子育てに自信のあるママなんて、どこにもいない!家庭教師・塾講師、東大生・早大生を育てた母であり、子育てセミナーを主催する楠本佳子さんに教わる連載コラム「能力をのばす子育て」。25回目は「親が言ってはいけない言葉」について。

親が言ってはいけない言葉とは?

子どもの苦手を増長させる言葉

親は何の気なしに使っている言葉に、この子、

  • 絵本が嫌いだから
  • 図鑑は好きでないから
  • 数が苦手なの
  • 字を読むのが嫌い
  • 文章題は不得

などなど、子どもの気持ちを代弁するネガティブな言葉を発することがあります。

実際に子どもが言うのであれば問題ありません。しかし親が言うのはまた別問題です。もし仮に子どもが全くそう思っていなかったのに、「この子はこれが苦手」と子どもが聞いたらどう思うでしょう。

僕、それ苦手だったんだ

と新たに認識してしまいます。

親が「うちの子算数の文章題が苦手でね」と話すのをよく聞きます。そこでいつも私は、「苦手の前にやっていませんよね?」と聞くと「その通りです」と親御さんは答えます。

何もやってなかったら苦手なのはあたりまえ。何かに対して、眺めるのが好きだったとか、しょっちゅうやっているとか、その何かに触れる回数が多ければ多いほど時間が長ければ長いほど得意になります。

もちろん虫が嫌い、生理的に受け付けないなどということはあるでしょう。それを無理矢理どうにかしろとはいいません。

でも、算数や理科など嫌いや苦手と思うより、なんとも思わない、さらに好きかもしれないと感じると子どもも楽しいはずです。苦手なものをわざわざ作る必要はありません。

小さいころにコンプレックを持つと大変 !?

小さいころに根深く苦手、嫌いと思ってしまうと、中学校高校になっても苦手なのだと意識を持ってしまいます。なかなか払拭できません。苦手意識、コンプレックスを持つことほど厄介なものはありません。

例え子どもが自ら「嫌いだ」、「不得意だ」、「苦手だ」と言っても、親がそれを言わないようにしましょう。子どもが言っていたとしても、親が言うと「やはりそうだったんだ」と確信になってしまいます。

もしかすると子どもは 「そんなことないよ」と言ってほしいのかもしれません。

子どもは成長していきます。今は嫌いでも変わっていくかもしれません。苦手なものも練習することによって、得意になるかもしれません。

「この問題見るもの嫌!」「無理!」と拒絶反応を起こしていた生徒が、数カ月後「この問題解けるかから好き」「得点源よ」と言いだすのを何人も見てきています。

ちなみに拒絶反応を起こすほどの子どもには、問題の解き方を教えるよりも何よりも「大丈夫だから、できるから」と“できない呪縛”を解くことから始めなくていけません。

練習したり勉強したりしていなければ、苦手に決まっています。やっていないのに得意になるわけがありません。

ただやっていないだけ、あなたはやればできる

それを常にお母さんの頭の中にも入れておいてほしいと思います。

この記事を書いたライター

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楠本佳子さん

こどもみらい塾(岡山)」塾長。自身の子育てや教育経験を活かし、ママを対象としたセミナーや個別相談も行っている。著作に「12歳までに勉強ぐせをつけるお母さんの習慣」>ホームページはこちら

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