な買い与えはしない」、と決めることが大切です。はじめは抵抗に合うかもしれませんが、買わないと分かれば子どもは習慣化するはずです。子どものために買うのではなく、子どものために買わない選択をするのです。

その上で、必要な野菜の中から1つ選ぶ、朝食用のパンを1つ決める、金曜日はお菓子を1つ買って良いなどの約束事を決めましょう。お店に入るときにしっかり確認するのも習慣化へのステップです。買い与えの代わりに旬の野菜、果物、魚など、その時期だけ店頭に出るような物を、一緒に観察しながら歩きましょう。

そして、本当に子どもにあげたいすてきな玩具や、身体にやさしくておいしいものなどは、とっておきの日に、「いつも助けてくれてありがとう!これはあなたのことが大好きだから買ったのよ。大切に楽しんでね!」という言葉を添えてプレゼントしてみてはいかがでしょう。

この記事を書いたライター

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荒井聖子さん

SakuraEdu代表 コドモンテワークショップ主宰 
目黒区民講座講師、幼児教室のコンサルティング、小学校受験指導をしながら、通算100回以上の企画開催。日本モンテッソーリ教育綜合研究所教師、NPO日本食育インストラクター1級などの資格を生かし子育て支援活動を行う。

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