離乳食に魚の鮭を取り入れたいけれど、どんなメニューがおすすめ?今回はフードスタイリストの田村佳奈子さんが、手軽に常備しやすい鮭フレークや、簡単リゾットのレシピを紹介します。

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鮭には消化吸収の良い良質なたんぱく質が含まれており、カルシウムを吸収しやすくするビタミンD、EPAやDHAなども豊富に含まれています。DHAは脳の細胞を活性化させ、学習や記力を向上させる働きがあるので、離乳食の時期から積極的に取り入れていきたい食材です。

離乳食の「鮭」はいつからOK?


白身魚は離乳食開始1カ月ごろ(生後5・6カ月)以降、赤身魚は離乳食中期(生後7・8カ月)以降、青魚は離乳食後期(生後9~11カ月)以降とされています。鮭の身は赤色ですが実は白身魚。アスタキサンチンという抗酸化作用のある栄養素の効果で赤く見えるのです。

ただ、脂が多めなので離乳食中期(生後7・8カ月)ごろが良いとされています。またサーモンは脂質が多いので、脂の少ない部分を選ぶか、生鮭から始めるのがおすすめです。離乳食中期は細かく、離乳食後期は5~8mm大に、離乳食完了期は1~1.5cm大を目安に切り身を茹でほぐしましょう。

鮭の選び方と注意点

鮭は川で生まれて海を回遊する魚。日本で流通しているのは、白鮭(秋鮭、時鮭)、銀鮭、紅鮭、アトランティックサーモン、キングサーモン、サーモントラウトの6種類があげられます。「塩鮭」と「生鮭」がありますが、離乳食用には生鮭のほうが使いやすいです。もし塩鮭しか手に入らない場合は塩分が多いため塩抜きが必要です。

鮭とサーモンの違いって?

鮭とサーモンの違いは「食べ方」。鮭は加熱調理が基本で焼くなど火を通して食べますが、サーモンは刺身や寿司として生食が可能。生で食べられるのは、養殖で寄生虫の心配がないから。いっぽう鮭にはアニサキスなどの寄生虫がいるため基本的には生食に向いておらず、加熱して食べるのが一般的なのです。このアニサキスという寄生虫が体内に入ると食中毒を起こすこともありますのでしっかり加熱をしましょう。

アレルギーに要注意!

鮭はアレルギー表示推奨品目に指定されています。淡白な白身魚に慣れたあとに、様子を見ながらごく少量ずつ始めていきましょう。おすすめの調理方法とレシピを紹介します。

鮭フレーク

離乳食用の鮭は、生鮭を茹でてほぐし「鮭フレーク」にするのがおすすめ。作り方は簡単!

    材料(作りやすい分量)

    • 生鮭…1枚
    • 塩…少々
    • 水…適量

    作り方

    1. 生鮭の表面に軽く塩を振り、10分ほど置いたら水で洗い流し水分をふき取る
      ※こうすると鮭の臭みが取り除けます。
       

    2. 沸騰した湯で5分ほど茹でる
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    4. しっかり火が通ったらキッチンペーパーに取り余分な水分を拭き、菜箸などで皮と骨を取り除きほぐす

    塩鮭の場合は塩水につけ塩抜きしましょう

    <塩抜きの方法>バットや保存袋に1カップの水(200cc)に対し塩小さじ1/2を合わせて入れ、塩鮭を入れたらしっかり密閉し、冷蔵庫で3時間ほど置きます。その後、取り出してキッチンペーパーで余分な水分をふき取り、沸騰した湯で5分ほど茹でましょう

    離乳食用の魚は少量なうえ皮と骨がなく扱いやすい刺身が手軽ですが、サーモンの刺身は脂質が多いため脂の少ない部分を選ぶか、生鮭から始めるのがおすすめです。茹でてほぐすか、そのままのサイズでラップをして保存しておくと便利です。

    アレンジいろいろ

    鮭フレークはおかゆやリゾットに入れたり、茹でたじゃがいもと合わせて焼いて「鮭おやき」、パスタやうどんの具にするなどアレンジ自在!娘のお気に入りは「鮭とブロッコリーのリゾット」で、3歳になった今もモリモリ食べてくれます。

    鮭とブロッコリーのリゾット(離乳食後期)

    材料

    • 鮭フレーク…大さじ1
    • ブロッコリー(下茹でしたもの)…10g
    • 炊いたごはん…50g
    • 水…100~150cc
    • 粉チーズ…少々

    作り方

    1. ブロッコリーを細かく切り、鍋にごはん、水と一緒に入れ火にかけ、ひと煮立ちさせる
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    3. 鮭フレーク、粉チーズを加えたら全体を混ぜ合わせ、うつわに盛る


    ブロッコリーのうまみで作るコンソメいらずのリゾットです。離乳食が完了してからはコンソメを入れるようになりましたが「一度濃い味を覚えると戻りにくい」と聞いたことがあり、離乳食中は市販のコンソメは使わず、ニンジン・タマネギなどを茹でた茹で汁を使ったり、ブロッコリーやアスパラなどを下茹でする際に塩を少し入れて茹でておき、ほんのり塩味の付いた野菜を一緒に煮込むようにしていました。

    冷凍保存は可能?

    鮭は冷凍保存が可能。「鮭フレーク」にしたものを小分けにして冷凍保存するのがおすすめです。

    まとめて茹で、月齢に合わせた大きさにほぐして冷凍しておくと便利です。凍ったまま加熱もOK!離乳食の冷凍保存は1週間を目安に、早めに食べきりましょう。

    クセが少なく食べやすい「鮭」。スーパーでも手軽に手に入りますね。栄養豊富で彩りも美しいので離乳食の幅が広がりますよ。

この記事を書いたライター

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田村佳奈子さん

フードスタイリスト、フードコーディネーター、フードアナリスト。Web、雑誌、ドラマなどのレシピ開発やスタイリング、フードコーディネーターとして活動中。

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