旬のゆり根で作る炊き込みごはんを紹介します。ゆり根はおせち料理によく使われる食材ですが、いつもの食卓にも取り入れたいくらい栄養豊富。ホクホクしてほんのり甘いので、子どもにも喜ばれる一品ですよ。

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子どもも食べやすい

加熱するとホクホク甘いゆり根は、茶碗蒸しやホイル焼き、素揚げなどの食べ方が多いですが、今回は子どもも食べやすい炊き込みごはんを紹介したいと思います。

ゆり根の白くてクルンとした形が可憐な印象で見た目が華やかなので、あえて色を加えず仕上げます。上品な甘みのゆり根だから、味付けもシンプルに。ちりめんじゃこの塩味と食感が良いアクセントになります。ぜひ作ってみてくださいね。

ゆり根とは

ゆり根とは、その名の通り食用に適したゆりの花の球根部分のことです。おせち料理で食べられる食材のひとつで、縁起ものとして扱われています。その由来は、ゆり根のもつ鱗片(りんぺん)の形状がまるで花びらのように重なり合っていて、その形に「歳を重ねる」「子宝繁栄」という思いが込められているからといわれています。

旬は晩秋から冬、11月から2月頃。芋と同様、主な成分は炭水化物。カリウムの含有量は野菜の中でトップクラス。その他マグネシウム、鉄、リンなどのミネラルや、食物繊維も豊富。タンパク質はじゃがいもの2倍含まれています。

栄養豊富で滋養強壮に良い食べものと言われ、「産後の母親や病人の体力回復に良い」と助産師さんから聞いたことがあります。また古くから漢方薬として咳止めや不眠の改善、イライラの解消などに珍重されてきたそうですよ。

ゆり根の保存方法

ゆり根はおがくずに包まれて売られていることが多いですが、水気に弱いので、むきだしの場合は新聞紙に包み冷蔵庫に保存するか、ビニール袋にゆり根が隠れるくらいのおがくずを入れ、その中に入れておくと1カ月ほど保存できます。

冷凍保存の場合は、硬めに塩茹でして小分けにし、ラップで包むと1カ月ほど保存が可能です。

ゆり根とじゃこの炊き込みごはん

材料(2~3人分)

  • ゆり根…1個
  • 米…2合
  • ちりめんじゃこ…10~15g
  • 酒…大さじ1
  • 塩…小さじ1
  • 昆布…5cm

作り方

  1. 米は洗い、30分以上浸水する
  2. ゆり根は根を切り落とし、水をはったボウルの中で1枚ずつはがし、中についている泥などをよく洗い、茶色く変色している部分があればそぎ取り、外側の大きい部分は半分に切る
  3. 炊飯器に米、2合分の水(分量外)、塩を加えざっと混ぜ、塩が溶けたら昆布、ちりめんじゃこ、ゆり根を加えて普通モードで炊く


    *昆布に切り込みを入れるとより出汁が出ます

  4. 蒸らし終わったら、ざっくりと混ぜうつわに盛る
    *ゆり根をくずさないようにざっくりと混ぜましょう

ゆり根は結構汚れがついています。重なりあっている鱗片を1枚1枚はがしてから、くぼみについている汚れを洗い落としましょう。うまく取れない場合は包丁でそぎ取ると良いですよ。

クセがなくホクホクしてほんのり甘いので子どもも食べやすいゆり根は、見た目が華やかなのでお祝いやパーティーなどでも喜ばれます。サツマイモや栗の炊き込みごはんのように、レパートリーに加えてみてはいかがでしょう。

この記事を書いたライター

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田村佳奈子さん

フードスタイリスト、フードコーディネーター、フードアナリスト。Web、雑誌、ドラマなどのレシピ開発やスタイリング、フードコーディネーターとして活動中。

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