子どもが泣いて困る…というママも多いでしょうが、子どもにとって泣くことは成長過程で大切なこと。年齢別に泣く理由とママの対処法を紹介します。

お話を聞いたのは

植松紀子さん( 臨床心理士 )

日本大学講師。「植松メンタルヘルス・ルーム」主宰。清瀬市教育委員。武蔵野赤十字病院、神奈川県内の児童相談所や教育委員会指導課、「こどもの城」小児保健部での勤務を経て、現在はアドバイザーとしてさまざまな保育園や幼稚園を回り指導を行う

0歳:「泣く」は生理的なこと。快・不快を表し、泣いて声帯を鍛える

0歳は「動物から人間になる時期」。生理的な行動で、呼吸をするためにも泣きます。泣くことで声帯を鍛え、どのくらい大きな声が出るかを自分で確認し、「このくらいの声が出ればママが来てくれる」と分かるように。

初期は快・不快を表すためだけに泣きますが、5、6カ月ではママへの甘え、7カ月以降は人見知りでも泣くようになります。

1-2歳:「イヤイヤ泣き」開始。主張するためにギャーギャー泣く

「イヤイヤ泣き」が始まるのは1歳半ごろから。自分の主張のために「対ママ(親)」で泣きます。自立期でもあり、ひっくり返ってギャーギャーと泣くことも。

これも「かまってよ」「抱っこしてよ」などの自己主張からくるものが大半です。本当にダメなことなどは泣いてもきちんと教え、甘えたくて泣いているならギュッと抱っこをしてあげましょう。

3-4歳:集団に入っていく時期。「対集団」「対友達」で泣くように

集団に入っていく時期になり、今まではママや大人に対して泣いていたのが、友達に対して泣く方が多くなります。子ども同士で「遊びたいのに仲間に入れてくれない」「自分の方が先だったのに〇〇ちゃんズルイ」などとケンカをすることも。

泣いているときは感情をセーブできないため、落ち着いてから泣いている理由を聞くのがいいでしょう。

5-6歳:泣くことを我慢できるように。泣く理由も話せる

このころは「泣く」ことを我慢できるようになり、コントロールが利くように。泣く理由も話せるようになります。あまり泣かない子には、「泣きたいなら泣きなさい」と言ってあげてもいいですね。

半面、心の揺れが大きくなる時期でもあります。ママが精神的に不安定だとそれを察するようにもなるので、ドンと構えていてあげましょう。

※この記事は、2018年1月発行の「ぎゅって2月号」に掲載した記事を再編集したものです