アンケートでは8割以上のママが、スマホを子どもに使わせることに不安があるという結果に。「ぎゅって」に寄せられたママたちの悩みや質問に、遠藤さんが答えます。

お話を聞いたのは

遠藤利彦さん( 東京大学大学院教授 )

専門は発達心理学。子どもの愛着関係の形成や社会性の発達に関する研究を行う。NHK Eテレ「すくすく子育て」では幼児期のスマホ利用の注意点を解説。共著に「よくわかる情動発達」(ミネルヴァ書房)

question子どもにとってスマホ動画はテレビや映画と同じ?

スマホ動画はテレビのように決められたプログラムではなく、自分で自由に選べ、いくらでも視聴できてしまう怖さがあります。テレビなどに比べて依存性も高いでしょう。しかし、自分が映っている動画などはコミュニケーションの材料になるのでよいでしょう。

question情緒や脳への影響は?

スマホ動画などは子どもが受け身になったときが危険です。自分で考えるプロセスが伴わず、選択していない部分が刺激として子どもの中に入り込むのは避けるべき。スマホから垂れ流しされる情報に乗せられたまま見続けないように、ママが管理をしてあげましょう。

question学校や塾でタブレットを使う時代。今からスマホで慣れておいた方がいい?

教科書のデジタル化は確かにありますが、短絡的に考えなくて大丈夫です。子どもがタブレットに慣れ過ぎてしまうと、学校の先生のガイドに沿って行う授業に興味がそそられなくなる危険性もあります。先に慣れておく必要はないでしょう。

question見せないとぐずるし、常時見たいとせがまれる。どうしたらいい?

親がブレないことが大事です。「約束以外のシーンでは見せない」と決め、子どものぐずりに折れてはいけません。「泣きわめいてもスマホを与えない」など、親も強くいるべきでしょう。長い目で見たときに、そのほうが子どものためにもなります。

question子どもの質問をスマホで調べる時、言葉掛けは?

子どもに「この虫の名は?」と聞かれたら、スマホで調べることもあるでしょう。そんな時は「じゃあ一緒に調べてみよう」と声を掛けましょう。イマジネーションを働かせたいなら、先に本で調べ、「もっと細かく知りたい」と興味が出てからスマホを使うのもおすすめです。

question子ども向けのアプリなどで遊ぶのもよくない?

例えば、音楽が流れたり、気に入ったキャラクターが出てきたりするようなものや、クイズや絵本のようなアプリなら、「おもちゃ」と同じで、時間を決めて遊ぶ分には問題ないと思います。ルールを決めて守れるようにしたいですね。