教育全般にいえることですが、地域、家庭の教育方針、私立学校か公立学校かによっても、学習の取り組み方は異なるもの。では、英語を母国語とする、アメリカでの英語学習の取り組み方とは?今回はその一例を紹介します。楽しみながら英語学習してみませんか?

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母国語の勉強が必要なのは万国共通

日本の子どもたちが母国語の学習をしているのと同じように、アメリカの子どもたちも日々英語をさまざまな方法で学習し、日々努力しています。

0歳児から6歳児くらいまで

3歳児くらいまでは、物とその名前を主に耳から学ぶ。歌から覚えたり、物にその物の名前を貼り付けたりして、単語を学習する。

4~5歳児くらいから

4~5歳児くらいからフォニックス(発音とつづりの規則性を示す学習法)で文字を学び始め、音を聞いて単語を書きだせるようトレーニング。

5~6歳児から

「間違えてもいいから聞いた通りに書いてごらん。」とフォニックスを継続しつつ、繰り返し書いて単語を覚えていく方法が加わる。

「P is for popcorn.」

小学校低学年で実践される英単語学習方法

単語を学習するのに、「ただ単純に繰り返し書いても楽しくない=覚えない」のは万国共通ですよね。

そのため、アメリカの公立小学校に通う5~6歳の子どもたち(日本での幼稚園年長~小学校1年生)のクラスでも、子どもたちが楽しみながらできる、英単語学習方法を取り入れています。その方法をいくつか紹介します。

レインボー・ライティング

Rainbow Writing

単語を鉛筆で書き、その後クレヨンを使って、鉛筆で書いた単語をなぞっていきます。3色のクレヨンを使って、3回同じ文字をなぞります。

チューチュー・ワーズ

Choo Choo Words

各単語、違う色を使って、ノート1ページ、最初から最後までずっと書いていきます。チューチューは「Choo Choo Train」、つまり「汽車ポッポ」という意味から来ています。

ピラミッド

Pyramid Spelling

w
wh
whe
wher
where
といった感じで、単語をピラミッドの形になるように書いていきます。

ABCオーダー

ABC order

単語をABC順に並べ替えて書きます。

母音と子音

Consonants and Vowels

母音と子音を色分けして、2つの色を使って単語を書きます。

今週の単語を使って文章を作る

Write sentences

簡単な文章で全然OK。

その他

  • 家の外でチョークを使って、今週の単語の練習をし、終わったら写真を撮って先生にメールで送る
  • ハサミで雑誌などから文字を切り取り、紙に貼って今週勉強している各単語を完成させる
  • 自分の足の形をなぞって紙に書き、その中に今週学習している単語を書く

などなど。このようにして学習していくうちに、今週の単語を使ってお話を作ってくる、という宿題が自分1人でもできるようになります。

学校行事も学習の機会として活用

アメリカの小学校では、新学期が始まって100日目はお祝いの日。通学100日目のお祝い行事「The 100 days of School」が毎年行われます。この日、子どもたちは「100」にちなんだ、いろいろな「100に関する作業」をします。

「何かを100個集めて、ジップロックに入れて学校に持ってくる」という宿題が出たり、「100にちなんだ帽子を家で作って、学校にかぶってくる」という宿題が出たり、クラスによっていろいろ。そして当日は、1から100まで声を出して数えていく作業をします。

このようにして、子どもたちはさまざまな学校行事を通じて、楽しみながら算数の学習をしたり、英単語の学習したりしています。

単語の発音練習も大事

日本人でも小さい子どもが正しく発音できなかった、などはよくある話。同じく、アメリカ人の子どもも、きちんと単語の発音ができるよう練習をしています。

実際に小学校1年生のクラスで使われていたのが以前でも紹介した、語学力アップアイテム「ウィスパーフォン」。先生はDIYで安く簡単に作れる、発音矯正ツールを活用し、教室の中で子どもたちに発音の練習を取り組ませています。

Whisper Phone

まとめ

「子どもの能力を伸ばしたい」という願いは万国共通。そのためには、子どもを習い事に通わせることも選択肢の一つですが、お金や時間をかけずに、まず家でできることは意外とあるのではないでしょうか。

今回紹介させていただいたような、アメリカの小学校で実際に実践されている、ちょっとしたアイディアを活用して、楽しみながら子どもと一緒に英語学習を始めてみませんか?

この記事を書いたライター

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大河内えりなさん

夫・娘9歳・息子7歳。小さい頃からずーっと転勤族。高知、千葉、札幌、神奈川、イギリス、再び神奈川。名古屋、タイ、東京、千葉、次はアメリカへ!

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