子育てに自信のあるママなんて、どこにもいない!家庭教師・塾講師、東大生・早大生を育てた母であり、子育てセミナーを主催する楠本佳子さんに教わる連載コラム「能力をのばす子育て」。29回目は「英才教育の落とし穴」について。

英才教育は子どもをつぶす?

英才教育にもいろいろあると思いますが、子どもにとって年齢不相応なレベルを詰め込みでする英才教育は、後々弊害が出ると思っています。

そもそも、人間の脳も体も自然に成長するようにできています。無理に早めるとどこかにひずみができてしまうと思います。

そして、子どものときにはいろいろな知識を吸収していかなくてはなりません。偏ったものばかりに訓練をすると、人として偏ってしまうのではないでしょうか。

例えば数学ばかり小さい頃から詰め込んで勉強して、他の科目、例えば国語などの能力が著しく劣るという子どももいます。

なかには、人とのコミュニケーションがうまく取れない子どもまでいます。

私は、マンツーマンで勉強を教えているため、お母さんから先取りして勉強を教えてほしいと要望が出たりします。ほんの少しの先取りであれば問題は無いのですが、何年も先のことをするのは子どもに興味がなければ苦痛でしかありません。負担が大きい割に成果はあまり望めません。

ある生徒が他の塾で英語の進んでいる学校の生徒と一緒になったそうです。最初はすごいなぁと思ったそうですが、じきにすぐ抜かしたと言っていました。

先取りするよりも、適切な時期に集中して勉強する方がよほど能率も良く頭にも入ります。

何よりも本人が興味を示し楽しんでいるのが一番大切です。

“普通の遊び”が勉強に結びつく

お友だちと遊ぶ、外で遊ぶ、おもちゃで遊ぶ、お手伝いをする、色々なところへ出かけるなど、生活の中で子どもは刺激を受けます。それがすべて勉強に結びついていきます。

最近ではなかなか難しいかもしれませんが、虫採りをする、ザリガニやフナを釣るなど自然と触れ合うことで、理科の勉強にもなり、機敏な動作も必要となり、あらゆることを刺激します。

子どもが一番吸収するのは、自分から興味をもち楽しんで集中すること。

多種多様な経験をさせて刺激を与えるようにしましょう。

この記事を書いたライター

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楠本佳子さん

こどもみらい塾(岡山)」塾長。自身の子育てや教育経験を活かし、ママを対象としたセミナーや個別相談も行っている。著作に「12歳までに勉強ぐせをつけるお母さんの習慣」>ホームページはこちら

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