わが子には「得意なことを身に付けて自信を持ってほしい」と思うのが親心。でも習い事をさせる時間がない…と感じている人も多いようです。この連載では、筑波大学教授の徳田克己さんをアドバイザーに迎え、親が子どもにできることを考えていきます。

question絶対音感、絵画センスはどう磨く?

びっくりするほど絵が上手だったり、ピアノを器用に弾いていたり…。周りの友達と比べて「うちの子は全然…」と嘆くお母さんは少なくありません。果たして、絵や音楽の才能は天性のものでしょうか。

adviceどんなに下手でも褒めることが大事。目先の技術ではなく、将来の“伸び”に期待を

教えてくれたのは

徳田克己さん

筑波大学医学医療系教授。筑波大学発ベンチャー企業子ども支援研究所所長、教育学博士、臨床心理士。東京の私立幼稚園の先生や大学内保育所の責任者の経験も

大人の知恵を与えてはいけません

ピアノは昔から習い事の定番ですが、一 般の教室でもその考え方が大きく変わってきています。楽譜通りに弾く技ではなく、聴く・歌う・弾くといった音楽の面白さを体感することに重きを置くようになりました。

これは絵画にも共通することで、まずは「ピアノの時間が待ち遠しい」「絵を描いてママに見せたい」という気持ちを持たせることが重要です。叩き込めば技術は会得できるけれど、〝好き〟の気持ちがなければ、絶対に途中で挫折します。

子どもたちが好きな塗り絵も、色の塗り方や色の指定をして描かせてはいけません。線をはみ出しても、どんな色を使ってもいいのです。褒めて褒めて「もっと描きたい」と思わせるようにしましょう。

 また、〝絶対音感〟だけは3歳からの訓練で身に付けられると言いますが、本当に必要でしょうか。著名な音楽家にも、絶対音感を持たない人はたくさんいますよ。