/ 2017.07.12

朝の準備時間で、子どもの行動が遅くて焦ったり、イライラしたり、思わず「早く!」と叱ってしまうことはありませんか?今回は、そんなママにおすすめの、子どもを動かす声掛けテクニック、読者ママの実践アイデアを紹介します!【子どもの身支度&登園編】

お話を聞いたのは

東ちひろさん

ひがしちひろ/幼稚園、小学校教員など教育に30年近く携わり、現在は「一般社団法人子育て心理学協会」代表理事。心理学とコーチングを使った独自のアプローチ法で2万人以上の子育てママの電話相談を受ける。著書に『子どもが伸びる!魔法のコーチング』(学陽書房)。

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シリーズ記事「平日の朝時間スムーズ乗り切り術/子どもの寝起き&食事編」はこちら

身支度に時間がかかる時の乗り切り術

競争やカウントは必ず子どもに勝たせる

2歳頃からは「自分でやりたい!」が強くなりますが、技術が伴わないので時間がかかりがち。

ママが手伝おうとすると嫌がってかえって時間がかかるので、ボタンなど難しい部分をさり気なく手伝って「自分でできた!」という気持ちにさせてあげましょう。服を選びたがる子なら、ママが「どれを着ても大丈夫」と思えるものだけをタンスに入れておいて、自分で選ばせるとよいでしょう。

自分でできるけどモタモタするという場合は、「ママが食器を洗い終わるのと、どっちが早いか競争だよ!」などと誘うとスピードアップ。「10数えるうちにできるかな?」なども乗せやすい方法です。コツは、毎回必ず子どもに勝たせてあげること。勝てば気分が良くなって、次の行動もスムーズに進みやすくなります。

「着替えさせて~」などとグズグズするのは甘えたいとき。ママとしては自分でやらせたいところですが、そんなときは手伝ってあげてくださいね。心が満たされないと、その後もグズグズが連鎖してしまいますよ。

ママの乗り切り術

●保育園グッズと服をリビングのかごに入れて、自分で準備できるようにしています。(0歳、3歳のママ)

●「このテレビ番組が終わったら着替えるよ」と決めると、グズらず動いてくれます。(3歳、5歳のママ)

●私と着替えの競争をするとスムーズにいきます。乗ってくれる日ばかりではありませんが…。(4歳のママ)

●子どもが2人なので、上の子は夫、下の子は私と、分担して準備しています。(2歳、小学校低学年のママ)

出がけ&登園中にモタモタする時の乗り切り術

夜の親子時間でメンタルを整える

「保育園に行きたくない」とグズる場合、多くは保育園が嫌いなのではなく、「ママと離れたくない、もっと甘えたい」が本音でしょう。

ママから無理に離そうとすると不安感が増して、余計にすがりつくので、ギュッと抱っこして「大事な◯◯ちゃん♪」「今日は◯時にお迎えに行くよ。晩ご飯は何にしようか?」などと優しく話し掛け、気持ちを安定させてあげましょう。そして「今日は保育園で◯◯するんだよね」「◯◯ちゃんと遊べるね」などと、楽しいことをイメージさせて。

そうしても別れ際に泣くことはありますが、そこは先生にパッと預けてしまいましょう。ママの心は痛みますが、別れた後、ほとんどの子は園で楽しく過ごせるので大丈夫です。

帰宅したら園でどんなことがあったか話を聞いて、「楽しかったね」「すごいね」などと気持ちを共有し、スキンシップもたっぷりとってください。家庭で使える時間で子どものメンタルを整えてあげると、保育園に行く朝もスムーズになっていくでしょう。

ママの乗り切り術

●その日に保育園で楽しみにしていることを「今日は◯◯の日だよ」と教えてあげると、張り切って出かけてくれます。(4歳のママ)

●子どもがグズらないように、とにかく褒めます。(5歳、小学校低学年のママ)

●今日帰宅したら何をして遊ぶかを話しています。(0歳、4歳のママ)

朝の身支度を子どもにやらせるひと工夫


3歳頃からは、自分でできることを増やしていきましょう。

朝ごはん、着替え、トイレ、歯磨きなど、朝時間の流れを絵で描いて、壁に貼ってみてください。目に見えるかたちになっていると、「どこまでできた?」「次は何する?」などの声掛けだけで動きやすくなります。

5~6歳なら、自分で描かせるとやる気がアップします。もちろん絵は下手でもOK。それを見ながら準備を進めてくれるようになると、ママもグッとラクになりますよ。

急かす、叱るはかえって子どもの動きを遅くする

朝が忙しいというのは、「大人の都合」。

自分のペースで「親の時間を食べて大きくなる」のが子どもです。何でも「大人の2~3倍は時間がかかる」と心得つつ、時短の工夫をしていきましょう。

また、子どもは不安や怒りなど“負の感情”が強いと、スムーズに動けません。だからママが「早く!」と急かしたり叱ったりすると、かえって動きが遅くなってしまうのです。

日頃から子どもの話をじっくり聞いたり、スキンシップをとったりして不安感を減らしておくことも、朝をスムーズにする大事なポイントです。

肩の力を抜いて、朝時間を乗り切る

子どもは、「正しいママ」よりも「機嫌のいいママ」が好き。「できないところ」を頑張ろうとしないで、「できそうなところ」を工夫しましょう。

朝ご飯は手抜きでもいいんです。子どもが自分でできないときは、さりげなく手伝ってしまっていいんです。

肩の力を抜いて、朝時間を乗り切りましょうね。

※この記事は、あんふぁんぷらす2016年4月号に掲載した記事を再編集したものです