子育てに自信のあるママなんて、どこにもいない!家庭教師・塾講師、東大生・早大生を育てた母であり、子育てセミナーを主催する楠本佳子さんに教わる連載コラム「能力をのばす子育て」。30回目は「感謝の言葉」について。

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かわいいと感じるお母さんとその子ども

私も年齢を重ね、相談を受けるお母さん、塾生のお母さんたちはみんな年下になりました。あいさつがきちんとしており、礼儀正しいお母さんはこちらも笑顔になります。

特に「ありがとうございます。」という言葉は人を笑顔にし、こちらも「気をつけてくださいね、がんばってくださいね。」という返事が自然に出てきます。さらに、「かわいいお母さんだな。」と思います。そのようなお母さんの子どもには、やはり笑顔を向けることも多くなるでしょう。

例えば、塾の時間を変更するとき、LINEやメールで相談に乗ってあげたときに「ありがとうございます。」ときちんと感謝のメールを送ってくれる人は、とても気持ちが良くて、より気にかけてあげようという気持ちになります。

人それぞれ違うのは人間だから

そんなに表立っても変わらないと思うかもしれませんが、人間には感情というものがあります。ロボットや機械ではありません。

子どもに向ける笑顔の数が違ったり、温かく見守る状況が違ったりするのは人間だからです。人それぞれ微妙に変わってきます。そして、この微妙さの影響力はとても大きいものです。

「ありがとうございます。」という、たったこの一言だけで子どもに対する影響力があるのであれば、そんな簡単なことはないでしょう。

子どもはお母さんの姿を映した鏡そのもの

もちろん、お母さんの性格は子どもの性格に強く影響します。たまに、お母さんはできていないけど、子どもの方が素直でとても感じが良いということもまれにあります。

しかし、お母さんが文句を言ってばかりで「ありがとう。」と感謝の言葉も言えない。そのような子どもはやはり、そっくり同じであることが多いのは否めません。

お母さんの影響力は、なにげない日常のあいさつにもでてきます。そして、その親の姿を子どもはしっかり見て、どんどん真似していきます。いいところも悪いところも似てきます。

ありがとうを強制するのではなく、ありがとうを言い合える関係に

“いろいろなことに感謝する”、それは巡りめぐって、自分や子どものところへ違う形として返ってきます。

子どもに「ありがとう。」と言うと、自然に子どもも親に「ありがとう。」と言う人に成長していきます。「親にありがとうと言いなさい。」と強制的にしつけるのではなく、親子でお互いに「ありがとう。」と言い合える関係はとても和やかで、幸せを感じます。

今日からでも遅くはありません。心から「ありがとう。」という言葉を先生だけでなく、家族にも言ってみませんか。

この記事を書いたライター

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楠本佳子さん

こどもみらい塾(岡山)」塾長。自身の子育てや教育経験を活かし、ママを対象としたセミナーや個別相談も行っている。著作に「12歳までに勉強ぐせをつけるお母さんの習慣」>ホームページはこちら

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