静かにしてほしいときなど、つい子どもに渡しがちなスマートフォンですが、WHOが“スマホ普及などによる「ゲーム依存」を疾病として定義する見通しである”と発表するなど、子どものスマホ依存を不安視する声も。子どもとスマホのいい関係を探ります。

お話を聞いたのは

遠藤利彦さん( 東京大学大学院教授 )

専門は発達心理学。子どもの愛着関係の形成や社会性の発達に関する研究を行う。NHK Eテレ「すくすく子育て」では幼児期のスマホ利用の注意点を解説。共著に「よくわかる情動発達」(ミネルヴァ書房)

あなたのお子さんは大丈夫?スマホ依存度チェックリスト

  • 目的なく、ただ触りたいだけでスマホを求めてくる
  • 見る時間など決めたルールを守れない
  • YouTubeなどの動画を子どもが操作して見ている
  • 友達との遊びよりもスマホいじりが好き
  • いつの間にかスマホをいじっている
  • ママがスマホを使うと「ズルい」と言う
  • スマホを取り上げると泣き叫んだり怒ったりする
  • チェックの数が0・1個
    スマホ依存度は低め。現状を維持して

    スマホ依存度は低めと考えられます。今の状態をキープできるように、引き続き子どものスマホ使用の管理をしてください。「目的を持って親と一緒に使う」など、これからもルールを守って楽しみましょう。

    チェックの数が2~4個
    スマホ依存度は黄色信号!要注意です

    スマホ依存度は要注意のレベル。間を持たせるために、すぐスマホを渡してしまうのは危険です。普段は子どもの手の届かない場所に置く、短時間のみの使用とするなど、使い方を見直していきましょう。

    チェックの数が5~7個
    今すぐ子どもとスマホの付き合い方を見直して!

    スマホ依存度はかなり高そう。スマホと子どもの関係を注視し、少しずつスマホとの距離を離していくのがおすすめ。外遊びなど他の遊びに興味を見いだすまでは、しばらくスマホはお休みでもいいかもしれません。

    子どもとスマホの共存方法を考えよう

    スマホの発する色・音・動きの刺激は強く、子どもは興味津々。短時間だけ見せるはずが「もっと見たい」とせがまれることもあるのではないでしょうか。

    強い刺激は子どもの注意を引きますが、すぐに飽きて次々と新しい刺激を求めます。これがスマホ依存につながっていきます。

    問題はスマホに夢中になって、普通の遊びが減ってしまうこと。「人との関係」「コミュニケーション」は本来遊びから学びます。特に0~2歳の頃は人との相互作用によって育つので、人との関係が希薄になることは避けなければいけません。

    遊ぶなら、スマホをコミュニケーションツールの一つとして考え、ママと会話しながら使うのがおすすめ。3歳以降は分別が分かるようになるので、ルールを決めてしっかり守らせることが大切です。

    また、スマホに限らず、子どもは親の行動をまねします。スマホをいじってばかりの子になってほしくないなら、ママやパパも子どもの前でスマホを四六時中いじってはいけません。

    ただ、調べ物やママ友への連絡など、普通に生活する上で、子どもの前で使うことがあるのは当然です。

    スマホはすでに私たちの生活の一部。全否定するよりも、子どもとスマホの上手な共存方法を探していけるといいですね。

    この続きはフリーマガジン「ぎゅって」3月号で

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