/ 2017.06.11

幼稚園それとも保育園?子どもも保護者もハッピーであれば、どちらが良いという話ではありませんが、「あくまでわが家の場合ですが…」と、語ってくれた園子さん(仮名)の幼稚園から保育園への転園ストーリー。両方の良さを知る彼女が語る違いとは?

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幼稚園から保育園へ、転園のきっかけは園への不信感から

千葉県有数の有名幼稚園。英語早期教育や年少からひらがなを学び、制服もオシャレ!入園試験には、近隣エリアのみならず、隣の市から願書を出しに来るような人気幼稚園に通っていた兄と妹。

「息子は、幼稚園を卒園して現在、小学校2年生になります。娘は年長さんになりました。娘が保育園に転園したのは、年中さんになる4月1日から。それまで、夫の仕事が忙しく、ほぼ母子家庭状態で子育てをしていました。」

「お兄ちゃんが年長のときに、私がワインサロンや料理教室に通い始めて、どうしても幼稚園のお迎え時間に間に合わなくなりました。延長保育をお願いすると2人で毎日1200円の出費となります。

ワインの勉強はいずれ仕事にもつなげたかったので、息子が小学校に上がる4月から働くことを念頭に10月ごろから保育園を探し始めました。提出書類には3カ月の休職扱いにして、保育園に申し込みをしました。結果、2月に登園先が決まりました。」

「そもそも、転園のきっかけは幼稚園への不信感からだったんです。たとえば、私がPTAの仕事で園にいる時に職員室に息子がいて、明らかにトラブルがあった様子。でも、その日の夕方、先生から電話で受けた報告は“帰り際にコブができました”と。え?日中、じゃない?」

「ほかにも、バス登園の書類が半年間放置されていたり、担任の先生から、病院からの診断書を持参すればプール費用は不要と伺ったのに、実際は必要で、園長直々に電話で情報の訂正があったり、すべて口頭ベースで事が進んでいて、園の先生たちの連携が取れていないことが立て続けに起きてしまいました。それ以来、ずっとモヤモヤが消えなくて。」

それまで通っていた幼稚園から保育園へ通うことに、周りの保護者の反応は?

「そんなに深い付き合いをしていたわけではないので。ただ、同じような思いをしていたママとは、思いがけず今でもつながって、連絡を取り合ったり。すべてのつながりがなくなったわけではないですね。」


運動会の朝、幼稚園では早朝から列に並ぶのが当たり前!保育園は?

娘さんが4月から通い始めた保育園。保護者のみなさんの様子はいかがでしたか?

「幼稚園は、送り迎えの際、ママたちのおしゃべりが続きます。

保育園は、みなさん仕事をしていらっしゃるので、園からすぐに仕事場に向かい、お迎え時も夕飯の支度があるので、子どもの準備ができたら、すぐに家路に。挨拶くらいはしますが、立ち止まっておしゃべりは、ほとんどありません(笑)。」

「一番の違いは、運動会。幼稚園は、朝7:00から撮影場所を取るために列にならびます。15:00の閉会式まで、タープを張ったり、家族総出の一大イベントです。

保育園は、0歳から6歳までなので、運動会自体が半日で終わります。場所取りのために朝早く門の前にならぶ必要もありませんでした。」

「お遊戯会も、大ホールの席を取るために並び、三脚も設置して気合十分だった幼稚園に比べて、さっぱりしている感が。保育園は体育館で開催するので、子どもたちとの距離が近く、肉眼でもよく見えるんです。」

「先生と保護者の役割も少し違いますね。幼稚園では、行事などではママたちが係を担当しなければならなかったのですが、保育園は先生たちがすべて準備してお膳立てしておいてくれる印象があります。」先生と保護者の関係性も、少し違う様子。


兄は幼稚園育ち、妹は保育園育ち、今だから笑えるその違い

幼稚園で過ごしたお兄ちゃんと、保育園で過ごしている妹さんとの違いは?

「幼稚園生活では、ちょっとステキな制服もあってクリーニングなどお手入れもきちんとしていました。また、年少からひらがなを習ったり、英語の時間もあったり、とにかく教育の場。

ウォーターサーバーがミネラルウォーター仕様で、さらにその脇には紙コップが常備されていましたし、トイレ設備も新しく、それが普通だと思っていたんです。」

「それが4月から一変したんですよ。通い始めた保育園は、よく言えば歴史ある?設備が古くて、トイレは昔ながらの和式。なんと初体験!娘はそれを怖がって、まずトイレに行けない。

喉が乾いたからと水を飲もうとしたら、水道水を手ですくって飲むことに。しかも温かったみたいで(笑)。」

いきなり幼稚園から保育園へ、生活がガラリと変わった娘さんの様子はどうでしたか?

初日からお昼寝もあって、もうパニック。カルチャーギャップに「幼稚園に帰りたい!帰りたい!と、この状態は3カ月くらい続きました。

「でもね、親としては、水道水を飲むのも、手をコップにして飲むのも、普通のことだと思ったんです。先生にお話して、コップで水を飲むことまではお願いしましたが(笑)。和式トイレだって、小学校に上がる前に練習ができて良かったと思っています。」

「今ですか? たくましく成長しましたよ~」。それまで、「抱っこ!抱っこ!」だった娘さんは、よく歩くようになって、年下の子どもたちの面倒も見るリーダー的な存在に。先生からも「よくまとめてくれますよ!」と。


グローバルな環境で子どもたちを育てたいから、ホームステイの受け入れ家庭に

それぞれ違う環境で過ごした息子さんと娘さん。これからどんな子育てをしていきたいですか?

「娘は、多分、どこに行ってもやっていける子に育っています(笑)。最近は、ひとり芝居が好きで、ぬいぐるみ相手になにかを演じています。ロマンチック乙女まっしぐらです。

息子は、聞き上手で、妹の話をよく聞いてくれます。スポーツ方面には行きにくいかもしれないけれど、算数の掛け算や習字が大好き。なんと言っても集中力がすごい!」

子どもたちのいいところをサラリと挙げられるのは、それぞれにきちんと向き合っている証。

「子どものころから、グローバルな環境を作ってやりたいと思い、市の国際交流センターに登録しています。年2回程度、海外からの若者のホームステイを受け入れることで、さまざまな国の子たちとの出会いがあります。

家族で海外旅行の時は、お兄ちゃんが幼稚園で学んでいた英語も役立っています。それと…私自身が小柄なので、子どもたちの背を伸ばしたくて、食にはこだわっています。」

かつて、仕事人間だったパパは、現在、起業準備中。子どもたちとの時間をたっぷり取りながら充電中。ママは、飲食店で働きながらワインソムリエの資格取得を目指しています。

「いずれ自分の店を持って、地元千葉でワインブームを起こしたいんです。カウンターに10人くらい座れるくらいの。夫婦の夢は、海外で日本家庭料理の店を開くこと。」

有名幼稚園から地元の保育園へ。子どもは突然の環境の変化に多少の時間はかかったもののしっかりと根付き、たくましく成長。夢に向かって動き始めた家族。パパとママが見てきた広々とした世界に子どもたちが翼を広げて羽ばたいていく日が楽しみですね。


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