子育てに自信のあるママなんてどこにもいない!家庭教師・塾講師、東大生・早大生を育てた母であり、子育てセミナーを主催する楠本佳子さんに教わる連載コラム「能力をのばす子育て」。34回目は子どもの習い事に関しての読者のお悩みに答えてもらいました。

question習い事への熱意に周りと差がある娘。母親としてどういう心持ちでいたら?

娘はダンスを習っています。が、いまいち自主練をしません。レッスンで幼稚園時代からのお友だちと会えるのが楽しいらしく、本人にとっても憩いの場として良いのかもしれませんが、他のメンバーはきちんと自主練をしており、成長も目覚ましいのです。

うちの娘はレッスン中も本当にのほほんとしていて、見ているとヤキモキします。例えば、練習着に着替え終わったらすぐにストレッチをしなくてはいけないのに始める気配がないとか、他のお友だちが先生に注意をされているとき、自分には関係がないと思って一人で遊び始めたり。

その行為が周りに迷惑をかけるほどではないのですが、周りと熱意の差があり、母親としてはちょっとイライラします。どう対応すべきか、どういう心持ちでいれば良いのか、アドバイスをお願いします。

(小1・女児のママ)

答えてくれるのは

楠本佳子さん

こどもみらい塾(岡山)」塾長。自身の子育てや教育経験を活かし、ママを対象としたセミナーや個別相談も行っている。著作に「12歳までに勉強ぐせをつけるお母さんの習慣」、「12歳までに自信ぐせをつけるお母さんの習慣」

answer子どもが1番嫌いなのは友だちと比べられることです。ただ他の子どもと比べるよりも先週と今週、どこが上手くなったかそこを見つけてあげて褒めてあげましょう。

習い事が好きになるのも苦痛になるのも、お母さん次第

このお悩みを読んだとき、まるで私の娘のこと言っているようだと思い、なつかしく感じました。私の娘はバレエを習っていましたが、一番仲の良いお友だちが自主練をものすごくしている中、全くやらずにお喋りできる友だちとペチャクチャお喋りをしていました。

とにかくお友だちとお喋りするのが楽しそう。それを見て私も微笑ましくなりました。先生は怒っていましたけどね。(もちろんレッスンは真面目に受けていました。)

7年間習い続けたバレエを辞めるとき、先生に「自主練していたらこんなものじゃなかった、もっと上手になっていただろうに」と嫌味を言われましたが、それも全く意に介しません。

はじめから趣味でやっていたのですから。そして今、娘は大人になってから再びバレエを始めています。

反対に私は、子どもの頃にピアノを習っていましたが、親が厳しくて苦痛でなりませんでした。親自身が「小さい頃は楽しそうに弾いていたのにねー」と言います。誰が楽しさを奪ったのでしょう。私にとってピアノは非常に辛かった思い出しかありません。

そもそもその習い事は何のため?

その習い事はプロにしたいのでしょうか。たとえプロにしたいとするならば、それは本当に子どもが願っていることでしょうか。

迷惑をかけるようなことしているのではなかったら、見守ってあげるのはどうでしょう。

子どもの成長もそれぞれに違います。もっと上手くなりたいなと本人が思ったら頑張るだろうし、やはりダンスは好きじゃないと思ったら辞めると言うかもしれません。

友だちというものはかけがえのないものです。癒される場所がある。楽しいところがあるだけで素敵なことです。見つけたいと思っても見つけられるものではありません。

お母さんのために習っているわけではありません、まずは子ども自身が楽しいことが最優先です。