/ 2018.04.04

芸術鑑賞というと、子連れで行くにはハードルが高く感じられます。しかし、教育的には1歳から6歳の五感が敏感な時期に芸術に触れさせることは、とても大切な経験なのだそう。芸術に触れる意義をモンテッソーリ教育の荒井聖子さんに解説してもらいました。



教えてくれたのは

荒井聖子さん

SakuraEdu代表、コドモンテワークショップ主宰。資生堂に勤務後、目黒区民講座講師、幼児教室のコンサルティング等をしながら、通算百回以上の企画開催。日本モンテッソーリ教育綜合研究所教師、NPO日本食育インストラクター1級などの資格を生かし子育て支援活動を行う。>SakuraEdu

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子どもは早いうちから芸術に触れさせた方がいいってホント?

“芸術鑑賞”となると、美術館や博物館など静かにしなくてはいけない場所だと思うと、子連れで行くにはグンとハードルが高くなります。でもなんとなく子どもには色々な芸術に触れさせておきたい、と思うのが親心。

そんな不安を払拭すべく、モンテッソーリ教育の荒井聖子さんに幼児期の芸術鑑賞にはどのような効果があるのかを伺ってみました。

幼児期は芸術に触れさせるのに最高の時期

音楽、絵画、舞台など、子どもにいつから鑑賞させたら良いの?こんな戸惑いを持つ人が多いと聞きます。でも、迷う必要はありません!子どもが鑑賞可能な演目ならどんどん親子で楽しむことをオススメします。

脳が発達する幼児期(1歳から6歳)には、五感を通して身の回りにあるたくさんの情報を、脳の引き出しに取り込んでいきます

そのため、大人には聞こえない遠くの音が聞こえたり、ごく小さな虫を発見したり、日向と日陰の温度を手の平で比べてみたりと、五感がひときわ敏感で、美しいものや特徴あるものに触れる最高の時期といえるからです。

芸術にじかに触れる意味は、存在しているものをリアルな知識として得ること

タブレット画面で見る演劇やコンサートはそれだけで楽しいものですが、観客席に響く音、動くときに起きる空気の動き、見ている人が驚くようなパフォーマンスなどを五感で吸収することはできません。

たとえば「サーカス」という言葉を聞いて思い浮かぶのは、映像の中のサーカス?それとも実物?もしサーカスという言葉を知り、文字が書けたとしても、感性によって得る実物を知らなければ意味がないのです。

大きな音にドキドキしたり、面白いしぐさに笑ったり、ジャンプやジャグリングの技に目を見張る…。1つ1つが子どもの貴重な実体験として積み上がっていくはずです。あんなことが出来るようになりたいな、どうしたら出来るのかな、という好奇心も芽生えます。

日々忙しい私たち大人にとっても、非日常空間での気分転換が、笑顔をもたらしてくれることでしょう。一緒に過ごす素敵な時間が子どもの心を楽しく豊かにすること間違いなしです。

まずは身近なところから、親子で聴ける音楽会、ミュージカルやサーカス、彫刻のある公園や博物館など、親子で楽しんでみてはいかがでしょうか。