/ 2017.12.01

「職場での過剰な配慮にモヤモヤ…」という、時短勤務をしている2児のママの悩みに、ニューヨークライフバランス研究所代表の松村亜里さんが答えてくれました。もっと仕事を任せて!と言えるようになるには?

question「もう少し仕事を振って!」と、言うに言えない状況。どうすればいい?

産休中や時短勤務中はキャリアアップできないのは仕方ないのですが、後輩がリーダー的な役割を果たすようになり、自分が補佐につく機会が多くなりました。

ありがたいことに時短で残業ができないことや、子どもの急な病気で早退したり休んだりすることは理解してもらっています。

ただ、まわりは忙しいのに自分だけ手が空いてしまったり、ルーティンワークが中心になりがちで、会議に呼ばれないこともあったりと、配慮されすぎているように感じています。

「もう少し仕事を振ってくれてもよいのに」と思っていても、なかなか「重要な案件は任せて!」といえない状況です。たとえ言ったとしても、「仕事が増えても急に休んだらどうしよう」と不安になってしまいます。

このような状況の中でどういう心構えや態度で日々を過ごしたらよいでしょうか。

answer今の状況への感謝と責任を忘れずに。そして重要な仕事が受けられる「準備」を

答えてくれたのはニューヨークライフバランス研究所代表

松村 亜里さん

> 一般社団法人ウェルビーイング心理教育アカデミー代表理事、ニューヨークライフバランス研究所代表。ニューヨーク市立大学と国際教養大学で、カウンセリングと心理学の講義を10年間担当。2012年からNY在住、子育てやコミュニケーションなど毎日の暮らしに役立つ心理学の講座を開催。2017年、日本でウェルビーイング心理教育アカデミーを設立。

葛藤を少しでも軽減する為に、まず取り組むべきこと

配慮してくれるのはありがたいけど、もっとやりたい!という気持ちも、もちろん出てくるもの。「やりたいけれど、出来ない」。そんなモヤモヤを解消するのに必要なポイントは以下の3つです。

  1. 今は子育てという社会的にも責任ある仕事もしていると割り切って、理解ある状況に感謝し、それを伝え、自分に振られた仕事にしっかり取り組むこと
  2. 時間ができたときにはどのくらいの時間があるか伝えたうえで、「何かできることはありますか?」と具体的に聞いて、相手が頼みやすい仕事を引き受けること
  3. 1、2と同時に少しでも余裕のある間に、近い将来「もっと仕事を任せて!」といえるように準備をしておくこと

働くママが整えるべき、3つのこと

そして「もっと仕事を任せて!」と言えるようになる為に、次の3つの体制を少しずつ整えていくことをおすすめします。

  1. 社会的なつながり(ママと子どものセーフティネット)を作ること
  2. 子どもの免疫力を高めること
  3. ママのバイタリティ(活力)を高めること

これらが整うと、より責任のある仕事を引き受けることができるようになります。では、具体的な方法をみていきましょう。

1.社会的なつながりを作ること

自分の生活に何かあったときに会社に迷惑をかけないためのセーフティネットを構築していくことが大切です。

まず、夫や両親からのサポートだけでなく、病児保育、ベビーシッター、ファミリーサポートなどの社会的なシステムや、ご近所さんやママ友とのネットワークを大切にしておくといいでしょう。

大事な会議などで仕事から抜けられないときは、あらかじめ誰に頼むか予定を立てることもでき、職場への負担も自分の気持ちも軽くなっていきます。

2.子どもの免疫力を高める工夫を行うこと

保育園でさまざまな菌をもらってきますが、免疫力が高まると病気にかかりにくくなっていきます。成長にともなって自然につく耐性もありますが、積極的に促進することもできます。

良質な栄養、適度な運動、良質な睡眠、ポジティブな感情が免疫力を高めてくれます。

3.ママのバイタリティ(活力)を高めること

子どもが病気になったとき、ママも病気になったら家庭もまわりませんし、会社にも貢献できなくなります。すでに紹介した12のほか、ママの精神的な健やかさも大切です。

仕事と子育てに追われていても、子どもが産まれるまでに自分が楽しんでいた趣味や運動、お友達との時間など、自分が楽しいと感じることを少しでも続けていくことが必要です。

仕事と子育ての両立には、家族のウェルビーイングが大切

心理的、身体的、精神的に健やかであることを意味する「家族のウェルビーイング」をバランス良く高めることで、やりがいのある仕事をしながら子育ても営むというよい循環が生まれます。

病気になってしまったとしても、誰かに頼ったり、サービスを使えるようになれば気持ちが楽になります。一気にできなくても少しずつ試してみてください。

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